金沢会計人 のすべての投稿

税制会計研究会

MMPG税制会計研究会に参加するため、東京へ向かう。
小松空港のラウンジで偶然、木村所長と会い、税務の打ち合わせを行う。
同じ飛行機に乗ることになっていたのか!(笑)
先ほどまで、携帯メールでやりとしていたのだが(苦笑)
羽田空港までは約50分のフライト。
機中、東野圭吾の「天使の耳」を読む。
交通事故など「車」に関する推理短編を集めた小説だ。
読みながら、マナー良くかつ安全運転を継続しようと再認識できた。
車は便利だが、怖いもんだ。



MMPG本部に11時過ぎに到着すると、A専務理事とK会長の打ち合わせがすでに始まっていた。
私は、陪席という形で、お話だけ拝聴させていただく。
昼食後、W研究員、H副会長が到着し、いよいよ税制会計研究会がスタートする。
まずは、税制に関係する先生方の質問を我々研究員が文書で答える方針を確認する。
責任の所在を明確にするため、若干の謝礼もいただけるようだ。
次に、資格認定試験のレジェメ改定と試験問題に話が及び、今年度の研修テーマの選定につき議論する。
発表は公の場ですることとしよう。
懇親会は、土佐料理の「ねぼけ」。
K会長、W研究員、H事務局員と4人で語らい、気づけば日付を超える1時間前。
新たなステージに心躍る1日であった。

杏っ子

室生犀星の「杏っ子」を読む。
杏っ子.bmp
犀星の自伝と言われている小説。
この小説は、私生児として生まれ、生後まもなく養子に出された平山平四郎という作家の人生を描いている。
犀星は、恵まれぬ幼少時代を描きながら、産みの母親を求め続けている。
「ただ、このような物語を書いているあいだだけ、お会いすることが出来ていた。(中略)物語をつづるということで、生ける母親に会うことのできるのは、これは有難いことのなかの特に光った有難さなのである」。(24頁、引用)
かの有名な詩「小景異情」のなかで、ふるさとは遠きにありて思ふものと詠んだ故郷金沢に対する複雑な思いを少しだけ理解できた気がした。
[小景異情 その二] 
ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
よしや
うらぶれて異土の乞食となるとても
帰るところにあるまじや
ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
そのこころもて
遠きみやこにかへらばや
遠きみやこにかへらばや

山中温泉へ

GW中何処も行かないのも何なので、近くの山中温泉に宿泊することとする。
散歩に適した川沿いや橋を数時間かけて歩く。
途中、足湯につかり、疲れを癒す。
歩いていても温泉につかりながらも考えることは会社のことばかり。
マーケティングとして会社の出版物が必要と思う。
専門特化の結果として、一番本が適切であろう。
皆様に会社の業務を知って頂く機会をつくろう。

新公益法人会計基準

本日、39歳の誕生日を迎える。
皆様の支えのおかげだと心から感謝しております。
義兄と慕うK先生から祝いの花を頂く。
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「ファレノプシス」を拝見しながら、金沢の自宅より東京杉並区方面へ向け、感謝の念をおくる。
ありがとうございます。
さて、新公益法人会計基準が平成20年12月1日以降開始する事業年度から実施される。
ほとんどの公益法人は3月決算であるから、今年の4月から新会計基準が適用される。
しかしながら、運用指針において、来年の平成22年4月からでも良いと規定しつつも、公益認定を受ける場合は新会計基準の整備が必要などややこしい。
公益法人については、このブログでも何度となく紹介してきた。
【公益法人関連記事】
2008年2月10日「MMPGチャレンジ50」
http://kkb-gaku.seesaa.net/article/83301967.html
2007年9月13日「公益法人制度改革について」
http://kkb-gaku.seesaa.net/article/55109427.html
2007年8月29日「公益法人マーケット」
http://kkb-gaku.seesaa.net/article/53110133.html
公益法人改革の過程で、基金制度が設けられた。
医療法人も同様だ。
医療法人の基金について.pdf
医療法人基金拠出契約書.doc
基金は、返還する義務があるので、負債の性格を有するが純資産の部に分類される。
他の負債を全部返済し終えてから基金をお返しするという意味で、劣後債的性格を有するからだ。
基金は、負債と資本の中間的な位置づけとなる。
会計的に面白い論点で、新株予約権付社債同様、貸方の区分問題へと発展する。

