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「危機に直面する中小企業」<531>

2月2日、NHKの「視点・論点」を見た。

解説は東京商工リサーチ情報本部長の友田信男氏。

論旨を列挙する。

 

・日本の企業約358万社のうち99.7%の357万社が中小企業である。

・労働者の70%(3,220万人)は中小企業。

・コロナ禍で飲食業、旅館業、ブライダル業は深刻。

 

・持続化給付金、雇用調整助成金やゼロゼロ融資(無利子・無担保)により2021年の企業倒産は6,030件と57年ぶりの歴史的な低水準だが、多くの企業が過剰債務に陥っている。

・日本経済は10年置きに100年に1度の未曾有な経済危機に襲われている。

1990年代 バブル崩壊

2000年代 アジア発国際金融危機

2008年~2009年 リーマンショック

2011年 東日本大震災

2020年 新型コロナ感染症

 

・2021年3月決算

減収企業率 55.8%

営業利益率 3.53%

4社に1社は赤字、借入金は月商の8.2倍。

 

・中小企業は生産性向上の遅れと事業承継問題を構造的に抱えている。

 

・経営者の平均年齢は2020年で62.49歳。

休廃業した経営者年齢は平均71歳。

・2021年で後継者が居ない倒産件数は381件で過去最高。

廃業は4万4,377件で平均年間倒産の7.3倍に達する。

2022年は廃業決断する企業がさらに多くなるのでは。

 

・M&A(企業合併・買収)は4,280件で過去最高。

国や地方公共団体はM&Aの手数料に補助する施策が必要ではないか。

 

・中小企業は業種転換、デジタル化、ロボット化を図ると同時に後継者育成を。

 

・ABL(売掛金や在庫を担保とした融資)やファクタリング(売掛債権の買い取り)で資金繰り改善策が急務。

 

中小企業は売上増と収益改善を同時に解決する抜本的対策を講じて転換の契機にする必要がある。

 

 

写真・・・「新春・はせ浩を囲む会」で高市早苗・自民党政務調査会長(奈良)がオンラインで講演とトーク参加。(1/22)

「仕事が麻雀で麻雀が仕事」 2022

いつも、平行して、本を読んでます。

ビジネス本、時代小説(今は、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」)。エッセイなど。

蛇足ながら、トイレで読む本は時代小説が多いです。

 

さて、ビジネス本の範疇で、サイバーエージェント社長である藤田晋氏の「仕事が麻雀で麻雀が仕事」を読んでおります。

私自身、麻雀はしない。

しかしながら、ゲームなどでルールは知っているので、「勝った人は強い。しかし、強い人が勝つとは限らない」勝負の世界であることは理解できます。

 

「3つの視点」というタイトルの中で、「自分の視点」「相手の視点」「俯瞰した視点」の3つの視点を有する人が強いとの記載がありました。

とくに「俯瞰した視点」はあたかも自身が幽体離脱したかの如く、自身を客観視できる能力ともいえるでしょう。

また、この視点は「大局観」ともいえます。

難しい局面において、視点を上に上にあげれば、判断できる機会も増えそうです。

 

 

 

「生きるということ」<530>

今年の大学入学共通テスト問題を見ていたら、国語の第2問に黒井千次「庭の男」が出題されていて目についた。

 

その文章は・・・

「私」は会社勤めを終え、自宅で過ごすことが多くなっている。

隣家の庭に息子のためのプレハブ小屋が建ち、そこに立てかけられた看板に描かれた男が、「私」の自宅のダイニングキッチンから見える。

その存在が徐々に気になりはじめた「 私」は、看板のことを妻に相談するなかで、自分が案山子(かかし)をどけてくれと頼んでいる雀のようだと感じていた。

(以下略)

 

立看板をめぐる「私」と隣家の息子の心理描写が繊細に書かれている。

 

小説家の黒井千次は1932年生まれの文化功労者。

大企業の組織を見つめ、労働者の人間疎外を主題とした作品を多数執筆、自叙伝的な青春小説「春の道標」でも好評を得ている。

 

黒井千次に興味が湧き、

「庭の男」の出版は見あたらなかったが、2013年作品「生きるということ」、2012年「老いのつぶやき」、2014年「老いの味わい」を取り寄せ読んだ。

 

1年後に傘寿を迎える身で、老いを考える。

 

「生きるということ」の章は・・・

第一章 時の流れに生きる

第二章 人生の節目に生きる

第三章 日常に生きる

第四章 言葉とともに生きる

第五章 時代とともに生きる

第六章 老いとともに生きる

第七章 明日へ向かって生きる

 

