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遊魚動緑

  • 「感動の小説、『シロガミ』」<368>

    2017.07.25
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    先日、著者「福い行介」こと坂井浩介氏から小説「シロガミ」を贈呈いただいた。

     

    MMPG(医療福祉経営指導の専門家集団)の役員で大学・大学院の非常勤講師でもある坂井氏は作家の素養があり2年半にわたり「高齢者住宅新聞」に連載していたものを加筆した小説だ。

     

    坂井氏とは30年前から存じ上げていて酒も酌み交わした仲だ。

     

    小説の原稿を書いているとは聞いていたが、このたびの初出版は喜ばしい限りだ。

     

    発行元は高齢者住宅新聞社。

     

     

    社会保障が破談した日本を描いた近未来小説で、今から70年余り前、「アカガミ」によって若者が命を国にささげた。

    そして今から50年後、「シロガミ」によって、高齢者が命をささげる時代を描いたものだ。

    坂井氏は訴える。

     

    「救える命は救い、死にゆく命には尊厳を!」

    その線引きは難しい。

    医療はそんな単純に割り切れるものではないが、しかし議論を先送りするといつかは行き詰まる。

     

    氏は「医療の引き際」について考える。

     

    すでに安楽死法が制定されている国がある中で、我が国においては今もって尊厳死すら法制化されていない。

     

    人が死ぬ確率は百パーセントであるにもかかわらず、年間130万人以上の人が亡くなっているにもかかわらず、その在り方の議論が定まらない。

     

    主体たる患者の存在を無視した中での「医学と疾病の対峙」があるからに他ならないと。

    高齢化が今後一段と進む中で日本の医療制度はやがて財政的に限界を迎える。

     

    2015年の人口は12,700万人だが、2060年には8,700万人と30パーセント減少。

    2100年には4,000万人と3分の1になるとの推測もある。

     

    小説の舞台は2061年と今から約50年後で、問題を先送りする政治・行政・現世利益をむさぼる世の中への警告である。

     

    今こそ私たちはタブーを乗り越え、悲惨な死を迎えないためにも人生最後の在り方について真剣に議論すべきと訴えている。

     

     

    18日に105歳の医師、日野原重明さんが死去した。

     

    著書の「生きかた上手」はベストセラーになった。

     

    人は最期に、出来るだけ「美しく人生の幕をとじる」ことができるかだと思う。

     

    感動の小説『シロガミ』、是非ご一読ください。

     

     

    写真…小説「シロガミ」

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