信託の本質

相続対策の3つの要素は、節税対策、財源対策、もめない対策。
すべての相続財産が預貯金ならば、民法どおりで問題は生じない。
自社株式、固定資産など分割しにくい財産の場合、揉めるケースが噴出する。
解決できるのはたった一人。
財産を築いた本人、分ける人が決める。
死ぬ前までに決めておかねばならぬ。
(揉める実際のケース)
会社の株式がすでに他の兄弟に分散されており、その時点で経営権の集中を図る必要があった事例。
そして、相続が起こり、他の相続人から株式の買取を請求されて、事業承継が失敗した。
しかも、長男である後継者に実子がいない状況で、妻の実家から養子をもらう。
ということは、後継者が亡くなったとき妻の家に財産が移動する。
後日、その請求権を行使した次男の方に聞いた。
なぜ、事業承継が失敗することを知って、自社株式の買取請求をしたのですか。
上場会社の役員を務めるその紳士はこう語ったという。
「兄貴が死んだらどうなりますか。
相続人の養子が引き継ぐことになります。
我慢なりません。」
相続財産が別の家系に移動する場合、相続紛争が起こる場合がある。
こういう場合、跡継ぎ遺贈受益者連続信託と呼称される信託の活用が考えられる。
現在、信託の可能性につき、中小企業庁が各界の専門家を集めて研究している。
信託を活用した中小企業の事業承継円滑化に関する研究会における中間整理について~信託を活用した中小企業の事業承継の円滑化に向けて~
信託活用事業承継.pdf
信託の本質とは、分けられない自社株式や固定資産のような財産を分割可能な債権に転換すること。
自社株式を信託財産として、後継者たる長男の相続後は、その養子ではなく、次男の子供に相続させるような信託の設定が可能である。
このような信託の設定であれば、両親の築いた財産が他の家系に流出することを防ぐことができる。
たとえば、こんな事例にも活用することができる。
会社の代表者が、先妻と死別し、別のかたと再婚をしたい。
先妻の子供は、相続がややこしくなるので、その結婚は許さない。
後妻が亡くなったとき、その子供に自社株式が渡るからだ。
この信託を活用すれば、元の家系にもどる方法を選択できる。
自社株だけでなく、固定資産の賃貸料を信託受益権とする場合も検討でき、信託の可能性につき考えてみる。
ただ、税金を軽減したい方向と円満解決する方向は真逆となる場合がある。
今回のケースのほとんどが「みなし遺贈」となる可能性がある。
相続税の課税の対象となれば、税務上のメリットはないことに留意されたい。

医療機関の源泉所得税に関する大型税務案件

病院が払う勤務医や看護士の宿日直手当は、日額4,000円までは非課税となっている。
4,000円を超える日当に対して、病院は、所得税の源泉徴収をして所轄の税務署に納付する一方、勤務医や看護士も所得税を納付する。
数年前、横浜市が上記の源泉所得税の納付漏れを発表した。
横浜市医師宿日直手当源泉所得税.pdf
記者発表資料 (平成17年6月30日 )
医師の宿日直手当に関する源泉所得税を納付しました。
本市は、宿日直手当(勤務1回につき6,400円)については、宿日直料の非課税を定めた所得税の取扱通達(所得税基本通達28-1)に基づいて、1回4,000円までは源泉所得税を徴収していませんでした。
しかし、横浜中税務署から、医師・歯科医師に対する宿日直手当に関するこの通達の適用については、業務内容によって課税する場合もあるという指摘を受け、昨日、納税の告知を受けました。
そこで、非課税として所得税を徴収していなかった分について、平成13年分以降の源泉所得税を納付しました。
1 横浜中税務署から指摘された内容
医療施設における入院患者の病状の急変等に対処するための当直勤務は、従前どおり宿日直料の非課税を定めた所得税取扱通達に該当し、非課税であるが、それ以外の勤務については、課税となる。
2 対象者及び納付すべき税額
(1) 対象者
平成13年以降に上記の業務に携わった医師・歯科医師216名
(2) 税額
13,291,420円
(内訳)
源泉徴収をしなかった税額 11,705,820円
不納付加算税額 1,167,000円
延滞税額(試算) 418,600円
合計 13,291,420円
以上。
所得税基本通達28-1(宿日直料)では、次の3つのケースにおいて、その全額を課税の対象としている。
(1) 休日又は夜間の留守番だけを行うために雇用された者及びその場所に居住し、休日又は夜間の留守番をも含めた勤務を行うものとして雇用された者に当該留守番に相当する勤務について支給される宿直料又は日直料
(その解説)
換言するならば、休日または夜間専門で働くためだけに雇用されたお医者さんや看護士さんに払う日当は、非課税の対象とならない。
(2) 宿直又は日直の勤務をその者の通常の勤務時間内の勤務として行った者及びこれらの勤務をしたことにより代日休暇が与えられる者に支給される宿直料又は日直料
(その解説)
勤務医の先生が当直明けでそのまま勤務した場合は非課税対象となる。
看護士の場合、日勤・夜勤などシフトが組まれていることが多く、夜勤明けは帰ることが多い。
実質、休日休暇が与えられる場合、課税の対象となる。
(3) 宿直又は日直の勤務をする者の通常の給与等の額に比例した金額又は当該給与等の額に比例した金額に近似するように当該給与等の額の階級区分等に応じて定められた金額(以下この項においてこれらの金額を「給与比例額」という。)により支給される宿直料又は日直料
(その解説)
ひと言で言えば、給与なので課税対象。
宿日直とは、肉体的・精神的負荷に係わる超過勤務手当の性格のもの。
それ以外は課税対象となる。
以下、余話ながら、派遣医の給与所得について適用する 源泉徴収額表の区分等について、国税庁の発表を付け加えておく。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/shotoku/gensen/821025/01.htm

