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  • 「利益相反行為とは」<359>

    2017.04.25
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    利益相反行為(りえきそうはんこうい)とは、「ある行為により、一方の利益になると同時に、他方への不利益になる行為である。」

    利益相反行為はそれ自体、必ずしも法令違反とはなりませんが、しかし、利益相反により顧客の利益が不当に害された場合は、社会からの信頼を損ねます。

    会社は適切なマネジメントを導入し、常に組織としてふさわしい社会的信頼を確保しなければなりません。

     

    1、法人における利益相反行為

     

    社団法人・財団法人の理事や役員、株式会社の取締役・執行役、持分会社の業務執行社員等(以下「理事等」という)が、これらの行為をすることは、法人と理事等の利益が相反する可能性があるため、利益相反行為に対して各法令で規制されている。

     

    理事等が、法人との競業行為や直接または間接の利益相反取引を行う場合は、一般社団法人においては社員総会または理事会、一般財団法人においては理事会、株式会社においては株主総会または取締役会、持分会社においては他の社員全員(競業取引)または過半数(利益相反取引)の承認を得なければならない。

    一般法人法…84条、197条。

    会社法…356条、365条、419条2項、594条、595条。

     

    学校法人やNPO法人・医療法人では、法人と理事の利益が相反する事項に関して理事は代理権を有しておらず、この場合、所轄庁や都道府県知事が特別代理人を選任しなければならない。

    その他の法人に関しても、これらと同様の制限が存在する。

     

    私立学校法…第40条の4。

    特定非営利活動促進法…第17条の4。

    医療法…第46条の4。

     

    利益相反行為は次の行為のこと。

     

    イ、競業行為

     

    理事等が、自己または第三者のために、法人の事業の部類に属する取引のこと。

    「競業避止義務」

     

     

    ロ、利益相反取引

     

    (イ)、直接取引

     

    理事等が自己または第三者のために法人と取引をすること。

    このうち、自己のためにする場合を自己取引という。

    理事等が法人に物を売るような場合などで、理事等の利益(高いほうが利益)と法人の利益(安いほうが利益)が相反する。

     

    (ロ)、間接取引

     

    理事等が自己または第三者のために、理事以外の者との間において、法人と理事等の利益が相反する取引をすること。

    この場合、法人側を代表する理事等は、利益が相反する理事自身でなくても該当する。

     

    2、理事等の法人に対する損害賠償責任

     

    (1)、承認を得ないで行われた利益相反取引によって法人に損害が生じたときは、任意懈怠があったとして、理事等は法人が負った損害について賠償責任を負う。

    一般法人法…第111条第1項。

    会社法…第423条第1項。

     

    (2)、承認を得て行われた利益相反取引によって法人に損害が生じたとには、自ら取引を行った理事等のみならず、承認の決議に賛成した理事等もその任務を怠ったものと推定される。

    一般法人法…111条第3項。

    会社法…第423条第3項。

     

    (3)、直接取引のうち、自己のために行った取引(自己取引)については、任意懈怠につき帰責事由がなくてめ、理事等は責任を免れることができない

     

    一般法人法…116条。

    会社法…第428条。

    3、民法上の利益相反行為(法人ではなく個人の場合)

     

    (1)、代理人の利益相反行為。

    民法…第826条。

     

    (2)、親権者・後見人の利益相反行為。

    民法…第860条。

     

    4、職務上の利益相反行為

     

    分かりやすく言うと、依頼者から業務依頼があった場合、中立の立場で仕事を行わなければならない者が、自己や第三者の利益を図り、依頼者の利益を損なう行為のことである。

    例えば、行為者Aが、ある会社Bの社員(役員・従業員)でありながら、Bの競争相手である会社Cと関係を持ち、何らかの形でAとCが利益を得ると共に、Bが不利益を被るようなことになる行為を言う。

     

    業務上横領罪…刑法254条。

    法定刑は10年以下の懲役。

     

    背任罪…刑法247条。

    善管注意義務(善良なる管理注意義務)…民法400条。

     

     

    5、不正の発生要因と防止

     

    ・報告連絡相談の徹底。

    単独行動や秘密裡な行動には要注意。

    個人の利益を優先している畏れある。

    予防策として複数担当制や定期の担当交代制を導入する。

     

    ・会社のルールを軽んじる傾向にある者に注意する。

    個人主義が強く、不正が潜在化する可能性高い。

     

    ・生活が乱れ経済的に困窮していたら要警戒。

     

    ・特定のステークホルダー(利害関係者)との無届け飲食や私的交際。

     

    ・身辺が乱雑で、だらしなく、態度が横柄で批判的である。

     

    ・清掃・整理整頓・時間にルーズ。

     

    (むすびに)

     

    利益相反行為は人の道義的感覚が欠如していることに起因する。

    法令に違反するしないの前に、理事等の登用にあたっては能力もさることながら人格本位で選任するのが大切だ。

     

    写真…チューリップなど:鞍月セントラルパーク(4/16)

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