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実務経営ニュース2017年11月号に記事掲載される

一雨降る毎に秋が深まってまいりました。

皆様におかれましては、いかがお過ごしでしょうか。

さて、この度、日本M&Aセンターさんと取り組んだことが業界誌の記事となりました。

写真の反省点は、ネクタイのディンプル(くぼみ)がないことでした。

ネクタイのお洒落の基本。次は忘れないように気をつけます。

下記のリンクから記事がご覧になれます。

 

2017.11月号 実務経営ニュース

1,000日の挑戦

東京オリンピックの開会式が2020年7月24日(金)。

2017年10月28日(土)は、ちょうど「あと1,000日」。

業界の先輩は、1964年に続き、このオリンピックを生で観戦することを目標としています。

1,000日の挑戦。

私も5年日誌で2020年7月24日をイメージしようと思います。

 

 

 

事業発展計画書一部抜粋。以下、記述します。

 

3年日記をつけよう。成長の軌跡を記録し、励みにしよう!親しい人にも、必ず3年日誌を勧めている。

 

小説にも人生にも起承転結が必ずある。日記をつけ、読み返してみると、ストーリーが見えてくる。因果応報である。例えば、あのトラブルが「転」となり、良い結果に繋がったことがわかる。日記をつけないと決して知りえないことである。

 

3年は、1095日。

95日を休んでも、3年後後の目標をもつこと。3年後は必ず来る。必然である。すぐ効果が出ることなら誰だってやる。ところが3年後にしか効果が出ないとなると皆やらない。皆がやらないからこそ、やった者と、やらない者とでは大きな差がつく。その努力が素晴らしい。褒美として自信がつく。

 

「芸術の秋を堪能、三題」<377>

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一、18日…作家・五木寛之氏の「今を生きる力」と題した講演を聞いた。

 

金沢経済同友会の創立60周年を記念した講演会。

 

五木氏(81歳)は人生後半の生き方について、健康的に笑うだけではなく、悲しい物思いを意味する「暗愁(あんしゅう)」の感情を肯定的に持つことが大切とし「大きなため息をついて心が軽くなることがある。深く悲しみ、泣くことを忘れてはいけない。」と述べた。

 

五木氏は人生が青春、朱夏、白秋、玄冬という四つの年代に分けられると。

 

これから迎える超高齢社会では、人生後半にあたる白秋や、幽玄の境地に通じる玄冬を前向きにとらえる必要があると指摘。

 

その上で、「年を取ると、人間不信と自己嫌悪に陥りがちだ。その谷底から抜け出すためにも、ちゃんと笑い、ちゃんと愁いて、後半半生にチャレンジしてほしい」と述べた。

 

後日いただいた五木寛之氏と本田哲郎氏の共著「聖書と歎異抄(たんにしょう)」を読ませていただいた。

お二人の対談形式の著書である。

 

本田哲郎氏の「むすび」に書かれていたのは…

五木寛之さんが大切にしておられる「他力」とは何かが、すこし見えてきたように思う。

人任せ、成り行き任せということではないと漠然とながら承知していた。

お話しを聞いているうちに、共に歩んでいてくださる阿弥陀の力に信頼してあゆみを起こすということだと。

 

私(本田氏のこと)は納得した。

「聖書」のいう「ピスティス(信頼してあゆみをおこす=信仰)」に限りなく近いものである。

イエス・キリストいわく、「丈夫な人には医者はいらないが、具合の悪い人には必要なのだ。

じつに、わたしが来たのは、正統な人を招くためではなく、道をふみはずした者(罪人)を招くためである。」と。

 

浄土真宗の親鸞・法然とキリストが不思議に響きあい、共振することに感銘したと。

 

 

二、19日…昨年につづいて祐門会主催の「北陸能面展」を石川四高記念文化交流館で鑑賞する。

 

全28作品のうち知人の松平敦實氏の作品「大飛出」と森榮一氏の作品「若女」が出展されていた。

 

「大飛出(おおとびで)」は、怨霊となった菅原道真公の怒りの相貌を表したもの、大きく見開いた眼と口は迫力に満ちています。彩色は金泥で仕上げられ、金具の眼は鬼神性を象徴しています。

 

「若女(わかおんな)」は主に観世流で使用されます。上品で初々しい雰囲気が見られる女面です。

 

