金沢会計人 のすべての投稿

めだかの学校

先日、自創経営創始者である東川先生の講演を拝聴できる機会を頂く。
『すずめの学校』と『めだかの学校』の歌を比較して、その違いを学ぶ。
学校=会社、先生=社長、生徒=スタッフ、おゆうぎ=仕事と置き換えた場合、自創経営は『めだかの学校』を理想としている。
『めだかの学校』は外から見ると誰が社員か幹部かわからない組織で、みんなが楽しくイキイキと仕事をしているという会社のあり方、人材育成のやり方です。
(『社員がワクワクして仕事をする仕組み』東川鷹年著170ページ、引用加筆)

社員がワクワクして仕事をする仕組み

社員がワクワクして仕事をする仕組み

  • 作者: 東川 鷹年
  • 出版社/メーカー: 日本経営合理化協会出版局
  • 発売日: 2004/11/19
  • メディア: 単行本




『すずめの学校(会社)』
チイチイパッパ チイパッパ すずめの学校(会社)の先生(社長)は 
ムチを振り振り チイパッパ 生徒(スタッフ)のすずめは 輪になって
お口をそろえて チイパッパ まだまだいけない チイパッパ
もいちど一緒に チイパッパ チイチイパッパ チイパッパ
『めだかの学校(会社)』
めだかの 学校(会社)は 川の中 そっとのぞいて見てごらん
そっとのぞいて 見てごらん みんなでおゆうぎ(仕事)しているよ
めだかの学校(会社)のめだかたち だれが生徒(スタッフ)か先生(社長)か
だれが生徒(スタッフ)か先生(社長)か みんなで元気に遊んでる
めだかの学校(会社)はうれしそう 水に流れて つーいつい
水に流れて つーいつい みんながそろって つーいつい

これからの会社経営3つの法則

≪国家の存続と発展≫
「世の中で成功をかちとるには、人から愛される徳とともに、人を恐れさせる欠点も必要である。」(ジョセフ・ジュベール)随想録より。
あまねく人から愛されるだけでは成功者にはなれません。鳩山総理大臣の「友愛」は、まさに全員から愛されるという理念であり、議論の対象とはなりません。なぜなら、人と仲良くしようということは、反対のしようがないからです。仮に反対すれば、人格が疑われます。誰に対してもすべて愛されるということであれば、いくら国家の財源が芳醇であっても枯渇してしまいます。一般会計92兆円という史上最大の来年度予算を組んだ鳩山政権。国家の存続と発展のため、何を重要施策とするか、為政者の決断が重要です。
≪企業破綻の2つの理由≫
産業再生機構COO・冨山和彦氏に破綻の理由を聴くと、2つのしがらみにあるといいます。
1.サラリーマン世界のしがらみ
カネボウ・JALの破たんは、原因が明確でした。カネボウの場合は繊維部門、JALの場合は赤字路線。いずれも撤退するほか選択肢がなかったにもかかわらず、社長は、伝統の部門をリストラした場合、社員はじめ関係各位の批判を恐れ、決断できませんでした。誰もが納得できる経営の決断などありません。
2.地縁・血縁の社会のしがらみ
親戚など多数の役員の存在やロータリーなど社会的メンツなどいずれも経営の決断の障害となります。
≪これからの会社経営3つの法則≫
日本M&Aセンター創業者分林氏の講演を参考とさせていただき、筆者が加筆修正しております。
1.企業環境激減の認識
全ての業種で売上減少の時代に突入します。今後40年かけて、生産年齢(15~64歳)が8,600万人から5,400万人へ減少し、通算して3,200万人が日本国土から消滅します。この消費世代と売上が連動すると仮定するならば、「40年間で40%の減少」となります。大手企業は、この環境をきちんと認識しており、集約化(合併・M&A)・グローバル化という戦略をとっています。中小企業も追随すべきです。
2.独自の商品(独自のマーケット)
此処会計事務所には、様々な財務情報が日々蓄積されています。利益構造がほとんど変わらない企業と悪化している企業の違いについて、一行の公式で説明できます。
非価格競争≠見積もり競争
独自の商品やマーケットがある場合、たとえば製造卸売などのお客様は価格競争に巻き込まれていません。規制緩和が進み、誰もが扱う商品の販売している場合、見積もり競争に巻き込まれてしまい、利益構造が極端に悪化しています。
3.プロフェッショナル経営者の時代
時代が変わっているにもかかわらず、会社が変わらないリスク、何もしないリスクを実感し決断します。経営のポイントとして、同業種と同じやり方をしない、ゼロベースから考えることが肝要と考えます。そして、徹底したローコスト経営をし、筋肉質な会社を目指していただければと思います。

