金沢会計人 のすべての投稿

「決断の心得」<533>

当社が朝礼で唱和している「職場の教養」、2/24のタイトルは「決断の時」~小さなことにも心を込めましょう~。

その心得は。

私たちは日常、大小問わず何かを判断しなければならないことがあります。

その際、損得や都合の良し悪しなどを考える一方、好き嫌いといった感情で判断する場合もあるでしょう。

京セラの創業者である稲森和夫氏は著書「心」の中で、「人生の様々な場面で、人として正しいかという行動規範を持つことが大切だ。」と述べています。

それは、自分に正直であること、人をだまさないこと、周囲への思いやりを大切にすることを、誰もが幼少の頃から教わってきたことです。

実際に稲森氏は、負債を抱えて経営破綻した大手航空会社の再建を任された際も、この基準を第一に貫き、また周囲に示し続けました。

その結果、それまで航空業界はまったくの門外漢であったにもかかわらず、僅か数年という期間で再上場を成し遂げたのです。

私たちも、会社や人生の命運を左右するような大事だけでなく、日常の小事にも、人としての正しさを忘れず時々の決断を下していきたいものです。

 

知識も大切ですが、モノの考え方が基本なんですね。

また、常識の上に教養があり、教養の上に専門的知識があることを肝に銘じております。

 

 

写真・・・22日、金沢は3時間に21センチの積雪を観測し、2月としては観測史上最多で2018年と並ぶ。

鞍月セントラルパーク(2/11)、雪のゴルフ練習場(2/20)

税務支援 2022

2月18日(金)、金沢市役所(ちょうど山野氏が金沢市長を退任した翌々日)にて、北陸税理士会が金沢国税局から公募方式を経て受託した「無料税務相談」事業に従事して参りました。

5年日誌を振り返ると、2019・2020年年の2月20日、そして今年と同じ場所で従事しております。

この無料相談会は、税理士会の税務支援の理念に立脚し、相互信頼の上に立って実施するものであり、税理士の社会的使命を果たすとともに、その実施を通じて国民の税理士制度に対する一層の理解を深めることを目的に、税理士が行う税務支援施策の一環として実施するものです。

上記のような有難い文章を噛みしめつつ、9時から17時まで従事して参りました。なお、当税理士法人の税理士4名中、私を含め3名が従事します。

 

申告相談の他、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」を利用した代理送信業務もあり、日税連発行の電子証明書を利用して電子申告しています。

今回の9件の相談の中で7件を代理送信いたしました。

 

今回の相談の中でもありましたが、公的年金等の収入金額の合計金額が400万円以下でかつ、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合に該当し、所得税の確定申告を提出しないことを選択する場合があります。

所得税が納税の場合にも、紙による提出にて、上記の文章が記載されている定型のハンコを確定申告書に押し、市民税の申告のみを選択するのです。

年金受給者の方達には、上記に留意しなければなりません。

 

年金受給者の他には個人年金のある方や、医療費控除など給与所得者の方も相談に来られておりました。

来年(2023)も従事します。

「2021年の日本海国際交流センター」<532>

2月8日にNPO法人日本海国際交流センターの理事会がアルプ本社総合センターで開催された。

 

冒頭、古賀克巳理事長の挨拶があった後、中国の大連市人民対外友好協会、大連市中日友好協会からのビデオメッセージが映された。

 

議案審議は2021年暦年の事業と決算の報告ならびに事業計画と予算案が承認された。

監査報告は私から。

 

懇談では私からはコロナ禍の中小企業実態をお話した。

 

理事会の後、検査施設の見学会があり、臨床検査、病理検査、遺伝子検査、食品環境衛生検査の様子を見させていただいた。

新型コロナウイルスのPCR検査は24時間体制とのこと。

自動化されたオーダーメイド電子機器が設置されている。

検査所見学のあと、調剤薬局も見学。

調剤や検品の電子化も進んでいる。

また、見学者に対し社員の皆様が各所で一斉にお辞儀してくださり、アルプ社員のモラルの高さを感じた。

 

日進月歩する技術革新を目の当たりにしたひとときだった。

 

 

写真・・・日本海国際交流センター理事会の様子と記念誌「2001~2021ニイハオ!大連Part3~花咲く友好の絆~」の一部(2006年4月に北陸税理士会が大連市長を表敬訪問)

