金沢会計人 のすべての投稿

「歎異抄(たんにしょう)ってなんだろう」<542>

アマゾンで高森顕徹監修の表題本が目に付き、取り寄せて読んだ。

 

「やがて死ぬのに、なぜ生きるのか。」

この人生の根源的な問いに答を示したのが歎異抄だ。

 

約700年前、親鸞聖人の教えを唯円という弟子が書いた書。

親鸞聖人の没後に教えと異なる解釈が言いふらされたのを正すため歎異抄と名付けられた。

 

登場人物を見る。

 

・釈迦(しゃか)

今から約2600年前、インドのカピラ城主浄飯王(じょうぼんおう)の長男、シッタルタ太子。

どんなに健康、財産、地位、名誉、才能に恵まれていても、所詮、老いと病と死によって、やがて見捨てられる時が来る。

どんな幸福も続かないことを知った太子は29歳の時に難行苦行に身を投じて6年、仏という無上の悟りを開かれた。

80歳で亡くなり、釈迦の弟子は7000巻に及ぶ「一切経」を書き残す。

 

・親鸞聖人(しんらんしょうにん)

約850年前(1173年)平安時代の末期に京都で藤原有範・吉光御前の子として生まれる。

幼くして父母に死別し、9歳の時に青蓮院(京都)に出家。

親鸞は、すべての人がかかる「死後が暗い心の病」を生きている時に完治できる法を説く。

 

・蓮如上人(れんにょしょうにん)

親鸞聖人の教えを、ひたすら伝えられた室町時代の僧侶。

「南無阿弥陀仏はたった六字だが、万人を無上の幸福にする無限の力がある」と。

 

司馬遼太郎が「無人島に1冊の本を持っていくとしたら歎異抄だ、13世紀の文章の最大の収穫の一つは親鸞の歎異抄にちがいない」と語っている。

 

西田幾多郎も東京が空襲に遭った際に「一切焼け失せても歎異抄が残ればよい」と伝えている。

 

 

 

写真・・・「なおき会」臨時総会。(5/21)

きんどん会 2022

経済活動が徐々に戻りつつあることを実感しております。

会食も増えて参りました。

先日は、久方ぶりに異業種交流会「きんどん会」に参加し、関係者にご挨拶致しました。

関係者とは、お客様の他、通っているスポーツクラブや仕立てて頂いている紳士服の代表者です。

その他に、会社社屋の別館を建築頂いた方もおります。

2003年の新年会を機に、お客様に紹介頂き、入会させて頂いた。

入会以来、ご縁が拡がり、改めてご縁に感謝する機会を得た。

きんどん会は、今年で30周年を迎え、今回は30周年記念式典であった。

2003年の新年会から、はや20年。

来月からの例会にも参加しようと思う。

ホームページ 2022

過日の幹部会議にて、当社のホームページが2つあるとの指摘があり、驚く。

聴けば、タウンページの広告サービスで、当社公式ホームページへのアクセスが増えるような仕組みの一つだという。

そのホームページはこちら。

木村経営グループ|金沢市|事業継承|相続 (kimura-keiei.com)

確かに、「金沢 税理士」などと検索すると、公式ホームページより、このサイトが出てくる。

 

当社には委員会制度があり、広報は広報委員会がその役割を担う。

2000年代のホームページについては私が作成していたものの、2020年代くらいになると、委員会主導で作成している。

委員会自治で結構なことだ。

 

組織は、変えていかないといけない。

人と同様、死に向かっている。

変えないと続かないと常に肝に銘じております。

「第77期本因坊戦第1局」<541>

本因坊文裕(32)=井山裕太九段=に一力遼棋聖(24)が挑戦する第77期本因坊決定戦七番勝負第一局が、5月10日~11日に金沢市の金渓閣(尾山神社)で開幕した。

文裕は前人未到の11連覇を目指す。

一方、初挑戦の一力は棋聖に続く3大タイトルの本因坊を狙う。

本因坊のほか、名人、王座、碁聖の4冠を保持する文裕と、序列1位の棋聖を持つ一力との対決はまさに「頂上決戦」で、今後の囲碁界のすう勢を占う注目のシリーズとなる。

 