このうち第六章の中、「死の教育」の一節を要約すると。

 

いかにして生命の尊さを教えればよいかといった手立てについて充分に論じられていない。

人間にとって、生きるとは日常であり、これを正確に自覚することは容易ではない。

健康のありがたさは病気になってみなければわからぬ。

生より死について真摯な考察を深めることが大切。

死は高齢者の占有物ではない。

生と同じく、すべての人間がひとしく抱えているものだ。

 

死を考察すれば、生命の尊厳が分かる。

 

人生の先には何があるのか。

わからないからこそ、歩き出すことに価値がある。

 

 

写真・・・2021.12.9~12、「2020ドバイ国際博覧会」の日本館で日本棋院が囲碁の普及イベントを開催。Tシャツ「The World  of GO碁」を掲げるドバイ万博囲碁出展実行委員会の佃優子事務局長。

所得税確定申告期限の延長要望 2022

はじめに

コロナ禍の中、所得税確定申告期限が2年連続で4月15日に延長されました。

今年は、延長が未確定です。

オミクロン株の桁違いの感染力にて、今年も延長されるかどうか注視しているところです。

昨年、税理士会で初めて、「確定申告期限の延長」を税制改正要望として提出致しました。

しかしながら、残念ながら税制大綱には記載がありませんでした。

 

1.申告納税制度の歴史

昭和22年の改正で、所得税に申告納税制度が導入されました。

最初の確定申告期限は昭和23年1月31日。

早い。早すぎる。

そして、昭和26年の改正で、昭和27年2月末日に延長。

さらに、昭和27年の改正で、昭和28年3月15日に延長され、現在に至ります。

昭和28年(1953年)。

当時の吉田首相が衆議院予算委員会で「バカヤロー」と暴言を放った年。

「内灘闘争」があった年。

現在の確定申告期限から70年が経過しようとしております。

 

2.諸外国の確定申告期限

アメリカは、毎年1月1日から12月31日までの所得について、翌年4月15日を期限としている。

コロナ禍の中、昨年は、1か月延長し、一昨年は3か月延長している。

1798年にイギリスで創設された所得税。

当時の明治政府もイギリスの所得税を参考にして所得税を導入したという。

所得税の本家本元のイギリスは、毎年4月6日から4月5日までの所得について、翌年1月31日を期限としている。

お隣の韓国は、毎年1月1日から12月31日までの所得について、翌年5月31日を期限としている。

 

3.会計事務所の働き方改革

国家財政を担う税金の計算。

税理士法第一条の「税理士の使命」を基礎に、会計事務所は申告納税制度の理念にそって、納税義務を適正に実現するべく、働いております。

当然に、「働き方改革」の中、労働基準法を遵守しながら、税務代理を行っています。

欧米よりも期限の早い3月15日までに全ての所得税申告を完遂すべく、時には、残業をしながら、国家財政に貢献しようと努力しています。

昭和28年(1953年)からもうすぐ70年。

会計事務所にも「働き方改革」推進の環境整備のため、税理士会の要望にあります「4月15日」までの期限延長を実現したい。

このように思います。

 

苦労と安楽 2022

はじめに

「楽は苦の種、苦は楽の種」と思います。

「人生、楽ありゃ、苦もあるさ~♪」の水戸黄門の歌を借りるまでもなく、そう思います。

これまでの経営を振り返ると、喜びも悲しみも「人」に尽きるなと思います。

苦労も安楽もすべて「人」。

 

1.人の採用について

事業計画で果たして何人「採用」するか、事業のスタートアップ時がとくに悩むことでしょう。

開業時の採用は、赤字にならないまでも、事業主の所得、生活費に直結します。

短期的な視野でいけば、言い換えれば、本能に従えば、採用は控えたい。

先ずは、自身の所得は確保したい。

ところが、中長期的に拡大を前提とすれば、採用して社員を育成しなければならない。

勇んで、苦労をしょい込むわけだ。

社員の採用と育成は、先行投資に他ならない。

 

2.苦労と安楽

採用も育成も苦労の連続であり、3年経ってようやく一人前となったら、今度は辞めるときた。

こんなことを繰り返しているうちに、楽になる時期もある。

採用も育成を止めてしまうと、確かに楽ではあるし、利益も出るでしょう。

ただ、中長期的には伸長しない。

こんなことを日頃、考えてます。

 