お二人とも、私の素人目ながらすばらしい出来だと思う。

 

 

私と同年齢の知人で分林保弘氏がいる。

 

「花の昭和18年組」と言い合う仲で、TKC会長の飯塚真玄氏も同期である。

 

分林氏とは昨年3月にハワイでゴルフをラウンドしたことがある。

 

1943年京都生まれ。

父は観世流能楽師、母は裏千家茶道教授。3歳で能の初舞台を踏む。

 

1991年4月に日本M&Aセンターを設立し、16後の2007年12月に東証一部上場を果たす。

 

分林氏は祖父の代から続く能楽師一家であり、戦士の逸品は「能面」だという。

 

 

三、21日…「芸術祭十月大歌舞伎」を鑑賞する。

 

日本税理士会連合会の長年にわたる同志である日税連会長の神津信一氏(東京都)、相談役の熊谷眞人氏(仙台市)、清水武信氏(狭山市)と私夫婦の八名で会う。

 

本年は神津信一先生が幹事で11年目で初めて夫婦同伴の企画をしていただき有り難かった。

 

銀座の「天ぷらの天一」で会食。

フランク・シナトラ、ロックフェラー、キッシンジャー、クリントン、ゴルバチョフ、シラク、アナンなどの世界的な要人が訪れている店だ。

 

その後、銀座の歌舞伎座で

 

「孤城落日(滅びゆく豊臣家の一族と淀の方の狂気を描いた名作)」

 

「唐人話(長崎を舞台に描く朝鮮視察団をめぐる事件)」

 

「秋の色種(秋の草花が詞章に盛り込まれる長唄の名曲)」を鑑賞する。

 

1等席で坂東玉三郎、中村七之助、中村鴈治郎ほかの名演技を四時間にわたり堪能した。

 

あたかも、21日は衆議院選挙の投票前日で、しかも台風21号が日本に上陸していた日だった。

 

会食のとき、12年前の平成17年12月、私の藍綬褒章受章祝賀会が未曾有の寒波に見舞われ、それ以来私のことを「嵐を呼ぶ男」と呼ばれることになったエピソードが話題に出て当時を懐かしんだ。

 

 

写真…日日草(10/25、鞍月セントラルパーク)

京都大学EMBA講座「コーチングと会計」から学んだこと

現在、自社で導入している自創経営のアドバンス型としてコーチングを経営に取り入れたいと授業を受けて思う。コーチングを導入することにより、各社員の仕事に対するエンゲージメント、会社で成果を出したいという感情的なコミットメントを引き出せるように思う。
コーチとは、馬車である。何処かへ連れていく馬車の役割を担う。相手の自発的な行動を促すコミュニケーション技術である。双方向、個別、継続的に進める。

人は違うという前提で「他人を見たら火星人と思え」はコーチングの心構えです。自分自身が柔軟でなければ、人を変えられることができない。

社員が混乱していて、思考がループしている場合、ホワイトボードで過去と現状と未来について「視える化」する。ラポールをかけるには、相手の立場を内的観点に立って受け止める。I(主体的)メッセージで伝える。仕事の本質を褒めて、長所・ストレングスを意識させることを学ぶ。

先輩会員との対談語録

先日、TKC北陸石川県支部で先輩会員との対談を行いました。

感謝の気持ちで、先輩会員語録をまとました。スケールの大きさ、信念の強さを感じた対談でした。

 

「人生はやり直すことはできない。ただ、見直すことはできる。」

失敗したときのマインドセット。毎日、日記を書いて訓練をしているという。人生を見直すことが出来るのは、毎日を大切に生きる人のみが持つ特権。

 

「頭の良い人と勉強のできる人は違う。頭の良い人を目指し、実践してきた。」

4人兄弟の二男であり、すき焼きの時は肉をどう分かち食べるかがいつも問題となった。母親は、兄弟にジャンケンをさせて、勝者に肉を切る権利、敗者に肉を取る権利を与えたという。頭の良い母親を見て育ち、勉強のできる人よりも頭の良い人になろうと志し、生きてきた。

 

「今日から自分で人生を戦いなさい。大学生時代は、自分で戦うための修行と思いなさい。」

東京に上京する大学生になる孫に言った言葉。高校生までは親が代わりに人生を戦ってきた。これからは自分で自立することの大切さを説いた言葉。実際、出張で東京に行くことがあっても孫には会わないという。

