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「譲る側から見た事業承継」 <504>

事業は継続できるが、人命は有限。
そこで事業承継が必要となる。

 

私自身も譲る立場で体験したこととは。

 

1、自分のライフワークを考えながら、年齢を考えて段階的に設計する。
高齢化すると時代の変化や人間関係についていけない。
引き継ぐまで10年から15年かかると思ったら良い。
また、自分の余生も楽しむため一線を引く年齢を予定する。

 

2、承継後も過去に絡む経営問題が発生するから、それに備えて元気なうちに事業承継する必要がある。

 

3、譲る相手は、親族、社員、第三者の順で決める。

 

4、親族の場合は経営資本を譲るため計画的に贈与を実行。
社員の場合は資本と経営を分離して事業承継税制を活用する。
第三者の場合はすべて換金できるので長所が多い。

 

5、事業を承継する相手を選ぶときは経営理念を実現できる相手でなければいけない。
決してお金だけで相手を決めてはいけない。
理念なく地域や顧客を愛せない経営者には譲らない。

 

6、老後の生活と相続税の資金繰りをしておく。

 

7、終活しながら、平穏な老後を過ごす。
日々の努力が必要だ。

 

8、遺言を作成して相続でもめないようにする。
出来れば、公正証書遺言が良い。

 

9、日本人は老後のために貯蓄する。
欧米人は生活を楽しむために働く。
これからは老後を楽しむためにお金を使ったら良い。

 

10、「時の刻みは命の刻み」である。
日々をマンネリ化しないよう創意工夫ながら創造的に生活したい。

 

写真・・・自宅のハナミズキ(4/20)。

終身年金の活用 2021

過日、ご紹介した「Die With Zero ゼロで死ね」(ダイヤモンド社、2020年9月29日発行)。

私が至る所でこの本を紹介している中で、響いている人は響いている。

これが実感です。

 

現状

1.死ぬまでに使い切れないお金を貯めることばかりに労力を注いでいる

2.お金の残高の最高値が死ぬとき

3.「人生を楽しまない」不安よりも「お金が足りなくなる」不安が大きい

4.加齢が進むと、活動量も減り、高齢者ほどお金を使わない

 

この現状を鑑みて、長寿リスクを勘案した保険の活用を提案しようと考えています。

現在の日本の人口年齢分布を概観すると、100歳以上が8万人。

女性が88%を占める。

 

富裕層の多くにインタビューすると、ある事実がわかりました。

貯金が減る。

これが嫌だ。

気に入らない。

不安だ。

現金が減るという事実に耐えられない。

この事実が分かりました。

だから、預金が死ぬときに最高値になるのだと。

 

ある富裕層の方が高齢の母親に贈与したお金があります。

今まで苦労をかけた。好きなことに使ってくださいと。

亡くなった時、そのお金は結局、全額貯金となっていたことが判明し、その富裕層の方が落胆しておりました。

健康で動けるときではないとお金は使わないと。

 

では、生前にお金を保険会社に預け、毎月、死ぬまで使い切っても良いお金が振り込まれるという発想に転換してはいかがでしょうか。

最初にお金を別の財布である終身年金に置き換える。

置き換えた時点からは、お金は減りません。

毎月、定額のお金が振り込まれ、使い切るだけです。

どれだけ長寿になっても、亡くなるまで振り込まれます。

だから、安心してお金を使えます。

これが長寿リスクに対応した終身年金の発想です。

現在、日本で販売されているお勧めできる終身年金は、マニュライフ生命パワーカレンシーです。

「ゼロで死ぬ」発想から産まれた保険。

欧米的発想が日本に根付くには時間がかかると思いますが、参考にしていただければと思います。

長寿家系で富裕層の女性が主な対象かと推察しております。

 

「新型コロナワクチン接種のお知らせ文書」<503>

金沢市は19日に市内の65歳以上の高齢者約12万1千人に接種券が発送され、20日にワクチン接種の案内文書が自宅に届いた。

 

5枚もある。
1、新型コロナウイルスワクチン接種のご案内
2、新型コロナワクチン接種のお知らせ
3、ワクチン接種を受ける際の注意事項
4、新型コロナワクチン接種の予診票
5、新型コロナワクチン予防接種についての説明書(ファイザー社製)

 

案内に従ってQRコードで医療機関/接種会場を探して見たら、繋がらなかった。
何でかな。

 

一般高齢者にQRコードが理解ができるのか。

 

予約開始日の記載が無い。

 

予診票の右上に(クーポン貼付)とあるが、探したらやっと接種券がクーポン券だと分かった。
接種券をクーポン券と表示するか、クーポン券を接種券とすべきだと思う。
相手の立場に立った分かり易い表示にして欲しいものだ。

 

コールセンターに接種の予約をして見たが繋がりにくく諦める。
報道によると他県では八時間もつながらないという。

 

