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インボイス制度とは(前半) 2023

M社の営業マン向けのインボイス制度研修講師の機会を頂き、インボイス制度について話すこととなった。

いかに消費税制度について平易に話すかが試されており、まさに「頼まれごとは試されごと」の講師機会となる。

 

はじめに~消費税の導入

消費税法が施行され、3%の消費税制度が導入されたのは1989年(平成元年)4月。

竹下内閣の時であった。

桜舞う季節。

小学生がお母さんから貰った100円を握りしめ近所の文房具店へ走る。

どうしても入手したい流行りの可愛いペンがあるからだ。

ところが、買えずに泣いて帰る。お母さんがどうして泣いているのと問う。

100円で買えなかった。あと3円足りないって。どうしてなの?

消費税が導入されて、こういうエピソードが続出した。

後ろに並んでいたおじさんが3円くれた美談もある。

消費税のない時代から今。

国家税収の中でも所得税よりも消費税の方が多い今。

直接税よりも間接税が多い時代となった今、なぜインボイス制度導入なのだろうか。

財務省最後の仕上げと気合が透けて見える。

さきほどの小学生が足りなかった3円。

負担するのが小学生で納めるのが文房具屋さん。

負担する人と納税者が違うので間接税という。

納税者である文房具店が消費税を納めていない現状があるとすれば、消費税制度は機能していないこととなる。

この消費税を納税していない事業者を免税事業者(導入当初の免税事業者の課税売上高は3,000万円以下)という。

免税事業者が相当数いて、これを「消費税の益税問題」という。

財務省は、本来納めるべきはずの消費税を納めていないのでその分利益になっている免税事業者の現状を注視してきた。

インボイス制度導入の文字通り「導火線」に火をつけた正体だ。

 

1.インボイス制度選択の岐路~選好の訳

国家は、一度も消費税を納めていない免税事業者に対し、「インボイス制度」を機に自ら消費税を納めよと突き付けている。

あくまでも、自主的に課税選択するように届出が必要となる。(令和5年1月末時点で約250万件の事業者登録申請あり)

この届出が今回の主役である免税事業者の混乱を招いた。

敢えて、消費税課税事業者を選択するのは、お客様(とくに事業者)から自らのサービスや商品を選んで頂くためだ。

今、私の眼前に営業マンの方がいるので、タクシー代の精算を経理に提出する場面をイメージして頂こう。

 

インボイス制度導入は今年の10月1日。

秋も深まる朝晩冷える折、会食終わりの22時頃、ほろ酔いで金沢駅周辺の居酒屋からタクシーに乗ったとしよう。

個人タクシーに乗った時、こう思う。

「あっ、個人タクシーか。ペイペイ使えるかな。富士タクシーなど大手会社はキャッシュレス決済が豊富だ。現金あったかな」と小銭入れに千円札数枚を確認し、暫し眠りにつく。

自宅につき、現金を払い(やはりペイペイなかった)、領収を頂き、そのまま鞄に入れ、翌日出社する。

領収書を添付して、経理に提出すると、インボイス対応していないと指摘される。

そういえば、3月初旬頃研修受けたけど、ツマラナイ内容で講師もイマイチだったから覚えていない。(此処自虐を入れてみる)

経理によれば、領収書の金額は2,200円。

10%の200円が消費税分だ。

この200円が消費税を納める時、計算上控除できないという。

より正確に言えば、制度開始から3年間は8割を控除できるので、160円消費税の計算上引ける。

 

仕訳(タクシーが課税事業者の場合)

(通信交通費)2,000 (現金) 2,200

(仮払消費税)  200

 

仕訳(タクシーが免税事業者の場合)

(通信交通費)2,040 (現金) 2,200

(仮払消費税)  160 ← 200×80%

 

経理は、精算の時に言うだろう。

面倒だから、インボイス対応しているタクシー会社に乗れと。

蛇足ながら、どこで見極めるかというと、インボイス番号が明記しているか否か。

タクシーから降りる際、酔っていても、キャッシュレス対応と併せて、先ずは領収書に番号が記載されているか確認しよう。

この領収書エピソードが語るように、インボイス対応していない事業者(今回の例はタクシー会社)はお客様から選ばれない。

まさに、インボイス対応は、事業の生死の分近点になります。

「20回大会後の中国はどこに向かうのか」<569>

金沢経済同友会主催の講演会で、ジャーナリストの富坂聰氏の講演を聴講した。

 

