2025/07/05
「自利トハ利他ヲイフ」<654>
7/1、第63回北陸原点の会が開催された。
TKCの理念である「自利トハ利他ヲイフ」の起源について高橋宗寛和尚の講話を拝聴し、以下要点を列挙する。
・自とは、体は一つだが心は場面場面で変化する。
どれが本当の自分か?
・釈迦は王家の子に生まれ、17歳のときに結婚、29歳の時に妻子を残して出家し35歳まで修行した。
・飯塚毅初代会長は、16歳で禅の道へ、雲厳寺の植木義雄老師に師事する。
・本当の自分とは何か→自性徹見。
・肉体は残念ながら老化する。他人を固定化すると自分も固定化される。
思い込みの自分は自分ではない→自己探求。
・肉体は他者である。
・自利利他の利は一般的には利益や儲けを意味するが、仏教では利益(ごりやく)という。
・中村元事典には、利益とは仏の教えに従って得られる本当の幸福と。
儲け方ではなく、心のあり方。
利他の心。
「自利トハ利他ヲイフ」は今から1300年前に比叡山を開いた伝教大師(最澄)の言葉だと飯塚毅博士が著書「会計人の原点」で解説している。
高橋和尚が自利トハ利他ヲイフの裏付けを永平寺の僧と探した。
それは、道元の「正法眼蔵」にあった。
利益衆生
「いたづらに世間の欲楽を与ふるを利益衆生とするにはあらず・・・衆生を利益すといふは衆生をして自未得度先度他(じみとくどせんどた)のこころをおこさしむるなり」
すなわち、自分は未だ悟りの世界を得てないが、あったとしても他人に譲る。
自利利他の2本立てで私が他者を利益する。
自利利他円満。
(自→主体・一心、他→諸法・一切法)
・この道元の教えが、飯塚毅会長が「自利トハ利他ヲイフ」の根拠になったのではないかと、飯塚真玄名誉会長や坂本全国会会長も解釈されていると伺う。
利他自利→自利利他にしたのは能動的表現だと真玄名誉会長が言っておられたとのこと。
講話の最後に
石霜和尚の「百尺竿頭進一歩」
(無門関、第46)
を紹介された。
植木義雄老師から飯塚毅博士に悟りを許されたが、その際に、更に修行しなさいとの教えに引用された。
2時間の講話の後、金沢茶屋で「おさらい会」があった。
最高齢の私が乾杯の音頭をとり、楽しい歓談の場となった。
高橋和尚、明日は東京で講話されるとのこと。
全国を行脚されている。
(写真)
1、TKC北陸原点の会、高橋宗寛和尚のホテル金沢での講話。
2、金沢茶屋でおさらい会(左から2人目が高橋和尚)。
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