かかりつけ医に聞いたら、ワクチンは5月に入る予定で、その後に医療機関へ配分されるから1ヶ月ぐらいは様子を見てくださいとのことだった。

 

電話もネットも今は繋がらないとのこと。

 

とにかく、準備が整わぬうちに案内するのは混乱を招くだけだ。

 

そう思っていたら翌日の新聞報道によると、21日正午時点でコールセンターや医療機関に予約開始日を尋ねる1300件の電話相談があったという。

 

21日に山野金沢市長が「迷惑、負担を掛けた医療機関や不安に思われた市民にお詫びする」と陳謝し、急遽、予約受付は5月6日からとし、一般高齢者の接種開始日は5月15日になるとの発表があった。

 

ワクチンを接種する市内の医療機関は病院44か所と診療所157か所の計201か所となる。

 

このうち、111か所は誰でも申し込みが可能で、残りの90か所は従来から診察する患者に限るとしている。

 

予約の方法は
1、医療機関への直接申し込み
2、コールセンター
3、スマートフォンなどのアプリ

 

とのことだが、デジタル化の時代にあって予約の簡便化ができないものか。

 

命にかかわるワクチン接種だけに、難しい説明は小学五年生(10歳)にも分かるように説明すれば誰しも理解できる(通説)親切な案内にして欲しいものだ。

 

写真・・・ワクチン接種案内

地域社会に最も貢献する経営支援の担い手として 2021

現在、北陸税理士会の中小企業支援対策部長を拝命しております。

今回、北陸税理士会の「海流」というコラムに寄稿することになりましたので、ご紹介させて頂きます。

推敲を重ねていきますと、読み返す度に文章が変わって参ります。

文章を寝かせる、熟成させていくということが朧気ながら理解できたような気がします。

 

 

はじめに~超高齢化社会の出現と企業の激減

昭和20年(1945年)の終戦後、昭和21年(1946年)から出生率が増加する。復員兵が平和への希望を支えに子供をもうけた。令和3年(2021)、その子供の年齢が75歳となり、超高齢化社会が現出する。

社会の担い手は、会社であり、企業が雇用を確保し、納税する。その企業数の減少が加速している。平成27年(2015年)、財務省財務総合政策研究所の統計によれば、石川県の企業数は45千社ほどであったが、2021年現在の企業数は約40千社である。これからの20年後、25千社まで減少することが予想される。

 

金融機関と税理士との情報共有~事業承継支援の担い手間の連携

企業数減少の主要因は、経営者の高齢化に伴う廃業にある。事業承継は、今や国策であり、北陸税理士会においても後継者のいない顧問先に対して、事業承継支援の担い手として、税理士が主体となって「担い手探しナビ」を活用するように、会員に周知しているところである。また、承継の法務に関わる問題に対応するため、北陸三県の弁護士会と承継分野での提携をした。

企業数が減少する一方、税理士は増加している。支援対象の企業数減少と税理士の増加。支援対象が減り、税理士が増えるという構図は暫く続くものと推察する。中小企業を主体的に支援出来る税理士の増加が社会から期待されている。

民間支援機関には税理士を含む士業そして金融機関がある。毎年、金融懇話会を開催し、その機会を利用して、必ず、金融機関と顧問税理士との情報共有を要請している。今後、キャッシュレス納付状況の情報も共有の対象となろう。

また、金融機関も、地域貢献のため、事業承継を支援している。金融機関は、この支援内容を顧問税理士と情報共有をすると同時に、我々税理士も事業承継について理論武装し、承継を主体となって推進しなければならない。

 

新型コロナウィルス感染症を契機としたデジタル化対応と会員への周知

厄介なウィルスの出現が北陸税理士会に大きな命題を与えた。それは、デジタル化への対応である。中小企業庁は、新型コロナウィルス感染症拡大よりも前に、経営革新等支援機関に対し、デジタル化未対応先を淘汰するような動きがあった。「GビズID」の利用を前提とした完全電子化による認定更新制度の制定である。

税理士会の会務においても、ほとんどがウェブ会議であり、研修もウェブ受講である。業務対策部と協働して立ち上げた「会員向け新型コロナウィルス感染症対策相談室」において、今後、テレワークなどオンライン業務が加速する中、会員のICT環境の充実を促進する観点から、FAXや電話よりも電子メールでの回答を優先した。所得税の青色申告特別控除においても、電子申告の有無で控除額が異なる。デジタル化に対応できない税理士は淘汰される可能性があると危惧している。

一方、デジタル化未対応会員の存在に目を背けてはいけない。同じ会員として会費を納めている観点から、機会均等の立場で、デジタル化対応の有無にかかわらず、等しく全会員に情報を提供していかなければならない。FAXなどのデジタル以外の情報伝達も無視はできない。