3.少数精鋭と拡大再生産

私の行きつけの散髪屋さん(3週間に1回のペースで通う)は、若い子の採用も育成も止めた。

一からいやゼロから教えるのは、本当に骨が折れる。

そして、本当に疲れる。

自分で全部やったほうが早くてお客様の満足度も高い。

これはこれで良いと思う。

少数精鋭も良いなと正直思います。

事業計画において、「少数精鋭」か「拡大再生産」のどちらかを志向しているかどうか。

この事業計画の考え方次第で「採用」が決まる。

当グループでは、「拡大再生産」を計画しているので、2022年も4名の採用を決めておりまして、今年も育成の苦労をして参りたいと思います。

いずれ、安楽になることを信じて。

「マイケル・サンデルの白熱教室」<529>

ハーバード大学のマイケル・サンデル教授が学生に問題提起する1月3日のBS番組を見た。

最近、中国が社会問題や大学教育に対し物議をかもす政策が次々に発令されている。

国家は社会や個人の生活にどれだけ制限できるのかとの問いかけ。

 

中国の復旦大学、日本の東京大学と慶應義塾大学、アメリカハーバード大学の学生に聞いている。

 

1、ゲームの制限

 

若者がコンピュータゲームやインターネットの中毒になっている。

親の共通の悩みである。

2019年にWHOはゲーム障害を精神疾患として注意を呼びかけた。

中国では6億人が熱中し、ゲームは5兆円産業に達している。

10人に1人はゲーム依存状態にある。

2021年8月、中国政府は国家新聞出版署から通達を出し、未成年者は金土日祝日の夜8時から9時までの1時間だけとし、違反したらゲーム会社が罰せられる。

政府の発表を受けてゲーム会社の株価は急落した。

eスポーツ業界も大きなダメージを受けている。

中国の養成学校では8割の生徒がやめた。

10万人のプロ選手は困り、夢を奪うと反対している。

 

学生の意見。

 

ゲーム規制に賛成。

中国・・6人中6人

アメリカ・・5人中0人

日本・・6人中1人

 

ゲーム規制に賛成の理由。

 

中国・・子供の中毒を防ぐ。仮想現実ではなくリアルな社会に対応。親子の対話する時間に。

 

日本・・ゲームで育った。しかし熱中すると学生生活がおろそかになる。

 

反対の理由。

アメリカ・・ゲーム規制を政府がするのは疑問。

親がすべき。

守らないときはゲーム会社ではなく子供を叱るべき。

 

中国・・子供の教育は政府と親が責任を補い合っている。親に責任をとらせるより親とゲーム会社が協力すべき。

 

日本・・子供は親が一番分かっている。ゲームで子供が育つ。映画や読書よりゲームは自分が参加できる。

 

アメリカ・・ゲームは勉強のご褒美に。

 

アルコールやタバコは未成年者を禁止している。

 

教授・・アルコールは未成年者に販売したら販売会社が罰せられるがゲームでは。

 

中国・・メリットとデメリットある。

しかしゲームの課金システムがありお金を奪う。

 

ゲームは時間を奪っている。

 

 

2、宿題と塾の制限

 

2020年の出生率

中国 1.3

日本    1.34

 

少子化が教育費の負担。

中国都市部では子供1人が大学卒業までに3,000万円かかる。

大半が塾の費用。

親は就職に有利になるよう有名大学に進学させる。

受験戦争は生まれたときに始まる。

 

中国は2021年9月に小中学生の宿題と塾を半減させる双減政策を発表した。

就寝時間を守らせ余った時間は音楽やスポーツに。

三万社あった塾は非営利会社にし政府の監督下に置かれた。

授業時間と受講料も規制された。

塾講師はリストラ。

親は大反対。

中国では上に政策あれば下に対策ありで闇営業の塾が発生している。

 

宿題の制限に反対

中国・・0人

アメリカ・・1人

日本・・6人

 

日本・・自己責任。個人の選択を制限。

 

中国・・宿題に時間とられ過ぎた。未来の子供にそうしたくない。

 

アメリカ・・宿題より大切なことを。自己責任で。

 

日本・・自分の人生の選択に必要かどうかで決める。

大学入試の学力重視に問題。

 

営利目的の塾の禁止

賛成。

中国・・3人

アメリカ・・2人

日本・・1人

 

日本・・急進的な政策は混乱。

 

中国・・教育に道徳が不足している。

 

教授・・大学入試に問題ないか。

 

アメリカ・・お金持ちが高い教育を受けられる。

 

若者たちは受験や出世競争のプレッシャーにさらされている。

学歴社会が問題。

 

日本・・スポーツでも名声をとるため競争するから同じ。

 

中国・・大学の定員少ないのが原因。

今まで一人っ子政策だったからこうなった。

 

中国の「寝そべり族」の歌が政府から指導うける。

労働の尊厳はどうなる。

 

「社会への義務」と「個人の自由」どちらが大事?