下剋上の時代

≪なぜ、人によって態度を変えないのか≫
私がなぜ、昨日入社したスタッフの方に対してさえも敬語を使うか不思議な方も多いようです。東京の修業時代、周りの先輩もすべて敬語でした。なぜか。とくに外資系は下剋上であり、今日の上司は、明日の部下だからです。だから、偉そうに振る舞っていた上司が、翌日、部下となった当惑を実際に目撃し、「明日は我が身」と強烈に体感したのでした。実力主義の徹底が言葉使いにも影響したのですね。毎日、強烈な緊張感で過ごしたことが私の原体験です。
≪経営者の心構え≫
オーナー色が強ければ強いほど、絶対に解雇されないという慢心があり、長所よりもむしろ弊害があると私は思います。上場会社は株主が監視するけれども、未上場会社の経営者は野放図。将来の戦略が描けない赤字会社は、すぐ廃業すること。こういう指導が今、会計事務所に求められています。
経営者に降格はありません。会社がなくなるわけですから。倒産が続く厳しい時代だからこそ、「明日は我が身」とお客様にも指導できればと思います。
私は、将来の成長を描けなくなった時点で社長の資格はないと自戒しております。ここで、成長とは、売上や利益といった数値目標だけでなく、社会的にもきちんと役割のある会社を目指すということ。これから、能力だけでなく、高い思想を学んでいきます。

農夫の1日

計画の大事さを例えた話で、「農夫の1日」が有名です。
「ニシオ式躍進経営の秘密」東川鷹年著/明日香出版社より引用させて頂きます。
ある農夫が、朝早く起きて畑を耕そうとした。ところがトラクターの燃料が切れていたので近くまで買いに行ってきた。途中でブタの餌をやっていないことを思い出して納屋に餌を取りに行った。すると、ジャガイモが発芽しているのを発見した。これはいけないと思い、ジャガイモの芽をとっているうちに暖炉の薪が無くなっていることを思い出して薪小屋へ足を運んだ。薪を持って母屋へ向かっていると、ニワトリの様子が変である。どうも病気にかかったらしい。とりあえず応急処置を施して、薪を持って母屋にたどり着いた頃、日がトップリ暮れていた。農夫はヤレヤレ何かとせわしい一日であったと思いながら、一番大切な畑を耕すことができなかったことに気がついたのは床に入ってからであった。
(アクティ総合研究所・大西啓義氏)
引用終了。
この農夫は、最後に大切なものに気付きましたが、皆さまいかがでしょうか。あらゆる場面で、段取りの大事さを痛感いたします。

シュミレーションの本質

≪納税者への感謝≫
税金の納付は、日本国への出資と考えております。いわば日本国の株主として、国を良くする提言をできる権利を有していると思っております。ある日、益川氏のインタビュー記事を拝見し、若干の可笑しさをこらえつつ、納税という本質を捉えていると感心し、此処に紹介致します。
ノーベル物理学賞受賞が決まった益川敏英京都大名誉教授が26日、日本外国特派員協会で講演し 「われわれの理論は1カ月(でできたが)、検証には30年(かかった)。困難な実験をやりとげたグループと、大変金がかかる加速器建設を支えてくれた納税者に感謝したい」と発言。笑い声が起こると「冗談ではなく、科学というものは進歩するほど巨大になっていく。それを進めるには政府と国民の理解が必要」と真顔で強調した。(2008/11/26 共同通信より引用)
≪シュミレーションの本質≫
益川氏の世界は、自然科学であり、科学は実験が前提です。一方、社会科学は実験を前提としていません。従って、シュミレーションが大事なのです。言い換えれば、経営計画であり、その本質は実験です。1年間は、8,760時間であり、仮に稼働時間 1,879時間とした場合、人生の21.4%が仕事の時間となります。その時間制約の中で、社会科学の実験として、経営計画を策定します。
お客様のニーズや需要量を見込み、経営者の意図を社員に伝え、如何に行動に移すかなどのシュミレーションを常に考えることが肝要かと思います。