医業の非課税をどう考えるか

医療費には消費税がかかっていない。
1989年消費税導入の際、保険証を使って医療を受ける場合、教育費同様、非課税とした。
社会政策的配慮から非課税としている代表格が、教育と医療だ。
財務省のホームページにも明示してある。
配慮は国民たる患者に対するものであって、医療機関側には配慮が行き届いているとは決していえない。
医療機関であっても、建物のような大型設備投資、材料費などには消費税を払っている。
しかし、患者からは消費税を預かっていない。
消費税導入時、日本政府は、日本医師会の溜飲を下げるため、消費税の税率アップする際、社会診療報酬を引き上げることを約束した。
導入時の1989年には、0.76%。
消費税率を3%から5%に引き上げた1997年にも、0.76%。
合計して、1.53%の診療報酬を引き上げている。
しかしながら、払った消費税と比較するに、多くの医療機関では、この1.53%の診療報酬引き上げと比較勘案しても損しているのが現状だ。
こうした現状を鑑み、日本医師会では、消費税を「損税」として位置づけている。
日本医師会は、医業税制検討委員会を常設。
そのなかで、消費税が活発に議論されており、理事の今井先生の講演録(平成19年2月)にその詳細が記述されている。
医業消費税.pdf
日本医師会平成21年医療に関する税制に対する意見.pdf
医療機関は、公定価格(診療報酬)に基づくほかなく、支払った消費税を患者に価格転嫁できない。
従って、事実上の減収となる。
どんどん増える社会保障費。
33兆円を越える医療費を賄う税収として消費税が期待されているが、ここらへんの問題も解決していかねばと注視している。

四季と同様、喜怒哀楽もある

生まれてからずっと素直さを信条に学習・仕事をしてきた。
信頼関係を築きたいと心から願い、「イエスかはい」を基本に会社内外ともに行動してきた。
此処最近、時と場合によっては、交渉力が問われることを痛感する。
今回、利害関係が対立する場合において、「ノーかいいえ」のオプションも加えることとする。
反論するのは受け入れるのと同じくらいエネルギーが必要だ。
椅子を蹴るぐらいの勢いで怒ると、心臓の動悸がおさまらない。
健康にも悪いので、怒らないようにしていたが、必要な時もある。
本気で怒らなくても、少なくとも怒るフリはできる。
いよいよ、転機が訪れたようだ。
四季と同様、人生も喜怒哀楽がある。

鳥飼先生の自己実現

鳥飼重和先生の「『稼げる』弁護士になる方法」を拝読させていただく。



鳥飼先生のブログ「鳥飼日記」も毎回拝見しており、その中で、『稼げる』というタイトルは出版社の希望であり、必ずしも鳥飼先生の趣旨ではない記事があったと思い起こす。
お金よりも信用を大事してきた先生からすれば、弁護士の自己実現の方法ぐらいのネーミングが良かったのではないかと勝手に想像している。
『稼げる』としたほうが、書籍が売れると出版社が判断したのだろう。
さて、本著は鳥飼先生の生き方が満載だ。
168頁の「チャンスはチャンスの顔をしていない」が、グッときた箇所であった。
最初は「嫌だな」と思った仕事が、結果的に「良かった」ということが何度もありましたとの記述を読み、納得。
本当のチャンスは、誰もやる人がいなくて、しかも自分でもわからないもの。
私の「大変だから仕事」という持論を強烈にバックアップして頂いた。
通帳の残高が多少増えたからといって、何になるのか。
本著で円単位の自己実現ではなく、本当の自己実現をご教授いただく。
巻末の読書リストのいくつかが未読であったので、早速、全部拝読させていただくこととしよう。
本は、自分の大事なお金でなければ身につかない。