シャツとティンブル 2022

普段のシャツは、エストネーションで購入し、愛用しております。

東京に出張の折、必ず有楽町店に寄るようにし、白シャツをまとめ買いしております。

このシャツは、360度伸縮して、相当にストレッチが効いている。

そして、クリーニングの必要もなく、洗濯機で洗い、自然乾燥すれば、皴も何もない。

フィットも感もよく、優れものです。

そして、なぜかオーダーでもないのに、腕の長さもちょうど良いという不思議なご縁のあるシャツです。

以前、TKCの最高の洒落男である先生から、ボタンダウンはカジュアルすぎて止めたほうが良いとのアドバイスを受けて、スタンダードの襟の形にし、胸ポケットもないスタイルのシャツを着ております。

なお、クールビズ期間中などネクタイがない場合は、カッタウェイ(ブリティッシュワイド)、襟が水平の形のシャツを着ております。

 

ネクタイ着用の際は、必ずティンブル(真ん中の窪み)をつけるようにしています。

欧米とくにイタリアの洒落男の嗜みです。

最近、エストネーション有楽店の若い店員の方にレクチャー頂き、綺麗なティンブル作成のコツを教示頂きました。

 

シャツとネクタイ。

シンプルな空間の中の美意識を大切にしております。

京都大学での想い出 2022

2017年(平成29年)、京都大学で学ぶ機会を得た。

京都大学経営管理大学院・社会人養成講座である京都大学上級経営会計専門家(EMBA)プログラムを履修した。

私は第一期生であり、現在の5期生を含めると100名以上の卒業生を有する。

そして、卒業生が中心となって組成する一般社団法人日本経営会計専門家協会(JIMAP)の理事も拝命しております。

 

コーチングも含めた管理会計のあらゆるカリキュラムを履修しましたが、京都大学の澤邊教授との邂逅が貴重な財産となりました。

教授の卓越した知性により、表現が難しいような事象も説明できてしまう。

事象の言語化という技術にただただ驚いておりました。

我々受講生のプレゼンテーションの後、教授からの講評を頂きます。

受講生の説明を抽象化し、また、具体化し、縦横無尽にあらゆる角度や視座で検討していく様は、なんと言いましょうか、知性の「ディズニーランド」と表現しても良いほど、一気に余興にまで昇華してしまう。

そして、この知性の余興は、京都大学の静謐としたキャンパスで行われるのですから、贅沢な時間でした。

 

研究者は、一見大人しい印象ですが、研究とは一種の「知性の格闘技」との印象を受けました。

論文を発表すれば、他の研究者からあらゆる角度や視座から疑義が発せられる。

ボクサーの如く、その見解に回答を繰り出していく様は格闘技そのものだ。

そして、実務家との共同作業で具体事例を研究し、また抽象的な法則なりに昇華していく。

 

この確定申告の慌ただしい時機、あの静謐とした京都大学で真の研究者との邂逅を懐かしく思い出した次第です。

 

余談ながら、急逝した七尾市にもご縁のある西村賢太氏に哀悼の意を表します。

「危機に直面する中小企業」<531>

2月2日、NHKの「視点・論点」を見た。

解説は東京商工リサーチ情報本部長の友田信男氏。

論旨を列挙する。

 

・日本の企業約358万社のうち99.7%の357万社が中小企業である。

・労働者の70%(3,220万人)は中小企業。

・コロナ禍で飲食業、旅館業、ブライダル業は深刻。

 

・持続化給付金、雇用調整助成金やゼロゼロ融資(無利子・無担保)により2021年の企業倒産は6,030件と57年ぶりの歴史的な低水準だが、多くの企業が過剰債務に陥っている。

・日本経済は10年置きに100年に1度の未曾有な経済危機に襲われている。

1990年代 バブル崩壊

2000年代 アジア発国際金融危機

2008年~2009年 リーマンショック

2011年 東日本大震災

2020年 新型コロナ感染症

 

・2021年3月決算

減収企業率 55.8%

営業利益率 3.53%

4社に1社は赤字、借入金は月商の8.2倍。

 

・中小企業は生産性向上の遅れと事業承継問題を構造的に抱えている。

 

