金沢会計人 のすべての投稿

「人格能力の大切さ」<435>

騒動の発生には、決まって人間の言動が起因する。

その言動が社会と背反するため騒動が生まれる。

 

良い騒動なら歓迎だが、好ましからざる騒動は社会を不幸にする。

 

 

私が思う「あるべき姿」・・・1

 

「常識の上に教養があり、教養の上に専門的知識がある」。

 

北方領土は戦争で取り返すべきだと言った国会議員、常識はずれな発言なのに本人は可笑しいと思っていないらしい。

 

国会議員は、国民から支持された組織人格だ。

 

警察官は、入社した日から警察官という公務員。

 

これを制服論と言うらしい。

 

昨日まで学生でも警察官に採用されて制服を着たとたん、周りは警察官として接することになる。

本人の自然人格とは別である。

 

常識があっても、教養が無いと人間の幅が希薄。

教養があり専門的知識があると社会では重宝される。

 

しかし専門知識があっても教養がないと深みが無い。

また、教養があっても常識が無いと可笑しな理屈っぽい人間になる。

 

責任の重い公務員であれば始末に負えないし、高級官僚でも覚醒剤や麻薬所持の違反まで犯す。

 

自然人格は環境の中で適応して成長し指導的な人間になっていくが、それも止まった現時点の評価でなく、プロセスの中で評価されるべきと思うのである。

 

自己中心者→自立準備者→自立者→指導者→開拓者→感化者

と人間は成長する。

 

自分は優秀などと思い上がる寂しい自己顕示欲人間になりたくないものだ。

 

 

私が思う「あるべき姿」・・・2

 

「人格能力・職務能力・資格能力は別である」。

 

私が肝に銘じている考え方であり、これまで経験した実感からもうなずける。

 

国家資格や高学歴など、専門的資格や経歴があるからと言って人格者であるはずも無く、良く仕事が出来るからと言って人格者でもなく、人格者だからと言って、必ずしも資格や職務能力がある訳でもない。

 

資格があるから良い人間であるはずも無く、資格の業界では、常に懲戒処分者が出ているのが実態である。

 

資格者や職務能力の高い人は孤高である。

孤独な故に、人間力が伴わないと他人に対して批判的になったり排他的になる。

 

では、どう捉えたら良いのか。

 

私は、職務や資格が関わるプロセスの中で自己の人格能力を錬磨することこそ最も大切だと考える。

 

むすびに。

 

平成11年まで箱根山中で開催されていた行徳哲男先生の4泊5日「BE研修」という、理性の殻を破り実相に気付く感性研修プログラムを受けたことがある。

 

そこで感銘を受けた言葉が今でも私の中に生きづいている。

 

「本当の勇気とは優しさである」。

 

 

写真・・・ハマナス(5/14、鞍月セントラルパーク)

STLOWS誌100号企画推敲中 2019

税理士法人木村経営ブレーンでは、ご縁を頂いた方に当社の情報誌を年に3回(新春、新緑の季節、秋)配布しております。

 

97号(2018年秋号)からプロの方に依頼して作成しております。写真は97,98,99号の3作です。いずれも、ご縁を頂いた方との対談方式となっております。

 

それまでは自社の手作りで作成していました。それはそれで味のあるものではありましたが、プロの創作物はさすがに質が異なります。

 

次回の秋号が記念すべき100号。これから誰と対談をするか企画を練っております。

 

「流転の海」完読 2019

ゴールデンウィーク中から、宮本輝氏の「流転の海」を読んでおりました。

宮本輝氏の父であろう主人公の生き様と言葉に圧倒される。

 

「自分の人生に、目指すべき大きな目的を持っていない人間の自尊心を傷つけてはならないのだ。釈迦が、提婆達多を人前で恥をかかせ、とりわけ強固な自尊心をあえて傷つけたのは、大目的に向かうために、提婆達多という人間を鍛えなければならなかったからだ。・・・」(宮本輝氏「流転の海 第四部 天の夜曲」より抜粋)

 

主人公が何度か相手の自尊心を傷つけたとき、相手は必要以上に逆恨みをし、主人公の周囲を混乱させた。相手に自身以上の目的がないとわかった場合、絶対にその相手の自尊心を傷つけてはならない。

自身が目指そうとしているものが大きければ大きいほど、自分の自尊心などは取るに足らないものになっていく。

この明確な規範。私の五臓六腑に染み渡りました。

 

流転の海は全てで9巻。過日、完読して再読中。

完読した時は放心状態。読後いわゆる「流転の海ロス」であったものの、今、再読しながら流転の意味を考えております。

 