本因坊戦は、石川県では2009年に辰ノ口温泉「まつさき」、2011年に粟津温泉「法師」で開催されたが、金沢市では初めての開催である。

 

金沢市には初代本因坊算砂が1617年(元和3年、58歳)に加賀藩の寄進で建立した本行寺(日蓮宗)が本多町にある。

本行寺は3度の火災で焼失し、現在の建物は1903年に再建されたもの。

 

算砂は大阪夏の陣による豊臣家滅亡の後、1615年(56歳)に加賀藩3代藩主前田利常の碁の指南役を3年間務め、本行寺を建立してから1617年に京都へ帰りました。

京都の寂光寺に墓所があります(享年65歳)。

 

9日に両対局者は本行寺を訪れた後、対局場を検分する。

 

私は碁盤を提供するため9日午前中に磐石を金渓閣へ搬入する。

10日の対局開始時には立会人として参席した(写真)。

 

対局は歴史に残る激闘で、終局時間は11日午後9時34分。

結果は本因坊文裕の黒番半目勝ち(コミ6目半)となった。

357手は本因坊戦史上最長手数(過去は2007年の343手)で「碁石が足りなくなるのではないか」と心配の声が出る。

(実際には白黒合わせて361個以上有り、盤上を埋めるだけあるので足りなくなることは無い。劫が重なって石が無くなった場合はアゲハマを同数交換すれば良い。)

控室の解説陣や記者からは「レベルの高い、ものすごい戦いだった」「こんな対局は見たことがない」との言葉が漏れた。

 

参加棋士は羽根直樹九段(立会人)の他、小林覚九段、高尾紳路九段、後藤俊午九段、山城宏九段、小県真樹九段、榊原史子六段、佃亜紀子六段と豪華な顔ぶれ。

 

大盤解説会は11日に金沢ニューグランドホテルで開催され、解説担当の山城宏九段に聞き手は佃優子石心席主(姉)と佃亜紀子六段(妹)の姉妹が登場した。

 

私は大盤解説会と打ち上げ会に参加したあと家に帰ったのは午前0時を回っていた。

 

 

写真・・・本因坊戦初日の対局開始時、左から7人目は私、左から9人目は前田家18代当主の前田利祐(としやす)氏。(5/10)

バースデーカード 2022

今年の5月、おかげさまで52歳の誕生日を迎えることになる。

思えば、遠くへ来たものだ。

会社の慣例として、全員からの寄せ書きスタイルの「バースデーカード」を頂く。

各人のコメントに個性が出て、毎年読むのが楽しみだ。

先日、朝礼時にこのカードを頂いた折、皆様にこう挨拶させて頂いた。

 

「52歳となりました。

皆様との信頼関係の構築なくして

事業の発展はないと思います。

日々の言動に留意して参ります」と。

 

私は、事業崩壊の原因は外部環境ではなく、内部環境にあると考えています。

経営者の傲慢さが、崩壊の原因と本気で考えています。

これからも、「下を見ろ。俺がいる。」との考えで、お客様からのクレーム対応から何から引き受けて参りたいと思います。

この度は、誠にありがとうございます。

「最高裁の相続税課税判決」<540>

4月24日の日本経済新聞「社説」を引用して考える。

 

高額なマンションを借金して買ったうえで、実勢価格より低い路線価で税務申告し、納める相続税を大幅に減らす。

このような節税策が認められるかどうかが争われた訴訟で、4月19日に最高裁が「税負担の公平に反する場合は節税対策は認められない」とする判決を出した。

相続に広く影響する判決として関心が集まり、裁判所が節税の範囲と公平性のバランスをどうとるかが焦点だった。

相続税の算定には通常、国税庁が公表する路線価が使われる。

ただ公表は年に一度だけで、実勢価格が一気に上がる場合などは実態から大きく乖離しやすい。

問題となった不動産も、購入価格が約13億円だったのに対し、路線価に基づく評価は約3億円だった。

借入も加味した申告納税額は「0円」。

国税側はこれが過度な節税に当たるとみて、資産価値を国税が独自に再鑑定できる例外規定を使って追徴課税した。

最高裁は、今回の事例は相続財産の価値を圧縮しすぎており、見過ごせない不公平だと判断した。

注目したいのは、勝訴した国税側にも、特定の人を狙い撃ちして例外規定を使うのは「合理的理由がない限り平等原則に反する」とした点だ。

納税者と国税の双方にくぎを刺したといえる。

この例外規定は適用基準が曖昧との批判が根強かった。

路線価が実態とずれている点も混乱の原因だ。

路線価以外の新たな物差しを考える必要もあろう。

公平で明快な課税は国の根幹である。

最高裁の指摘を踏まえ、国税当局は、納税者にとって透明性の高い相続課税の仕組みづくりを進めるべきだ。

 