魚すべて完食の健康法

加賀観光ホテルから移動し、TKC北陸研修所が主催する「平成21年度改正税法」を受講する。
税理士小池敏範先生から3月決算法人の実務対応をご教授いただく。
STLOWSセミナー、会社の実務研究会、MMPG「医療法人の税務」資格認定テキストに反映させようと考える。
その後、金沢エクセルホテル東急にて、中央大学学員会石川支部の役員会に参加する。
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法人、個人のお客様数名とご挨拶させて頂き、中央大学の裾野の大きさを実感する。
役員会後、さらにY支部長、O幹事長と3人で飲み直し、石川支部の今後の発展につき語り合うこととなる。
会話のなかで、Y支部長の魚の頭、骨をすべて完食するという健康法を聞き、驚愕する。
また、青春時代、1万平米もの農地を耕したことにより、下半身を鍛えたことが、今の健康に繋がっていると拝聴し納得。
私の役割は、幹事長見習いであり、喜んで諸先輩方のお手伝いをさせていただく。
さて、役員給与の実務対応につき、簡単に考察してみたい。
国税庁が平成18年6月、12月、平成20年12月と3回にわたり、「役員に関するQ&A」を公表している。
通達でもなくQ&Aなので、法的拘束力はなく、課税庁においても未だ解決していない分野の一つだ。
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平成18年税制改正で突如現れた「定期同額給与」。
役員報酬に係わる実務を劇的に変化させると同時に、その運用に関し混乱させた改正の一つ。
国税庁から、Q&Aが3回も公表されたことから、混乱の経緯が伺える。
この税制改正あたりから、法人事業概況書のフォームが変化している。
新たに、「代表者に対する報酬等の金額」の項目が追加された。
項目追加の意味するところは、課税庁が今後、報酬の増減を注視していきますという宣言のようなものだ。
役員報酬のみならず、賃借料、支払利息など経済的利益の供与の有無なども確認しているところがポイントだ。
役員給与には、この経済的利益もその範疇に含まれることに留意する。
定期同額給与とは、事業年度内において支給される役員給与は毎月同額でなければならないというもの。
この改正により、役員給与を期中、減額、増額させる場合、相当神経を遣うこととなる。
平成20年12月Q1(クエスチョン1)で、「業績悪化等により役員給与の額を減額する場合の取り扱い」につき、その回答を公表している。
業績悪化等の「等」の範囲を明確にした。
業績悪化改定事由に該当すれば、期中で役員給与を減額しても損金計上される。
法人税基本通達9-2-13では、「悪化」に定義している。
(経営の状況の著しい悪化に類する理由)
《定期同額給与の範囲等》に規定する「経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由」とは、経営状況が著しく悪化したことなどやむを得ず役員給与を減額せざるを得ない事情があることをいうのであるから、法人の一時的な資金繰りの都合や単に業績目標値に達しなかったことなどはこれに含まれないことに留意する。
ここから読み取るに、財務数値が悪化し、倒産の危機に瀕したとしても「悪化」とは認められないとしている。
今回のQ&Aは、以下の3つの場合、「悪化」として、業績悪化改定事由に該当するとしている。
1.株主との関係上、業績の悪化について役員としての経営上の責任から役員給与を減額せざるを得ない場合。
多くの同族会社の場合、役員=株主であるから適用は厳しい。
課税庁は、株主が不特定多数の上場株式会社を想定していると考えられる。
2.取引銀行との間で行われる借入金の返済のリスケジュールの協議において、役員給与の額を減額せざるを得ない場合。
これは適用が易しいと考えられる。
3.取引先等の利害関係者から信用を維持・確保する必要性から、経営状況の改善を図るための計画が策定され、これに役員給与の額が盛り込まれた場合。
こういうケースがどんな場合なのか、いまのところイメージがわかない。
利害関係者から計画の開示の求めがあればこれに応じなければならないと回答には付記されているところから、運命共同体のような第三者を想定しているものと推察する。