以下、要点のみ列挙します。

 

・日本の反撃能力と敵基地攻撃能力の具備は抑止力になるのか疑問。

いつの時点でボタンを押すのか。

戦略的思考と外交努力が重要。

 

・情報収集能力と判断能力こそが大切。

 

・北朝鮮の核ミサイルは日本全土を破壊できる能力あり。

 

・我々は片寄った情報に囲まれている。

アメリカ側に立つ人気の中国情報。

コロナ中国発症説や台湾攻撃説。

 

・日本がミサイル要塞化したら中国と対立する。

中国敵視はアメリカに喜ばれるが日本の未来に良くない。

アメリカは直接で無く、日本を盾にする。

外国での戦争パターン。

 

・キッシンジャーの大国論。

1、エネルギーは国家を制す。

2、食糧は人類を制す。

3、通貨は世界を制す。

 

・習近平は平和的に台湾統一を目指している。

中国人は中国人と戦わない。

 

・中国の軍事演習は外部勢力(アメリカ)と戦うため。

 

・アメリカはウクライナへの武器供与を公共投資と考えている。

 

・台湾の国民世論は中国統一に賛否両論の乱高下。

習近平は台湾のバランス感覚に期待している。

 

・日本は中国のEV(電気自動車)を輸入することになる。

高速道路に太陽光パネル、走りながら充電。

 

・中国中心の「上海協力機構」が勢力を拡大するだろう。

インドやロシアは経済目的で加盟。

今後、中南米やサウジが。

 

(写真)

1、NPO日本海国際交流センター総会(16日)。

2、熱海の碁苦楽会で牛栄子プロ四段より四子指導碁(17日~19日)。

3、金沢経済同友会で富坂聰氏の講演会(21日)。

4、三年ぶりに伊勢神宮で七人の侍の会(22日~23日)。

税務支援 2023

2月17日(金)、金沢市役所にて、北陸税理士会が金沢国税局から公募方式を経て受託した「無料税務相談」事業に従事して参りました。

 

この無料相談会は、税理士会の税務支援の理念に立脚し、相互信頼の上に立って実施するものであり、税理士の社会的使命を果たすとともに、その実施を通じて国民の税理士制度に対する一層の理解を深めることを目的に、税理士が行う税務支援施策の一環として実施するものです。

上記のような有難い文章を噛みしめつつ、9時から17時まで従事して参りました。

 

申告相談の他、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」を利用した代理送信業務もあり、日税連発行の電子証明書を利用して電子申告しています。

今回の9件すべてを代理送信いたしました。

9名の生活をヒアリングし、9名の人生で数値化できるものを電子申告しました。

 

今回の相談の中でもありましたが、公的年金等の収入金額の合計金額が400万円以下でかつ、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合に該当し、所得税の確定申告を提出しないことを選択する場合があります。

所得税が納税の場合にも、紙による提出にて、上記の文章が記載されている定型のハンコを確定申告書に押し、市民税の申告のみを選択するのです。

年金受給者の方達には、上記に留意しなければなりません。

 

年金受給者の他には個人年金のある方や、医療費控除など給与所得者の方も相談に来られておりました。

来年(2024年)も従事します。

「囲碁史上最年少タイトル者、仲邑菫三段」<568>

やった、ついにやった。

仲邑菫(なかむらすみれ)三段が史上最年少、13歳11ヵ月(中学2年)でタイトルを奪取した。

第26期ドコモ杯女流棋聖戦三番勝負第3局が2023年2月6日に日本棋院東京本院で挑戦者の仲邑が上野愛咲美女流棋聖を大激戦の末破り、初の戴冠を果たした。

局後、「頑張っていれば、結果は出るのかなと思いました」と声が弾んだ。

藤沢里菜女流本因坊のもつ15歳9ヵ月の記録を抜く快挙だ。

平成21年3月生まれ、大阪府出身。

日本棋院東京本院所属、31年入段(英才特別採用)、令和4年三段。

仲邑信也九段は実父。

インタビューで「碁の勉強はやりたくないときもあるけど、やらないと差をつけられので仕方ありません。

今後の目標は世界で戦える棋士になることです。」

 

中学2年生がタイトルホルダーになった!。

 