・経営者の平均年齢は2020年で62.49歳。

休廃業した経営者年齢は平均71歳。

・2021年で後継者が居ない倒産件数は381件で過去最高。

廃業は4万4,377件で平均年間倒産の7.3倍に達する。

2022年は廃業決断する企業がさらに多くなるのでは。

 

・M&A(企業合併・買収)は4,280件で過去最高。

国や地方公共団体はM&Aの手数料に補助する施策が必要ではないか。

 

・中小企業は業種転換、デジタル化、ロボット化を図ると同時に後継者育成を。

 

・ABL(売掛金や在庫を担保とした融資)やファクタリング(売掛債権の買い取り)で資金繰り改善策が急務。

 

中小企業は売上増と収益改善を同時に解決する抜本的対策を講じて転換の契機にする必要がある。

 

 

写真・・・「新春・はせ浩を囲む会」で高市早苗・自民党政務調査会長(奈良)がオンラインで講演とトーク参加。(1/22)

「仕事が麻雀で麻雀が仕事」 2022

いつも、平行して、本を読んでます。

ビジネス本、時代小説(今は、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」)。エッセイなど。

蛇足ながら、トイレで読む本は時代小説が多いです。

 

さて、ビジネス本の範疇で、サイバーエージェント社長である藤田晋氏の「仕事が麻雀で麻雀が仕事」を読んでおります。

私自身、麻雀はしない。

しかしながら、ゲームなどでルールは知っているので、「勝った人は強い。しかし、強い人が勝つとは限らない」勝負の世界であることは理解できます。

 

「3つの視点」というタイトルの中で、「自分の視点」「相手の視点」「俯瞰した視点」の3つの視点を有する人が強いとの記載がありました。

とくに「俯瞰した視点」はあたかも自身が幽体離脱したかの如く、自身を客観視できる能力ともいえるでしょう。

また、この視点は「大局観」ともいえます。

難しい局面において、視点を上に上にあげれば、判断できる機会も増えそうです。

 

 

 

「生きるということ」<530>

今年の大学入学共通テスト問題を見ていたら、国語の第2問に黒井千次「庭の男」が出題されていて目についた。

 

その文章は・・・

「私」は会社勤めを終え、自宅で過ごすことが多くなっている。

隣家の庭に息子のためのプレハブ小屋が建ち、そこに立てかけられた看板に描かれた男が、「私」の自宅のダイニングキッチンから見える。

その存在が徐々に気になりはじめた「 私」は、看板のことを妻に相談するなかで、自分が案山子(かかし)をどけてくれと頼んでいる雀のようだと感じていた。

(以下略)

 

立看板をめぐる「私」と隣家の息子の心理描写が繊細に書かれている。

 

小説家の黒井千次は1932年生まれの文化功労者。

大企業の組織を見つめ、労働者の人間疎外を主題とした作品を多数執筆、自叙伝的な青春小説「春の道標」でも好評を得ている。

 

黒井千次に興味が湧き、

「庭の男」の出版は見あたらなかったが、2013年作品「生きるということ」、2012年「老いのつぶやき」、2014年「老いの味わい」を取り寄せ読んだ。

 

1年後に傘寿を迎える身で、老いを考える。

 

「生きるということ」の章は・・・

第一章 時の流れに生きる

第二章 人生の節目に生きる

第三章 日常に生きる

第四章 言葉とともに生きる

第五章 時代とともに生きる

第六章 老いとともに生きる

第七章 明日へ向かって生きる

 

このうち第六章の中、「死の教育」の一節を要約すると。

 

いかにして生命の尊さを教えればよいかといった手立てについて充分に論じられていない。

人間にとって、生きるとは日常であり、これを正確に自覚することは容易ではない。

健康のありがたさは病気になってみなければわからぬ。

生より死について真摯な考察を深めることが大切。

死は高齢者の占有物ではない。

生と同じく、すべての人間がひとしく抱えているものだ。

 

死を考察すれば、生命の尊厳が分かる。

 

人生の先には何があるのか。

わからないからこそ、歩き出すことに価値がある。

 

 

写真・・・2021.12.9~12、「2020ドバイ国際博覧会」の日本館で日本棋院が囲碁の普及イベントを開催。Tシャツ「The World  of GO碁」を掲げるドバイ万博囲碁出展実行委員会の佃優子事務局長。