 

「手を離して目を離さず、目を離して心離さず」

事業承継の本質を問うた時の言葉。アメリカンインディアンの子育て四訓を事業承継へ応用したと推察される。子育て四訓とは、乳児は肌を離すな、幼児は肌を離して手を離すな、少年は手を離して目を離すな、青年は目を離して心を離すなというもの。

 

「男は、苦労や損をすると知ってもなお、覚悟して受けるときがある。その覚悟が男たる矜持だ。」

人生及び経営哲学を問うた時の言葉。男の約束は絶対に死守する。金で体と心を売ってはいけない。信念の大事さを説いた言葉。この言葉を聴いて、背中に電流が走り、不覚にも涙がこぼれてしまった。

 

「人生で一番大事なことはいい上司に巡りあえることである」

社員教育の本質を問うた時の言葉。残業規制時代、各社員のライフデザインを確立する時代となった。社員の価値観に合わせ、会社は柔軟に対応する。

 

「会計事務所の信用がすべての中心である」

会計事務所の強みを活かして、コンサルティング会社を成長させてきた。課税庁に対する申告是認が本業。「本業にこだわるな。本業から離れるな」を念頭に経営してきた。

 

「サルコペニア」<376>

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昨年の12月、喋りの滑舌が気になり、近くのクリニックに診てもらったことがある。

 

先生の診断は、「サルコペニア」という症状。

 

改善には舌で頬っぺたを中から押し合て、それを外から指で押し返したり、ベロを前に突き出す動作が良いとのこと。

 

また、ウォーキングやカラオケも有効と。

 

 

「サルコペニア」とは骨格筋・筋肉(Sarco)が減少(penia)している意味のギリシャ語。

 

加齢に伴う筋肉量の低下、つまり老年症候群のひとつである。

それも高齢になると加速度的に低下するという。

 

 

筋肉量は30歳ごろがピークであり、その後は加齢とともに低下する。

70歳以下では13%~24%、80歳以上では50%がサルコペニアが認められるとの報告がある。

 

「加齢による原発性サルコペニア」の場合、筋力トレーニングが最も有効。

アミノ酸やビタミンDの摂取もお勧め。

 

「二次性サルコペニア」

1、活動に関連(廃用,無重力)

 

2、栄養に関連(エネルギー摂取不足,飢餓)

3、疾患に関連(侵襲,悪液質,神経筋症患など。

 

[若林秀隆医師の寄稿の中から引用]

 

先月9月末に人間ドックを受けた際に、「筋肉と脂肪のバランス」、「補給エネルギーと消費エネルギーのバランス」の大切さについて指導を受けた。

 

加齢とともに、油脂を上手に取り入れたり、総合栄養剤を摂取するのも良いようだ。

 

 

四肢体幹の筋肉量が低下すれば転倒の危険性や寝たきりとなる可能性があり、そのことから病変になるから注意が必要だ。

 

 

写真…コスモス(10/7高靹神社<タカトモジンジヤ>付近)

ストレングス・ファインダー 自身の発見 2017

今回の京都大学EMBA講座は、「コーチングと会計」でした。

ストレングスファインダーというツールで、自身の強み(資質)を発見するというコーチングプログラムに参加しました。

 

人の強みを知る前に自分自身をさらけ出すことが必要ということで、下記の5つの資質を選択しました。

 

ストレングスファインダーは、資質つまり強みを知り弱点を克服することではなく強みを伸ばすことで人生を豊かにしようと考えられたものです。

 

この5つの資質は仕事や人生を通じて大切にしてきたことです。 

 

1.分析思考 Analytical 物事の理由と原因を追求します。状況に影響を与える可能性のあるすべての要素を考慮に入れる能力を備えています。

 

2.コミュニケーションCommunication 一般的に自分の考えを言葉に表すのが得意です。話術に優れ、物事を印象的に説明するのが上手です。

 

3.運命思考Connectedness あらゆる人や物事は互いに結びついていると考えています。この世に偶然というものはほとんど存在せず、ほぼあらゆる出来事には何らかの理由が存在すると確信しています。

 

.成長促進Developer 他人の持つ可能性を認識し、それを伸ばし、目覚めさせます。他人の小さな進歩の兆候を見逃さず、このような進歩を実現することから充足感を得ます。