強い組織は最後の戦い方に現れる

≪生きざまは最後の戦い方に現れる≫
ある会合でのスピーチに感動し、生きる勇気を頂きました。スポーツの練習をすればするほど、試合での残り5分の考え方が違うといいます。野球でいえば、9回である最終回の戦い方が違います。練習していない選手は、残り5分で何ができるかと諦めるそうです。一方、練習している選手はこう思います。あの練習を無駄にしてはいけないと。残り5分で何ができるか自分自身に問います。自分を支え続けている家族、友人、仲間のことを思うと決して諦めることはできません。仲間を失望させることは決してできないのです。選手の一人でも諦めたら、ゲームでは勝てません。最後の戦いかたに、そのチームの生きざまが現れます。
≪ピンチと危機の見方≫
PINCHと危機という言葉は、英語と日本語という差があるものの似ています。いずれの言葉も前後から見ると見方が異なります。ピンチは最後のCHをチャンスと捉えます。危機も同様で、最後の機を「機会」と捉えます。前から見ると危険で、後ろから見るとチャンスとなります。私は、会社にいる仲間と全員で、ピンチ、危機を最後のチャンス、機会と捉えたいと思います。
≪永続する組織を目指して≫
この世に絶対的な真実が存在します。人間はいずれ死ぬということです。私も今年40歳となり、残りの人生を意識するようになりました。私はいずれこの世から消えてしまいますが、企業は継続することが可能で、私の死後も存続することができます。私が最も愛する組織の存続ができれば安心して死ぬことができます。経営者の仕事の一つとして、いかなる外部環境でも生き抜くことのできる組織を作ろうと思います。自創経営の東鷹先生によれば、強い会社とは優れた人財の集合体と定義されます。そして、優れた人財とは、すべての分野に精通しており、専門分野を深耕しているT字型人間で、どの企業も欲しがる人をいいます。そして、その人財が簡単に辞めない会社が強い会社です。
≪自己の棚卸と習慣づくり≫
ある尊敬する先輩から、毎日、自己の棚卸をすれば、相当の覚悟ができるとご教授頂きました。自分は今まで何を学習してきたか、どのようにお世話になった人に貢献できるか、常に棚卸するわけです。働くとは、「傍(はた)を楽にする」ことであり、どれだけ他に役立てるかが仕事にとって重要です。とくに会計事務所は商品を作ったり販売しているわけではありません。だから、自己の必要性を皆様に知って頂く努力を継続する必要があるわけです。人間に平等に与えられているものは時間と能力の2つしかありません。時間と能力を活かすことができれば、永続できる組織を作ることができます。神から授かった時間と能力を活かす強力なヒントは継続にあります。良いことを継続、習慣にしてしまえば、強力な仲間を得ることと同じ効果が期待できます。最後の戦い方に組織の本領が出ると信じ、強い組織を作っていきたいです。

微生物と人類の共存は可能か

(微生物と人類の共存は可能か)
檀れい主演の『感染列島』を見て、ウィルスにつき考えさせられました。地球46億年の歴史の過程で、微生物などのウィルスが出現したのは、約32億年前であり、人類はわずか500万年前です。
400万年前に、直立二足歩行する人類は誕生し、農耕文化という最初の産業革命は1万年前。近代の産業革命は、200年前です。
携帯電話が普及してから15年であり、進化し続けていますが、超産業化の頂点に立つ叡智のある人類も自然には勝てません。単細胞とバカ呼ばわりしている微生物に、手も足もでませんし、めまぐるしく突然変異するウィルスにはお手上げです。