2019年7月に金沢で開催された「ジャパン碁コングレス2019in金沢」で仲邑菫初段(10歳)が世界トップ級の女流棋士・ゼイノイ九段(中国)と対局したことが思い出される。

無口な少女だった。

 

当時、彼女は韓国へ修行に行っていた。

 

今後の活躍が楽しみだ。

 

 

写真・・・

1、仲邑菫三段最年少タイトル記事。

2、2019年7月12日「ジャパン碁コングレス2019in金沢」の記事、私の外国人との対局写真。

TKC北陸会福井県支部での講師経験 2023

税理士登録したのは、平成17年(2005年)。

TKCに入会したのも同時期。

TKC会務に参画したのは、平成19年(2007年)。

企業防衛委員会の石川県支部の一員からTKC会務のキャリアをスタートさせた。

平成21年(2009年)に企業防衛委員会の石川県支部の委員長を拝命し、平成23年(2011年)にTKC北陸会の企業防衛委員長となり、理事に就任した。

平成29年(2017年)に石川県支部長を拝命し、翌年にTKC全国会の全国役員大会の実行委員長を務めたときは、「頼まれごとは試されごと」と腹を決めたことは記憶に新しい。

令和元年(2019年)に共済制度等推進委員長を拝命し、現在に至る。

 

想い起こせば、平成19年(2007年)にTKCイムズの薫陶を受けたのは福井県の松田一彦先生であった。

会務を通じた自己修練の大切さを説いて頂いた。

損得で動くのではなく、「自利利他」の本質を教示頂いた。

恩返しをするつもりで、講師を受託した。

DXは経営をリノベーションする 2023

過日、TKC九州会共済制度等推進委員会中小企業特別支援特別セミナーにてパネルディスカッションの講師を務めさせて頂きました。

パネルディスカッションの前に、基調講演として、独立行政法人中小企業基盤整備機構(いわゆる中小機構)中国本部の中小企業アドバイザー(経営支援)中村伸一氏より、「DXは経営をリノベーションする」と題した講演を聴く。

DXとは、デジタルでビジネスモデルを変革(トランスフォーメーション)すること。

トランス(Trans)なのに、なぜXなのか?

TransとCrossは同義語であり、Crossは視覚的にXだからということらしい。

 

DXのためには、先ずは業務フロー(流れ)を描き、視覚化する。

デジタル化するためには、デジタル化できる業務を浮かび上がらすことが肝要だ。

中小機構では「IT戦略ナビ」でデジタル化の課題の視える化が可能であり、デジタル化の突破口となろう。

IT戦略ナビ (smrj.go.jp)

実際に簡単な質問に答えていくと、必要なIT投資が明確化となるから不思議だ。

「課題の抽出」さえできれば、あとはITのプロに依頼すれば良いだろう。

 

ユニクロと旭酒造(獺祭)。

共通点として、山口県が本社であり、後継者が主体的にデジタル化でリノベーションした。

ここで、後継者が経営に参画するタイミングは、小規模企業共済加入の時期と軌を一にする。

平成23年(2011年)に共同経営者も小規模企業共済に加入することができるようになった。

今、後継者がDXを土台に事業拡大をしている地域が九州のようだ。

「ツギノ九州~継ぐモノたちのstory~」九州で活躍するアトツギたちによる「承継」と「挑戦」のストーリーをご紹介します (meti.go.jp)

DXに取り組もうとしている後継者。

経営参画する際、小規模企業共済にも加入してほしい。

「ときめきのとき」<567>

1月31日、金沢経済同友会の提唱で発足した「企業市民宣言の会」による集いに出席し、前文化庁長官の宮田亮平・国立工芸館顧問(日展理事長)の「ときめきのとき」と題した講演を聞いた。

金工作家としての作品が、「からしレンコン」とか「イルカでなくたたみイワシ」だとかの見方をされたエピソードを語り、「親しまれているからそれでいい。世の中に失敗はない」と。

三越本店玄関上部のエンブレム、東京駅の銀の鈴などは宮田氏の作品。

文化庁長官時代の2017年、世界遺産に登録された沖ノ島など「神宿る島」について自ら絵を描いてロビー活動を行ったと振り返る。

今年秋に石川県で開催される国民文化祭(いしかわ百万石文化祭)について、石川は文化、芸術に産業が結びつき、それを支える歴史もあると述べた。

最後に、自作の心構え「鼻歌まじりの命がけ」を披露。

肩に力を入れすぎると本来の力が出ないと語った。

 