 

5.内省Intellection 頭脳活動に多くの時間を費やします。内省的で、自分の頭の中で考えるのが好きで、知的な討論が好きです。

 

 

「遺跡はタイムカプセル」<375>

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囲碁で知り合った「金沢市埋蔵文化財収納庫(新保本5丁目)」の施設長・吉村唯之氏を訪ねた。

 

埋蔵文化財を保存している施設は、他にも「金沢市埋蔵文化財センター(上安原南)」や「石川県埋蔵文化財センター(中戸町)」があり見学する。

 

金沢市には、巨大木柱根が出土した「チカモリ遺跡(新保本)」、多数の木簡が出土した「東大寺領横江荘遺跡(上荒屋)」をはじめ、縄文・弥生時代から江戸時代にいたるまで数多くの遺跡が分布している。

 

遺跡や出土した遺物は石川県で7,000箇所あり、私たちの地域の歴史文化を知る上で貴重な歴史遺産である。

 

〇、地球上に人類が誕生したのは、今から400万年前。

人は二本の足で地上を歩き、自由になった両手と技術で道具を作り始めた。

それは他の動物たちには見られなかった自然への挑戦であり、また文明社会へ向けての大きな一歩でもあった。

〇、旧石器時代…1万2千年前まで。

 

人類が誕生してから土器の使用が始った時代。

 

当時は気候の寒冷な氷期と、温暖な間氷期とが何万年かの周期で繰り返される氷河期だった。

石・木・骨・角を使った道具で動物を追い、平野や河川を望む段丘や台地に移り住んだ。

 

石川県内でも約3万年前には人々の生活が始まり、東西日本各地と移動・交流が行われていたようだ。

 

〇、縄文時代…1万2,000年前~2,300年前。

 

氷河時代の終わり頃になると気候は温暖化し、日本列島には現在と同じような温帯の動物や森が現れ、縄文時代が始まりました。

 

この新しい環境の中で、人は土器を使い始めます。

9,000年前には竪穴住居での定住生活が開始しました。

 

〇、弥生時代…紀元前3世紀後半~紀元後3世紀後半。

 

中国大陸や朝鮮半島から新しい技術や情報が入ってきて稲作の生活が中心となる。

 

武器が多く出土し各地で戦いがあったことがうかがえる。

西日本から青銅製の武器や鏡が運ばれた。

北陸地方では、管玉(くだたま)作りが盛んで、その製品は日本各地の交易に使われる。

 

〇、古墳時代…3世紀後半~6世紀。

 

各地の豪族達が、権力の象徴として古墳を盛んに築いた時代。

 

5世紀になると朝鮮半島から須恵器(すえき)と呼ばれる窯で焼かれた土器が伝わる。

 

 

〇、飛鳥・奈良・平安時代…7世紀~12世紀。

 

国家が人々や土地を直接支配する中央集権の仕組みが整備される。

土地を貸し与えられる一方、重い税や兵役を負担させられた。

 

文字を書いた土器も増加する。

 

平安時代も中頃になると土地の私有化が進む。

漆器や鉄鍋も現れる。

 

〇、鎌倉・室町時代…12世紀末~16世紀。

 

武家政権が誕生する。

農具や肥料の改良、二毛作の普及は農産物の生産性を高め、貨幣の流通は地域間の経済を発展させました。

 

中国から陶磁器が入ってきた。

 

使い捨ての箸が使われた。

 

 

〇、江戸時代…17世紀~19世紀中頃。

 

幕藩体制が整備され、都市を中心に経済が発展した。

 

 

1万年の間に人類は文明を高め変貌を遂げたが、現代は核兵器まで作り戦争で殺戮を繰り返すエゴイズムな世界になっている。

進化したと言えるのか。

 

 

9月25日の日本経済新聞の44面「文化」で、平田篤史氏は「縄文人で行こう!」と題し論じている。

 

縄文時代は傷害を持った人、大怪我をして独力で生活できない人でも、かなり長生きしたことが考古学の研究で分かってきている。

弱者を排除するのでなく、支え合って生きたことの証しだろう。

 

翻って現代はどうだろうか。

大国の指導者が特定の国を批判したり、人種差別的なヘイトスピーチが盛んに行われたりと程度が低い。

縄文人に見習うべきことは多いと思う。

 