感染列島 スタンダード・エディション [DVD]

感染列島 スタンダード・エディション [DVD]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • メディア: DVD




(文明と悪疫)
大島清氏の「脳が快楽するとき」の中に、ウィルスと文明についての記述があり、引用させて頂きます。
(以下、引用)
「文明はそれぞれに悪疫を持ち、それが世紀の変動期に流行することは人間の歴史が物語っている。13世紀のハンセン病、14世紀のペスト、15世紀ルネッサンス時の梅毒、17~18世紀の天然痘、19世紀の結核、20世紀のガンウィルス、インフルエンザ、そしてエイズである。それはそのまま、文明病が文明の尺度となっているといっても良い。そして病気が文明を変え、社会を動かしていくのである。
(中略)
文明は人を動かし、物を動かす。人と物が動けば風土病も疫病化し、果ては世界的な広がりを持つ。文明を後退させることはできないだろう。しかし、紙がヘドロを吐きながらつくられ、鉄が大気を汚染させながら製造され、電力もまた自然破壊なしには生まれていないことを考えると、人間の英知は地球破壊はもうこれくらいでほどほどにして、人間というものが地球上の生物のほんに一員で、かれらとの食物連鎖のなかで生きているといった謙虚さを取り戻すことが必要だと思う。(後略)」225~226頁参照。

脳が快楽するとき (集英社文庫)

脳が快楽するとき (集英社文庫)

  • 作者: 大島 清
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1999/07
  • メディア: 文庫



盛田昭夫氏の「21世紀へ」を読んで

≪序章 国家を崩壊させる方法≫
先日、ある識者から、国家を崩壊させる3つの方法を拝聴させて頂きました。国家を崩壊させるには、武器は必要ないという。国家に対して若者が希望を持たず、怒りを感じさせないようにすれば、いずれ国家は滅びます。
1.自己中心者を増やすこと。愛国心とは全く無縁な人を増加させる。
2.スポーツ(個人競技)を盛んにすること。野球やサッカーはチーム競技のようであるが、ポジション争いなど個人競技である。
3.エロ情報を氾濫させること。
まさに、崩壊しつつある国家とは、戦後の日本であり、このことをご教授頂いた識者は憂国の志士であった。
≪日本を去勢する方向へ≫
この連休中に拝読した本のなかで、「21世紀へ 盛田昭夫著」が断トツの面白さでした。その146頁にこう書いてあります。
「戦の悲哀を噛みしめるべき機に、終戦といいくるめてアメリカの温和な政策に慣れて、立ち直るべき国家的自覚をうやむやにしてしまった。
それが、国家あるいは社会の秩序のなかで生きる責任感の欠如を青年にもたらし、・・・
社会への無関心、これを私は恐れています。」
私も、若者の大きな怒り、志がなければ、国家は崩壊するという危機感を抱いております。
第二次世界大戦中、アメリカ軍の沖縄上陸作戦(1945年4月1日~6月23日)に対する特攻攻撃の基地が沖縄にありました。私とほぼ半分の年齢の若者が国家のために命を捧げました。片道の燃料しか持たぬ20歳のある青年が、沖縄の基地から敵地へと飛び立つ際、最後にこう言い残したといいます。
「わたくしの死は、無駄になりませんか?」と。