所得税確定申告期限の延長要望 2022

はじめに

コロナ禍の中、所得税確定申告期限が2年連続で4月15日に延長されました。

今年は、延長が未確定です。

オミクロン株の桁違いの感染力にて、今年も延長されるかどうか注視しているところです。

昨年、税理士会で初めて、「確定申告期限の延長」を税制改正要望として提出致しました。

しかしながら、残念ながら税制大綱には記載がありませんでした。

 

1.申告納税制度の歴史

昭和22年の改正で、所得税に申告納税制度が導入されました。

最初の確定申告期限は昭和23年1月31日。

早い。早すぎる。

そして、昭和26年の改正で、昭和27年2月末日に延長。

さらに、昭和27年の改正で、昭和28年3月15日に延長され、現在に至ります。

昭和28年(1953年)。

当時の吉田首相が衆議院予算委員会で「バカヤロー」と暴言を放った年。

「内灘闘争」があった年。

現在の確定申告期限から70年が経過しようとしております。

 

2.諸外国の確定申告期限

アメリカは、毎年1月1日から12月31日までの所得について、翌年4月15日を期限としている。

コロナ禍の中、昨年は、1か月延長し、一昨年は3か月延長している。

1798年にイギリスで創設された所得税。

当時の明治政府もイギリスの所得税を参考にして所得税を導入したという。

所得税の本家本元のイギリスは、毎年4月6日から4月5日までの所得について、翌年1月31日を期限としている。

お隣の韓国は、毎年1月1日から12月31日までの所得について、翌年5月31日を期限としている。

 

3.会計事務所の働き方改革

国家財政を担う税金の計算。

税理士法第一条の「税理士の使命」を基礎に、会計事務所は申告納税制度の理念にそって、納税義務を適正に実現するべく、働いております。

当然に、「働き方改革」の中、労働基準法を遵守しながら、税務代理を行っています。

欧米よりも期限の早い3月15日までに全ての所得税申告を完遂すべく、時には、残業をしながら、国家財政に貢献しようと努力しています。

昭和28年(1953年)からもうすぐ70年。

会計事務所にも「働き方改革」推進の環境整備のため、税理士会の要望にあります「4月15日」までの期限延長を実現したい。

このように思います。

 

苦労と安楽 2022

はじめに

「楽は苦の種、苦は楽の種」と思います。

「人生、楽ありゃ、苦もあるさ~♪」の水戸黄門の歌を借りるまでもなく、そう思います。

これまでの経営を振り返ると、喜びも悲しみも「人」に尽きるなと思います。

苦労も安楽もすべて「人」。

 

1.人の採用について

事業計画で果たして何人「採用」するか、事業のスタートアップ時がとくに悩むことでしょう。

開業時の採用は、赤字にならないまでも、事業主の所得、生活費に直結します。

短期的な視野でいけば、言い換えれば、本能に従えば、採用は控えたい。

先ずは、自身の所得は確保したい。

ところが、中長期的に拡大を前提とすれば、採用して社員を育成しなければならない。

勇んで、苦労をしょい込むわけだ。

社員の採用と育成は、先行投資に他ならない。

 

2.苦労と安楽

採用も育成も苦労の連続であり、3年経ってようやく一人前となったら、今度は辞めるときた。

こんなことを繰り返しているうちに、楽になる時期もある。

採用も育成を止めてしまうと、確かに楽ではあるし、利益も出るでしょう。

ただ、中長期的には伸長しない。

こんなことを日頃、考えてます。

 

3.少数精鋭と拡大再生産

私の行きつけの散髪屋さん(3週間に1回のペースで通う)は、若い子の採用も育成も止めた。

一からいやゼロから教えるのは、本当に骨が折れる。

そして、本当に疲れる。

自分で全部やったほうが早くてお客様の満足度も高い。

これはこれで良いと思う。

少数精鋭も良いなと正直思います。

事業計画において、「少数精鋭」か「拡大再生産」のどちらかを志向しているかどうか。

この事業計画の考え方次第で「採用」が決まる。

当グループでは、「拡大再生産」を計画しているので、2022年も4名の採用を決めておりまして、今年も育成の苦労をして参りたいと思います。

いずれ、安楽になることを信じて。