写真

1、将棋王将戦、藤井聡太王将VS羽生善治九段(1/27)

2、はせ浩新年互礼会(1/28)

3、企業市民宣言の会・宮田亮平氏講演(1/31)

4、TKC北陸会賀詞交歓会(2/1)

5、金沢両輪会の新年会(2/3)

きんどん会新年会 2023

地域の経営者の集まりとして、ロータリークラブやライオンズクラブ、若い方だと青年会議所などがある。

こういう集いから人脈を醸成していくのだろう。

きんどん会もその一つではあるが、何のルールもない。

ただ、月に1回、ただただ隣の人と酒を交わし話すだけ。

 

先日は、久方ぶりに異業種交流会「きんどん会」に参加し、関係者にご挨拶致しました。

関係者とは、お客様の他、通っているスポーツクラブや仕立てて頂いている紳士服の代表者です。

その他に、会社社屋の別館を建築頂いた方もおります。

2003年の新年会を機に、お客様に紹介頂き、入会させて頂いた。

入会以来、ご縁が拡がり、改めてご縁に感謝する機会を得た。

「傘寿を迎える」<566>

2023年1月22日で80歳、傘寿を迎えた。

最近は生命と運命の不思議さを思う。

過去、10年毎の節目を振り返って見ると・・

 

・0歳(1943年)・・新潟県糸魚川市(現在)市振駅官舎(いちぶりえき)で生を受ける(父親が市振駅長)。

・10歳(1953年)・・新潟県上越市中郷区(現在)の中郷小学校(なかごう)四年生(父親が二本木駅長)。

・20歳(1963年)・・白山市「ニッコー(株)、1908年創業」の経理課所属二年目社員(父親が1954年に定年で故郷の白山市松任茶屋町へ)。

・30歳(1973年)・・白山市成町で税理士事務所開業。

・40歳(1983年)・・金沢市で(株)木村経営ブレーン設立。

・50歳(1993年)・・(株)北陸M&Aセンター設立(現、(株)木村事業承継ブレーン)。

・60歳(2003年)・・日本税理士会連合会副会長、北陸税理士会会長。

・70歳(2013年)・・国税審議会税理士分科会委員(国税庁)、(公益社団法人)日本医業経営コンサルタント協会会長。

・80歳傘寿(2023年)・・創業48年迎えるKKBグループ代表を退いて、会長職5年目。

今は余暇に趣味の囲碁とゴルフを楽しんでいる。

 

 

座右の銘は、23歳から税理士受験勉強を始めた「この道より我を生かす道はなし、この道を行く。」(武者小路実篤)。

迷ったときには、座右の銘を見つめ資格を取得した。

その文字が書かれた額皿は今も会社のヴィンテージルーム(会長室)に飾ってある。

 

22日、誕生日祝いのメッセージをフェース・ブックで全国から21名の方々からいただきありがとうございます。

 

昨年来、コロナウィルスと戦争に脅かされて繰り返される人類の歴史の渦中にあって、恩師や仲間と反面教師に磨かれて現在がある。

 

健康第一をモットーに、90歳(卒寿)を目差して日々過ごしていきたい。

 

 

写真・・・石川税理士碁友会の新年大会(19日)。

曼荼羅シート発表会 2023

毎年1月のルーティン行事である曼荼羅(まんだら)シート発表。今年もきっちり実施いたしました。発表時間は一人90秒。

 

50名程の曼荼羅シート。それぞれの個性がばっちり出てしまう。出すぎてします。

また、何を考えているかもわかり、同じチームとして一緒に仕事をしていくうえでこのうえなく貴重な資料となります。

 

夢を語れと問われた場合、多くの方は自分の願望を書き連ねます。

「お金持ちになりたい」から始まり、自分事のオンパレード。

自分の事しか考えていない場合、皆の協力を得られるとは思えません。

自分の以外の方の夢を叶えるという視点があれば良いと思います。

自分が先ずは与えるということ。

しかも、損得を考えずに。

 

私は、自分以外の事を多く、曼荼羅シートに書いているかを見て、その方の器を判断しています。

自分以外とは、家族や、部下や会社のこと。

そして、地域のこと。

「利他」とは、先ずは与えること。

与えられることを待っている人生よりも、与える方が多い人生は幸せであると思います。