21世紀へ

21世紀へ

  • 作者: 盛田 昭夫
  • 出版社/メーカー: ワック
  • 発売日: 2000/11
  • メディア: 単行本




≪総理大臣の役割≫
同じ盛田氏の著書の338頁に総理大臣の役割として、盛田氏が中曽根氏から聞いた言葉が書かれており、心が震えるぐらいの感動を与えて頂く。
中曽根氏は言う。
「自分の上には、天皇陛下しかおられない。天皇陛下は賢所で祭り事をされる方だ。日本の全国民に対する全責任は自分にある。困った時に、天皇陛下お願いしますというわけにはいかないのだ。思えば、戦後浮かばれぬ日本の亡霊がたくさんある。自分が総理になった以上は、身命を賭して浮かばれぬ亡霊を鎮めることをやらねばならない。」
心から痺れる言葉であり、事実、中曽根氏は首相在任中、仕事をしたと思います。総理は国家の最高責任者であり、企業経営者に例えるならば、社長です。創業者や会長に頼ることなく、全責任をもって自己保身することなく、全霊をもって取り組まなければなりません。
≪経営者として国家にできること≫
盛田氏の著書「21世紀へ」の168頁には、政府は企業の合弁会社であると強調しています。
「企業は利益の50パーセントほどを法人税という形で政府へ納めている。政府は、株は1株も持たないが、実質上は50パーセントの株主と同じであり、要するに政府はパートナーなのである。
従って、利益の半分を持っていく政府は、当然パートナーとして相手の企業がうまくいくことを望むのは当たり前であって、・・・」
企業として税金を納めるのは義務であり、会計人も貢献していると自負しています。そして、企業は、タックス・ぺイヤーとして権利を有しています。
企業において株主は自らの出資金の使い道について経営者に責任を要求することができ、経営者はそれに応える義務があります。税金を納めている企業は、日本国株式会社の株主であるから、当然、国家に対して要求する権利があります。
盛田氏のこの熱き言霊に触れて如何でしたでしょうか。多額の法人税を納付させて頂いている会社には、政府にもの申す権利があると私も思います。ただ、批判するだけでなく、自ら経営者として国家に対して何ができるかを自問自答させていただきました。

接遇力こそ競争の源泉

≪訪問での気付き≫
年末の挨拶のため、お客様である診療所や病院を訪問させて頂くことで、たくさんの気付きを得ました。医業は、「蜂か蜘蛛か」どちらの戦略かと問われれば、蜘蛛のビジネス。患者さまを受け入れていくビジネスであるとしたら、受付の方との出会い、または待っている時間こそ、他の医療機関と最大の差別化の図る機会です。
最大の医業経営の差別化は、「接遇力」と仮定させていただき、本稿を進めたい。サービス業の本質はお客様が感動すること。感動は期待を超えたところにあります。病院や診療所の方から期待以上の対応を頂く時、かならず感動します。
例えば、訪問させていただいた中には、大手航空会社のスチュワーデスのような方や玄関まで見送って頂いた奥様もいらっしゃる。期待を超えたところに感動は生まれる実感いたしました。
≪女性についての平林氏と私の持論≫
医療機関を訪れた中で、男性の受付の方は一人もいなく、すべて、女性の方であった。受付のフィールドは、女性の独壇場であり、女性が輝く場所。
「接遇道」で著名な平林都氏は、女性と男性と比した場合、才能は女性の方があると言う。しかしながら、継続力という点では、男性の方が優れていると指摘している。言い換えるならば、覚悟の差とも言える。
「接遇道」158~159頁、「女性が仕事をする上での覚悟」の項が興味深い。
(中略)
「女の子だから」とちやほやされている日常からは、生産的なものは何も生まれません。・・・
全部、越えていけ、辞めてしまったら何にもならん、
(引用終了)

平林都の接遇道

平林都の接遇道

  • 作者: 平林 都
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2009/11/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)