「仮想通貨の利益も課税」<434>

平成31425日、平成最後の北國総研ビジネス懇話会の例会で「仮想通貨と税務」と題した金沢学院大学経営情報学部・土屋雅一教授の講演を聴講した。

 

土屋教授は千葉県出身で昭和57年に国税庁に入庁してから国税当局に30年勤務されていた。

昨年9月から現職。

 

 

昨年5月期に無登録で仮想通貨の換金を代行していた東京の業者が、2億円の所得隠しを国税庁に指摘された事例を紹介して、今後は無申告者に対する調査が増えると話した。

 

ビットコインは法的位置付けに関わらず、取引によって得られた利益は所得税の雑所得対象になると指摘した。

 

インターネット上の仮想通貨であるビットコインは、2013年からマスメディアなどで本格的に取り上げられるようになってきた。

 

20166月にビットコインなどの仮想通貨に係る改正資金決済法が公布され、20174月に施行された。

 

20179月にビットコインを使用することにより利益が生じた場合の所得税の課税関係について国税庁のタックスアンサーに掲載された。

 

20183月に企業会計基準委員会から仮想通貨に係る会計上の取り扱いに関する指針が公表された。

 

1単位のビットコインは連続するデジタル署名されたデータのチェーンとして定義される。

 

数百個程度の取引の記録をブロックという単位でまとめられる。

 

新しいブロックを発見したユーザーには報酬として新たなビットコインが与えられる。

その採掘に成功してビットコインを報酬として得ることを採掘と言い、採掘に参加するユーザーを採掘者という。

 

新たに採掘されるビットコインの数量は、210,000ブロックが採掘される毎に半減されるシステムとなっており、無限等比級数を構成し、2140年に限度額(2100BTC)に達することになっており、現在の流通量は約1700BTCであるとのこと

(難解ですね)

 

2017年度税制改正において消費税は非課税とされた。

 

講演の最後に、司会者より質問の機会を頂けたので、私から、「ビットコインを購入する目的は何なんでしょうか」と質問。

先生からの回答は、「法定通貨はインフレに弱い、ビットコインはインフレに強いから貯金に適しているからでないか」とのこと。

 

ビットコインは取得に時間がかかるから日々の取引には適さない。

 

私が考えるに、仮想通貨は幾何学的で限定的だから、マーケットも法定通貨より狭いから、ユーザーから見ると時価は堅実に上昇すると考えるのかも知れない。

 

通貨も国境を越えて、仮想の世界に存在する時代になったのである。

 

(追 記)

土屋教授に聞いた個人的な話。

金沢学院大学大学院で税理士試験免除の恩典のある、税法コースには9名が在籍し、会計コースはゼロだそうだ。

 

 

写真・・・ 講演記事(4/26北國新聞) 、倶利伽羅不動寺御朱印(5/1)

 

金沢城リレーマラソン参加 2019

5月12日(日)に金沢城リレーマラソン(ハーフ)に参加いたしました。

9人×2チーム(18名)で参加し、完走できたとのこと。

今回、税理士法人木村経営ブレーンのTシャツを全員分作成し、着用して有志18名がマラソンに臨みました。

30秒CMにも参加をさせて頂きました。

今回のマラソン参加やTシャツ作成。

すべて社員からの提案。

自ら創造できる社員の育成が経営の要諦と心得ておりまして、今回のマラソン参加は嬉しい出来事でありました。

 

「新元号・令和と万葉集」<433>

5月4日に、新元号「令和」の考案者との見方が出ている高志の国文学館長・中西進氏の「万葉集とその未来」と題した講演を富山国際会議場で拝聴し、その足で初めて富山市郷土博物館(富山城)や富山市佐藤記念美術館、さらに高志の国文学館を見学した。

 

「令和」の出典は、奈良時代の日本最古の歌集、万葉集巻五「梅花の歌三十二首」序文。

「初春令月、気淑風和・・・」

(初春の令月にして、気淑く風和らぎ・・・)。

 

この歌群は、天平2年(730年)1月、大宰府で大伴旅人(おおとものたびと)が主催した「梅花の宴」で詠まれました。

序文は宴の行われた初春の美しい気候を描きながら、これから仲間とともに詩歌を楽しもうとする心を述べたもの。

 

「令和」の直接の由来となった部分には、和やかでうるわしい初春を迎えた喜びが表れています。

 

中西氏の講演を聞いたメモからキィーワードを列挙します。

 

中国の漢文は儒教のテキスト

天皇一代一元は日本だけになった。

 