 

コロナのパンデミックでは個人の自由は制限。

 

貢献したい社会にすることが大切。

 

3、中国政府、貧富の格差是正のため「共同富裕」政策が出され巨額寄付企業が続出。

 

国民の人格や道徳を育むことも政府の役割なのか?

 

欧米メディアは中国に対して偏見を持っていないか?

 

中国・・中国は権利と義務のバランスをとっている。

 

あなたは自国の政府を信用できるか?

 

アメリカ・・権力の濫用がある。批判することも改善に繋がる。

中国・・14億人を治めるのは容易ではない。

 

教授のまとめ・・権力と義務のバランスをとるのは容易ではない。

議論し共通点を見出して欲しい。

 

国の政策について、学生の意見が交わされが、公益・共益・私益のバランスの難しさが浮き彫りになり考えさせられた。

 

 

写真・・・石川県庁19階展望ロビーから雪の金沢駅方面を望む。人形は石川県観光PRマスコットキャラクターの「ひゃくまんさん」。

左手、ニトリの左隣に当社三階が見える。(元旦)

金剣宮参拝 2022

新年明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い申し上げます。

1月4日(火)、創業の地である白山市の金剣宮にて、厄介なウイルス対策を万全に、参拝いたしました。

8時からの参拝で清々しい気持ちとなりました。
今年も皆で二拝二拍手一礼をし、心ひとつにしていこうと決意しました。

末筆ながら、皆様が手強いウィルスに罹患しないよう、そして、いつまでもお元気でありますように、心から祈念しております。

「碁苦楽道場」<528>

正月3日、金沢市昌永町の囲碁・白山クラブで第9回碁苦楽道場が開催され参加した。

第1回は2007年9月に碁苦楽道場と名付けた故・相田宣昭氏邸で行われ、何と一番低段の私が優勝してしまう番狂わせだった。

祝儀で参加者9名全員をステーキ店にご案内したのを懐かしく思い出される。

碁苦楽道場は曲折を経て今は白山クラブ師範の高林共平氏が引き継いでいる。

 

石川県出身囲碁プロ棋士の田尻悠人五段や寺田柊汰二段を育てた高林師範から私が第一回碁苦楽道場の優勝者だったと紹介され光栄だった。

 

参加者は10名

・高林共平十段(藤沢秀行塾八段)

・寺田柊汰十段(日本棋院中部総本部プロ二段)

・神野正昭十段(北國アマ囲碁名誉名人)

・河村真民八段(静岡県在住)

・奥谷静夫七段(碁苦楽道場代表幹事)

・向井雅一七段

・大橋裕七段(医師)

・斉藤俊平五段

・木村光雄五段

・飯田泰人初段

 

優勝、河村真民八段

二位、高林共平十段

三位、寺田柊汰プロ

復活戦優勝、神野正昭十段

 

私は一回戦飯田初段に時間切れ負け、敗者復活戦でも向井七段に中押し負けで歯が立たなかった。

 

懇親会から静岡県囲碁選手権13度優勝の加藤健一氏(63)が40年ぶりにに来訪され思い出話をされておられた。

 

コロナ禍の2年ぶり開催で、久しぶりに楽しいひとときだった。

 

 

写真・・・創業地の松任金剣宮参拝(1/4)、碁苦楽道場。

新年のご挨拶 2022

新年明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願い申し上げます。

平素は変わらぬご厚誼をいただきありがとうございます。

 

新型コロナウィルスと共生しながら、木村経営グループは、これからも、お客様の繁栄のためにご支援させて頂きます。

皆様のご健勝とご多幸を心よりご祈念申し上げます

令和3年12月吉日

木村経営グループ

代表 木村岳二

仕事納め 2021

今月の28日(火)、全員での終礼をもって、今年の全ての業務、イベントが終了いたします。

厄介なウィルス対策のおかげで、手強いウィルスによる健康被害はありませんでした。

 

今年を振り返りますと、与える方が多い人生はやはり幸せであると実感した1年でもありました。

眼前の方に喜んでいただく。

机上の現在の仕事に全力を尽くす。

来年も続けて参りたいと思います。

 

今年も大変、お世話になりまして感謝申し上げます。