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遊魚動緑

  • 「税理士の主張」<369>

    2017.08.05
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    7月27日に日本税理士会連合会の第61回定期総会が、また、当日11時から「顧問相談役・執行役員懇談会」が開催された。

     

    相談役として出席してから10年目になる。

     

    冒頭、神津信一会長から次期会長に無競争で再選されるとの挨拶があった。

     

    私としても長いつきあいであり嬉しい限りである。

     

    顧問相談役会議で取り上げられた議題の要点を列挙してみる。

     

    Ⅰ、税制改正に関する重要建議項目(7月17日付の日本経済新聞参照)

     

    1、消費税における単一税率及び請求書等保存方式の維持について

    (1)、単一税率の維持

    2年後の2019年10月に導入予定の軽減税率(複数税率)制度には反対する。

     

    理由は…

     

    ①、区分経理等により事業者の事務負担が増加すること。

    ②、逆進性対策として非効率であること。

    ③、財政が毀損し社会保障給付が必要となる。

     

    消費支出負担軽減策案としては…

     

    ①、プリペイドカードの配付。

    ②、簡素な給付措置。

     

    (2)、請求書等保存方式の維持

     

    6年後の2023年10月に導入予定の区分経理等のための適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス方式)への移行は、事業者及び税務官公署の事務に多大な影響を与えることから反対する。

     

    請求書等に一定の記載事項を追加することにより区分経理等は十分可能である。

     

    (3)、免税事業者への配慮等

     

    免税事業者が取引から排除されることのないよう消費税法の抜本改正を。

     

    2、所得控除の抜本的見直しについて

     

    (1)、人的控除

     

    課税最低限は生活保護の水準に合わすのが望ましい。

    その際、給与所得控除及び公的年金等控除の水準が過大であることや、こうした所得計算上の控除が適用されない事業所得者等とのバランスも踏まえ、所得計算上の控除を縮減した上で、人的控除を中心として課税最低限を確保することが適切である。

     

    (2)、税額控除化の検討

     

    現行の所得控除方式は、適用税率の高い高所得者に有利な制度であることから、所得控除の一部については、すべての納税者が一定額まで同一の軽減効果が得られる税額控除方式又は一定の課税所得までのゼロ税率方式への変更を検討すべきである。

     

    3、中小法人に対する繰越欠損金控除制限及び外形標準課税の不適用について

     

    (1)、繰越欠損金の100%控除制度の維持

    (2)、中小法人への外形標準課税の不適用

     

    4、償却資産に係る固定資産税の抜本的見直しについて

     

    国際競争力の観点から将来的には廃止を検討すべき。

     

    5、個人事業者番号の導入について

     

    法人番号と同様に運用上の制限が少ない「個人事業者番号」を導入し、その付番を選択的に受けられるようにする必要がある。

     

    6、消費税…基準期間制度を廃止し、すべての事業者を課税事業者として取り扱い、新たに小規模事業者に対する申告不要制度を創設する。

     

     

    Ⅱ、若者の税理士への関心を促す

     

    税理士試験の受験者数は2010年に6万3千人いたが2016年には4万4千人(前年比3千人減)となっている。

     

    過去6年間で受験者数が約2万人減少した。

     

    減少理由は?…

     

    1、収入面で食えない職業だと思われている。

    収入面の魅力が無いと努力のしがいがないからか。

    実際はそうでもないが。

    平成13年に税理士法人制度ができ業界構造が変化している。

     

    税理士試験に合格しても、すぐに開業は難しい環境になってきている。

     

     

    2、少子化

     

    国民の受験適齢期である20歳~30歳が減少すれば受験者数も減少する。

     

    3、無気力な人の増加

    安全な道を選んだり、ネットの普及で情報が多くなり平均化している。

     

    4、競争の加熱

     

    本年3月末の税理士数は76,311人、税理士法人5,203事務所(主従事務所合計)と増加しており過当競争になっている。

     

    税理士の長命化、団塊の税務官公署職員の定年開業、公認会計士の税理士業務への参入も要因。

     

    5、中小企業数が1999年に483万社だったのが、6年後の2014年には381万社と102万社も減少している。

     

    税理士の顧客が減少して職業基盤が縮小している情況だ。

     

    6、「IOT」や「AI」の発展で会計業務が無くなる?

     

     

    7、将来は…会計事務所の労働環境悪化や安売りのブラック企業化、事業承継できず廃業、マイナンバーやインボイス制度などで曖昧を許さない環境で業務に魅力無くなる、税理士の高齢や病気、大手会計事務所による職員の独占、職員からITへの代替、企業が税理士を雇用する。

    などなど…

     

     

    8、対策…租税教育実施校学生向け職場見学会の実施。

     

    Ⅲ、中小企業支援に関する施策について

     

    1、経営者年齢は20年前が47歳であったのに対し、現在は66歳と20歳近く高齢化した。

    70歳がリタイア年齢なら今後数年で多くの中小企業が事業承継の時期を迎えることになる。

     

    2、日本政策金融公庫総合研究所が2016年に公表した調査によれば50%の企業が廃業を予定している。

    廃業予定企業は従業員5人未満が83.3%を占めている

     

    3、顧問税理士主導による事業承継を。

     

    4、北陸税理士会では中小企業事業承継サイトを4月より提供開始しており業界から注目を集めている。

     

    事業引き受けや事業引き継ぎを税理士がマッチングする役割が求められる。

     

     

    写真…あさがお(千代女あさがおまつり、7/29)

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