元号は国民の希望として掲げている

 

アジアの精神・・インドはパトス、中国は善、日本は民族性・エトス

 

日本は独自の和歌を生む

和歌は文化を紡ぐ言葉

令和は和歌の精神

 

哲学は自然の中にある

未来の夢に込められたもの

 

聖徳太子の憲法、「和をもって尊しとなす」は日本の根本精神

 

大伴旅人の嫡男・大伴家持(おおとものやかもち)は万葉集に最多の473首の歌を残した歌人で、その約半数の223首を国守として赴任(天平18年746年~5年間)した越中(今の富山県)の地で詠まれた。

富山県とりわけ高岡市は万葉集ゆかりの地と言える。

 

令和は「梅花の歌三十二首」の序文から考案された。

この歌群は、天平2年(730)1月、大宰府で大伴旅人が主催した「梅花の宴」で詠まれた。

旅人は翌年の天平3年に67歳で没している。

 

嫡男・大伴家持は梅花の宴が行われた当時、13歳頃だった。

 

家持は平安時代の和歌の名人「三十六歌仙」の一人です。

 

高志の国文学館で、「大伴家持・生誕1300年記念企画展」が開催されていて、現代を代表する日本画家・洋画家たちが家持の歌をモチーフに描いた絵画を鑑賞した。

 

元号の文化を感じるひとときでした。

 

 

写真・・・講演の富山国際会議場と高志の国文学館での大伴家持像

本質を捉える思考の方法 2019

私の所属しているSTLOWS倶楽部の会員にある一冊の本を贈りました。その送り状を紹介いたします。

 

山口揚平氏の「1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法」を拝読致しました。

 

文字のない狩猟時代にも道具があったように、現在にも思考の道具が必要です。2017年に京都大学EMBAでも学習したツールが平易に説明されています。

 

44にも及ぶ図を眺めるだけでも価値のある本です。本質を捉える思考の方法が何通りもわかりやすく解説されています。

細切れ時間で、適当に開いたページを5分間だけ読むだけでも、自身の思考が整理される不思議な本です。

単なるグーグルやヤフーの検索による情報収集から何段階もレベルが上がるような感覚でしょうか。

著者は、極力情報を絞り、思考に注力をしており、言葉の1つ1つの迫力があります。また、未来に関する仮定もかなりあり、ご自身の思考による事業の創造の一助になれば幸いです。

バースデーカード 2019

令和元年の5月5日(日)、49歳となりました。

当税理士法人では、社員全員の寄せ書き入りのバースデーカードを該当者に朝礼時に渡すことにしています。私の入社以前からの毎年のポジティブなルーティン行事です。

「思いの視える化」の慣習。

今年も、私への期待やメッセージにマーカーを引いて眺めていました。改めて、たくさんの人に支えて頂いていることを実感しています。

 

これからも若い人を育成しながら、会社を通じて社会貢献していきたいと思います。

 

 

追伸

この連休中、宮本輝氏の「流転の海」を読んでおりました。戦後の大河小説。全部で9巻と読み応えがあります。

「平成から令和へ」<432>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平成の元号は終わったが、30年を超える元号は歴史上4番目の長さだそうだ。

 

令和に引き継がれる平成の30年間は、私の46歳から76歳のときにあたる。

平成時代の私はホームページのプロフィールを見ていただくとして、ここでは30年間の世の中の動きを振り返ってみたい。

 

 

元年(1989年)1月8日~…美空ひばり死去(6月)、天安門事件、参議院選・与野党議席逆転、消費税が3%で導入、ベルリンの壁が崩壊

 

2年(1990年)…バブル経済が崩壊

 

3年(1991年)…ソビエト連邦がロシア連邦に、湾岸戦争が勃発、人類が初めて100㍍送で10秒を切る

 

4年(1992年)…PKO協力法案成立しカンボジアへ、長崎県・普賢岳火砕流

 

5年(1993年)…自民党分裂し細川連立内閣成立

 

6年(1994年)…松本サリン事件、北海道東方沖地震

 

7年(1995年)…阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件、PHS販売開始

 

8年(1996年)…原爆ドームが世界遺産に登録

 

9年(1997年)…北海道拓殖銀行破綻、山一証券廃業、消費税が5%に、ダイアナ妃(36歳)が交通事故で亡くなる、

 

10年(1998年)…長野オリンピック男子スキージャンプ団体で金メダル

 

11年(1999年)…男女共同参画社会基本法公布、国旗・国歌法が成立

 