「伝家の宝刀」とも呼ばれる「財産評価基本通達6項」が裁判ではその是非が問われた。

 

しかし、その公平性を担保する明確な規定づくりが難しいのが現実だ。

 

 

写真・・・囲碁フェスタで羽根彩夏プロ初段より指導いただく。(5/1)

風と緑の楽都音楽祭 2022

初めて、「いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭」に行って参りました。

「作曲家たちのひらめき大会」という企画を堪能しました。

加羽沢美濃氏(女性)の司会が非常に参考になりました。

気難しい作曲家3名を女性のしなやかさで切り盛りしておりました。

起承転結でいきますと、先ずは自己紹介。

それぞれの作曲家の特徴を上手く引き出していた。

これが意外と難しくて、親しければ突っ込めるが、親しくないと距離感が難しい。

ある作曲家をいじって笑いを誘っていたが、なかなか卓越したスキルがないと笑いは生じない。

観客席との間合いもきちんと詰めていたところにセンスを感じる。

この「起」のところで、企画の成功を確信する。

 

会計事務所も、毎月、お客様のところに伺い、決算書を通じて、事業経営の結果を表現しております。

地道な毎月の報告が、お客様との絶大なる信頼感関係を構築できるか否かを決する。

決算書説明の表現力をいかに高めていくか。

説明には的確な比喩が重要であり、いくら会計や税法の学習をしても、上手くならない。

基礎的な学習の他にも、音楽や芸術に触れる機会を増やそうと思う。

そんな1日でした。

「ヒューマン・エイジ人間の時代~さらなる繁栄か破滅か~」<539>

24日の「NHKスペシャル」を見て、SDGsの重要性を痛感する反面、限りある人生の中にあって争いの虚しさ。

この特集は2025年まで続けられる。

 

今年、人類の火星移住計画を目指して、最新の巨大ロケットでまずは再び月を目指す。

地球誕生は45億年前、生命誕生は40億年前、ホモサピエンス人とネアンデルタール人の誕生は30万年前、6万年前にアフリカから地球に広がって以来、驚異的な速さで技術革新を繰り返し、繁栄を極めるに至った人間。

しかし、その強大な力は、人間同士が殺し合う戦争や地球環境の深刻な破壊をも招くという矛盾を生んでいる。

 

・2022年3月17日にアメリカのNASAが月に向けロケット発射、2040年に人類を月に送る計画。

 

・人類の実現力は凄い。

5500万年前にクサビ文字が誕生し加速。

 

・1980年代に3Dプリンターの発明で更に発展。

 

・未来を夢見て、試行錯誤の失敗を重ねて実現する人類の集団能力。

 

・エジプト文明やギリシャ文明など、どんな文明も滅亡を繰り返してきた人類の宿命。

 

・滅亡の原因は地盤沈下と自滅。

人類は過信し過ぎて警戒を怠る。

過去、250の文明は戦いで経済悪化し都市が崩壊に繋がった。

 

・2050年には地球人口は100億人となる予測。

新たな大量絶滅が起きると。

 

・気候変動など地球上の生命を脅かすリスクが大きくなっている。

 

・科学技術の進歩に倫理観が追い付いていない。

 

・滅亡と再生は文明のセットになっている。

 

今起きているロシアのウクライナ侵攻は滅亡現象の一つかも知れない。

 

 

写真・・・1984.3~2001.9までの17年半住んだ金沢市高尾の懐かしい旧自宅。(4/23)

「2022年4月から中小企業にもパワーハラスメント防止措置の義務化」<538>

パワハラの代表的な言動に、6つの類型があります。

 