平田氏は、縄文の暮らしをリアルに体験する「縄文村」を開設する夢見ておられる。

 

 

実現されたら素晴らしいことだ。

 

 

写真…藍の花(10/1石川県埋蔵文化財センターにて)

第44期事業発展計画発表大会

過日、第44期事業発展計画発表大会で全社の方針を確認しました。そして、全社員が、過去の振り返りと未来の挑戦を宣言しました。

平成26年の税理士法人設立を機に、9月末決算と致し、おかげさまで、今年の10月1日より、税理士法人は第四期目(グループは44期へ)となります。

今回の発表大会から、コンピューターの画面ではなく、実際の計画書を配布して実施しました。やはり良いですね。次回からも続けます。今回の計画書は、好きなネイビーの色。気持ちも入ります。

「捨てられる土地」<374>

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新幹線のグリーン車に乗ると、座席の前ポケットに車内誌「Wedge(Guiding Japan Forward)」と「ひととき(にっぽん温故知新)」が置かれてある。

 

その「Wedge(ウェッジ)9月号」の表題が、「捨てられる土地~登記しない地権者、ツケを払う次世代~」。

 

見逃すことが出来ないタイトル。

以下にポイントを列挙します。

 

〇、増田元総務相らによる「所有者不明土地問題研究会」が、日本全国で「所有者不明」の土地が約410万ヘクタールに達すると発表。

これは、九州の368万ヘクタールを上回ると。

 

〇、所有者の居所や生死が直ちに判明せず、災害復旧や耕作放棄地の解消、空き家対策など地域の公益上の支障となる例が各地で報告されている。

 

〇、人口減少と高齢化が進むなか、相続を契機に故郷の土地の所有者となり、戸惑う人が増えている。

 

〇、土地所有者の所在や生死の把握が難しくなる大きな要因に相続未登記の問題がある。

相続登記が義務でなく、判断は相続人にゆだねられているのが原因。

 

そのため、相続登記が行われなければ、名義は死亡者のままで、実際には相続人の誰かがその土地を利用している状態になっている。

世代交代が進めば法定相続人がねずみ算式に増え、登記簿情報と実態がさらに進む。

 

〇、相続登記は任意のため、こうした状態自体は違法ではない。

しかし、所有者がすぐに分からないと第三者はその土地を使いにくい。

 

〇、日本の国土は3,780万ヘクタールで、森林が66%、農地が12%、宅地が5%、道路・水面・河川等が7%、その他が10%となっている。

宅地は僅か5%なんですね。

 

〇、相続登記は相続人にとって登記申請の手間や費用に対する負担感は大きいのが実情。

 

〇、自治体が税金を使って用地取得を行う際には所有権移転登記を行うことが前提となる。

法定相続人を特定し相続人全員から合意を取り付けなければならない。

相続人の中には、所在不明や海外在住などで連絡がつかない人もあるから難航する。

 

〇、自治体は固定資産税の徴収や危険な空き家、土地の荒廃に悩んでいる。

 

〇、人口流出によって不在地主が増加し相続人情報を追うのが困難になっている。

また、土地の資産価値の低さや管理負担を理由とする相続放棄の増加や親族関係の希薄化に伴う遺産分割協議の困難化。

 

〇、問題の解決策としては。

 

登記が長年にわたり放置されている土地の利用権を設定を可能にする。

 

利用見込みのない土地を所有者が適切に手放せる選択肢を作っていく。

 

〇、NPOなど地域の中間組織による土地の寄付受け付けの仕組みや、自治体による公有化支援策の構築など、土地の新たな所有・利用のあり方について議論が必要だ。

 

〇、警察も手に焼く「地面師」が、管理の行き届いていない土地を騙しとっている。

 

〇、山林の境界は判別しづらく、記録からも記憶からも消えつつある。

そうした事態に集落を挙げて境界確定に乗り出し、いらない土地を寄付してもらい、地域づくりに利用する動きもある。

 

〇、私が聞いた話では、中国人が法人を通して日本の名水を狙って山林を買いあさっているとのこと。

 

 

日本では本年4月に120年ぶりに民法の抜本改正されたが、法律が実態に追い付いていない現状は深刻である。

 

 

写真…彼岸花(石川県庁前庭で彼岸中日の9/23に写す)