12年(2000年)…三宅島・雄山が噴火

 

13年(2001年)…9・11米国同時多発テロ事件、米アップル「ipod」発売

 

15年(2003年)…イラク戦争・フセイン体制崩壊、オレオレ詐欺が流行、新一万円札など発行

 

16年(2004年)…日朝首脳会談で拉致被害者が帰国、新潟県中越地震、「冬のソナタ」がブーム

 

18年(2006年)…愛国心盛り込んだ改正教育基本法成立、トリノ冬季五輪で荒川静香が金、男子の皇族41年ぶりに悠仁親王誕生、米アップル「IPhone」を発売

 

19年(2007年)…能登半島地震、新潟県中越沖地震

 

20年(2008年)…リーマン・ショック「米証券4位リーマンブラザースが破綻」、後期高齢者医療制度が始まる

 

21年(2009年)…民主党が総選挙大勝し鳩山内閣が成立、裁判員制度スタート、オバマ・第44代米大統領に就任

 

23年(2011年)…東日本大震災発生

 

24年(2012年)…東京スカイツリー開業

 

25年(2013年)…富士山が世界文化遺産登録

 

26年(2014年)…消費税が8%に

 

27年(2015年)…安全保障関連法が成立、18歳選挙権成立、マイナンバー制度が導入

 

28年(2016年)…熊本地震、米大統領選でドナルド・トランプ当選、囲碁の井山裕太棋士が七冠達成、ポケモンGOが大ヒット、リオ・オリンピック

 

29年(2017年)…中学生プロ棋士の藤井総太四段が前人未到の29連勝達成、羽生善治棋聖が史上初の永世七冠に

 

30年(2018年)…南北首脳会談、米朝首脳会談

 

31年(2019年)…4月30日・明仁平成天皇の退位

 

 

平成の30年間には、自然災害が多く発生したが、令和には「人々が美しく心寄せ合う中で文化が花咲かせる」の意味があるとのこと、平和で平穏な時代であって欲しいものだ。

 

 

写真…石川県庁の桜(4/18)

幹部人事の要諦の一考察

事業承継が日本経済の喫緊の課題と言われて久しい。

課題を抱える経営者のために、事業承継相談の現場にて質問の多い幹部の承継についての一考察を紹介したいと思います。

 

「社長が判断すべき重要人事」((日本経営合理化協会)東川鷹年著を参考に致しました。

 

同じ仕事を同じ人が長期間行っているとき、主に二つの問題が生じるので、同じ人に同じお客様や取引先、仕事を長く担当させないことが肝要です。

 

1.人事を固定化すると組織がマンネリ化する。

5年目以降から、ここで何をすれば良いか、逆にここで手を抜いても大丈夫ということまで、すべて仕事の要領がわかります。担当幹部の成長が仕事のマンネリ化のために止まってしまうことに留意します。

会社の成長が担当幹部の成長に依存してしまうことが最大の機会損失。マンネリ化があると判断した場合、幹部は兼務で別の仕事を担当して頂く。その際、会議では声の大きな幹部の意見が通る可能性があるので、意見は聞くが重要人事は社長決裁で判断する。

 

2.権威を張る人に仕事をつけた場合の将来リスク

「私を外すと、売上が下がりますよ」と将来、社長や役員を脅す幹部の出現の可能性があり、二頭政治などの大きな問題に発展する場合があります。

この言葉は、お客様や取引先を会社と共有することなく、また、部下育成の着眼もなく、ただ、すべて個人の利益(給与)のみを考えてきた証左であり、完全なる個人事業主の発想に出るものでしょう。

将来、話し合いを前提として、個人事業として独立させるなど、委託契約で出来高に応じた報酬を支払うなど検討したほうが良いでしょう。

権力を持てば持つほど謙虚になることが大事です。お山の大将タイプや権威を張る幹部は、権力で部下を動かすことはできても、部下を活かして使うことはできないでしょう。性格的に傲岸なところが有る場合、専門職にして部下をつけないようにするないしは子会社の責任者にするなど本人の適材適所を考えましょう。上級幹部ないし役員候補の日常の言動を注意深く観察するとともに、経営者の要諦を研修する必要があるでしょう。

 

以上、幹部承継の生々しい一考察でした。幹部承継の際の参考になれば幸いです。ただし、こういう後ろ向きになりそうなことは、過去の恩を決して忘れることなく個人の幸せを勘案しつつ、しかしながら、サラッと実行してしまえば良いかと思います。大事なのは、会社発展のために、前向きなことをじっくりと考えていくことだと思います。