1、身体的な攻撃・・暴行や障害

2、精神的な攻撃・・人格を否定するような言動、名誉毀損や侮辱、暴言など

3、人間関係からの切り離し・・仲間外しや無視など、職場での孤立を招くもの

4、過大な要求・・業務上不要なことや不可能なことの強制

5、過少な要求・・程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと

6、個の侵害・・私的なことに過度に立ち入ること

 

職務が上位の者による言動などが典型的ですが、同僚や部下による言動であっても、当該者の協力を得なければ業務が円滑に遂行できない場合も該当します。

 

中小企業の対応策は

 

1、パワーハラスメントの定義を正しく理解する

2、就業規則に規定し周知する

3、パワハラの方針や発生原因について研修や講習等を実施する

 

パワハラの相談があった場合の対応

 

1、事実関係を迅速かつ正確に把握する

2、被害者への配慮を行う

3、行為者への処分を行う

4、再発防止策を講じる

5、プライバシーを保護する

6、相談による不利益な取り扱いをしない

 

 

困ったら、社会保険労務士・労働委員会・弁護士に相談する。

義務化ですから罰則はありません。

 

パワハラは精神的なストレスをもたらします。

パワハラ防止法の改正を受けて、パワハラに関連する精神障害に関する労災認定基準も明確化されました。

 

パワハラに限らず、精神障害による労災認定の件数は年々増加しています。

 

職場では上司・部下、先輩・後輩の関係で会社の方針にしたがい勤務する過程で人間関係の摩擦が生じるときもある。

 

パワハラは、お互いの信頼関係とコミュニケーションが欠如した時に起きるのです。

 

報告・連絡・相談とともに、ビジネスマナーや規則の遵守がパワハラの抑止になります。

 

 

 

写真・・・石川県庁の桜(4/11)

電力システム改革 2022

はじめに~送配電分離

大手電力会社が日本の経済を支えてきた。

北陸ならば北陸電力が北陸経済のインフラとして機能している。

電力は社会のインフラであるから、安定供給が前提です。

国が主導して、電気料金を市場原理に委ねる目的で「電力システム改革」が粛々と実行されている。

消費者の選択肢と企業の事業機会の拡大を意図しています。

先ず「発電」と「小売」が自由化され、2020年4月に「送配電」が分離された。

北陸電力であれば、北陸電力送配電株式会社が設立された。

 

電力小売の自由化に伴う新電力会社の乱立と淘汰

「電力システム改革」の意図どうり、新電力会社の提案する電力料金は大手電力会社より安い場合が多い。

そこで、新電力会社に乗り換えた企業も多いであろう。

従前より独占企業であった大手電力会社しかなかった状況から一気に選択肢が増えたわけだ。

2016年4月に電力小売りの全面自由化が始まって以降、異業種などから参入した新電力は700社を超える。

自前の発電設備を持たない多くの事業者にとって、卸電力市場の価格高騰は死活問題となる。

天然ガスなどの燃料高は長期化の様相を呈しており、ロシアのウクライナ侵攻にてますます厳しい状態が続く。

意図どおり、市場競争に委ねるも、新電力会社の淘汰がもの凄い勢いで始まっている。

 

異常事態発生

燃料価格の高騰を受け、大手の新電力会社が法人向け電気料金の引き上げを続々と通知し、北陸エリアの企業から北陸電力に契約切り替えを求める申し込みが殺到、北陸電側が現状の供給力では対応できないとして受け付けを停止している。

北陸電力だけではなく、全国の大手電力会社も例外ではない。

北陸電力から新電力会社に切り替えたものの、北陸電力への出戻りが出来ない状態が続いている。

経営の合理化の一環として、電力料金を安くするという選択をした会社も多いであろう。

困っている会社も多いと推察する。

 

セーフティネットとしての北陸電力送配電株式会社

新電力会社への切り替えという経営判断は、当時、正しかったと思います。

固定費を削減することは、経営努力そのものだからです。

複数の選択肢から価格の安いものを選ぶことは、機会損失を回避することですから。

冒頭の送配電会社の「電気最終保障供給約款」によって、大手電力会社の標準電気料金の2割増で供給を受ける救済措置があります。

北陸エリアであれば、北陸電力送配電と先ずは契約し、北陸電力が受付を再開次第、北陸電力と契約する方法があります。

なお、この大手電力会社の受付再開要望は、過去から終始応援しています宮本周司先生にもご相談しております。