なんという迫力。継続力では男性が優位という氏の持論から、だからこそ、女性は覚悟をもって「接遇道」に精進せよと強烈なメッセージを読書に発信している。
私は、「女は金。男は鉄という」という持論を有している。女性で極端な天才や犯罪者はいない。子供を産んで育てることができるよう、平均的な方が多いと思う。一方、男は鍛え方次第で、どんどん成長する。あたかも、鉄を徹底的に叩いて、鋳造していくように。愚かな男は、覚悟をもって継続していくしか道はない。
しかしながら、才能ある女性が覚悟をもって継続して「接遇道」に邁進していくならば、これほど強いものはない。最強の経営の「差別化」、競争の源泉となろう。
≪接遇は経営者の戦術≫
感じの良さは決して先天的なものではなく、また偶然の産物でもありません。怜悧な戦略のもと、経営者は選択した戦術の一つととらえます。建物や器械などのハードではなく、人間というソフトの競争優位を図ることが肝要だと思います。
先日、レクサスに乗せて頂く機会を得て、大変、驚きました。レクサスのオーナーには、コンシェルジェサービスが付いています。このサービスは、24時間対専属オペレーターが付いており、ボタンワンタッチで呼び出すことが出来、目的地の道順はもちろんのこと、道路の混み具合、混んでいる場合は空いている道をナビゲーションまで情報を運んで頂けます。しかも、感じの良い女性が優しい声で教えてくれます。なんとも強烈かつ強力なソフトサービスを提供しています。
これまでのどんな高級車にも、このようなコンシェルジェはいません。目的地をナビゲーションで設定せずに、口頭でしかも運転しながら設定して頂けます。

国家との合弁事業~日本国家に対する責任と事業主の権利

(損益計算書から見た日本国家に対する責任)
会計人にとって、財務諸表の説明は、大事な仕事です。
しかも、知識や知恵や経験によってその説明が徐々に厚みを増していきます。
損益計算書は、職業会計人にとっては、母親の名前と同じくらい、親しい関係にあり、毎日、何らかの形で目に触れる機会のあるもの。
たとえば、損益計算書は、「売上100としたとき、どの取引先、人達にお金を分配したか」という見方もできます。
お金を分配させて頂いています。まずは、売上の下をみると、仕入れ先。販売費および一般管理費では、スタッフの人件費をお支払いさせて頂いています。ずーっと、下に多額のお金を分配している先があります。
日本国家です。
どの支払先、スタッフもよく知っており、気心の知れた関係であるが、国家はどうでしょうか。
唯一、顔が浮かんでこない、理念や戦略、戦術すべてが漠然とした存在です。
利益の50%を税金として納付させて頂いているにもかかわらず、事業主の方は国家に貢献しているという気概がどうも希薄です。
ソニーの創業メンバー盛田氏が以前、多額の法人を納付させて頂いているのであるから、ソニーは日本国家との合弁事業であると断言しています。
まずは納税という義務をきちんと果たして、企業を継続して、支払先にお金を分配する。そして合弁事業のパートナーである国家に対して初めて、もの申す権利があります。
(貸借対照表から見た日本国家の義務~事業主の権利)
日本国家の財政は危機に瀕しています。明確にいえば、日本の貸借対照表は、債務超過であり、借金たる国債の返済は難しい。
オリックスの宮内CEOの国家観は、日本政府には期待できぬということ。政府が助けてくれると思ってはいけないというのです。
国家は、もともとお金を一銭も持っていない。
国民から税金を徴収して借金して、配分する機能しか有しない。
(多少、俗っぽい表現で仮に謹んで言い換えさせて頂くことをお許し頂けるのであれば、国家は、国民からカネを巻きあげてばらまいているにすぎない。)
宮内CEOは、日本経済が伸びないならば、日本を飛び出し、経営者の力量でグローバルな市場で闘うしかないという。
優良な国内企業がどんどん海外へ進出すれば、当然、税収も伸び悩む。
日本国家の財政は加速度的に悪化していく。
(職業会計人にできること)
我々会計人は、お客様の適正申告を日々、実践しており、国家に貢献していることを自負しています。
国家に対する義務を果たしたうえで、国家は我々への義務を果たして頂きたい。
今まで、利害が対立する話、プロ野球・政治などの話題は避けてきました(笑)が、日本国家が火だるまになりつつあるのに傍観は決してできません。
全国の職業会計人の組織で、日本国家へ提言できる場所があれば、来年以降、積極的に参加していきたいと思います。
さらに、国家が職業会計人に更なる役割で協力してくれというなら喜んで働きます。
私の価値観では、会議で批判して注文するのではなく、まずは自分が何を考え、何ができるか発言することが大事と考えています。
なぜなら、日本国家は、大事な合弁事業のパートナーですから。