 

おわりに~地域貢献に最も貢献する経営支援の担い手として

中小企業庁の統計によれば、企業の相談相手として、顧問税理士が多数を占める。税理士は社会から信頼され、頼られている。事実、中小企業庁は、拡大版持続化給付金(フリーランス・新規創業の事業者向け)対応に関し、売上の精査について税理士の署名を求めた。そして、経営革新等支援機関のほとんどが税理士であり、事業承継税制適用に関する県への事前計画申請の状況を概観しても、その担い手は税理士である。

今後とも、税理士が地域社会に最も貢献する経営支援の担い手であり続けるために、金融機関との連携や更なるデジタル化への対応も含めて、自助努力していかなければならない。

以上

「事業承継におけるお金の三難と解決方法について」 2021

日本M&A協会北陸支部のイベントとしてセミナーを企画しました。

 

4月15日(木)16時~

ANAクラウンプラザホテル金沢

「コロナ禍で勝ち残る経営戦略セミナー」(北國新聞社3月23日朝刊全面広告にて記載)

講師

木村経営グループ

株式会社木村事業承継ブレーン

代表取締役社長 木村 岳二

(日本M&A協会北陸支部長)

 

講演タイトルは、「事業承継におけるお金の三難と解決方法について」。

承継時における財産権の承継に焦点を当てました。

お金の三難とは、承継の場面でその難しさが異なります。

 

1.自社株を買い取る場合のお金の調達

場合によっては個人借入か?

2.自社株を相続する場合の相続税(あるいは贈与税)の負担

これも場合によっては個人借入か?

3.会社の借入金の連帯保証を引き継ぐ場合

連帯保証人を引き継ぐ覚悟は?

 

今回はお金に絞ってお話をしました。

経営者の中で、会社の現預金はいくらか、借入金の残高(返済金額)はどのくらいか、死亡保障の保険金(あるいは65歳時点の満期金額)はいくらかを覚えている方はどれくらいいるでしょうか。

お金は経営の手段。

経営の道具を磨き、経営に活かして頂ければと思います。

「藤江の地名」<502>

私は2001年(平成13年)9月より金沢市藤江北に住んでから20年近くなる。

 

その藤江の生い立ちを藤江健寿会発行の冊子「藤江の歴史を歩く」で知る。

 

藤江は大徳地域の中で多くの歴史的財産が残る地域だ。

 

藤江に人が住み始めたのは古墳時代(西暦400年)から奈良時代(700年初期)であることは発掘調査で判明されている。

 

古代、現在の河北潟が松任の相川まで続いていたものが河川の度重なる氾濫で土砂が堆積して現在の地形になった。

 

河川の上に出来ている藤江は、度重なる河川の氾濫によってヘドロが堆積して出来た「沖積層」の軟弱な地盤で出来ている。

 

藤江の人口が資料明示されているのは1670年(寛文10年)の百姓11軒22名と記録されている。

 

(2021年3月現在、金沢市209千世帯450千人、藤江南637世帯1,232人、藤江北711世帯1,503人)

 

藤江は古代の「河川と水」を起源に農業を営みながら現在の姿になった。

 

藤江の地名は、藤江の髙鞆神社を創建した藤井氏の苗字「藤」と、江は河川と水の土地柄の「江」を取って藤江と推測できる。

 

藤井氏は富樫系列の野々市「林氏」の家臣である。

 

藤江には専光寺を本寺とする常光寺(1947年寺号)、また700年代~900年代に創建されたと言われる「髙鞆社」は101年前の1920年に74軒の寄進により本殿が建立され「髙鞆神社(たかともじんじゃ)」となった。

 

三代前田利常の1634年(寛永11年)、金沢城「玉泉院丸」の築山に使用するため、庭師左衛門が能登の巨岩を亀に加工し富来から金石まで運ぶ途中、亀の首が落ちてしまった。

 

そのため使えなくなり、近くの髙鞆神社に鎮座して292年経っている。

 

 

また、六代刀工の加州清光は藤江南に在住し、1864年7月8日の新撰組が起こした池田屋事件で沖田総司が使用した名刀を製作したと言われている。(現在は存在しない)

 

1300年後の2003年に石川県庁が藤江のすぐ傍に移転してきたことを昔の人が知ったら驚愕することでしょう。

 

写真・・・「50年前の藤江」と「藤江の生い立ち」

確定申告期限延長要望提出 2021

厄介なウィルスの影響で、2年連続で確定申告期限が4月15日となっている。
納税者の期限延長の意識も醸成されてきており、期限延長の恒久化を要望したいと思っていたところ、北陸税理士会にて、令和4年度の税制改正に関する意見として、確定申告期限の延長をだすこととなりました。
所得税の確定申告期限を延長すること [条文] 所法 120 【意見および理由】(新設)
所得税の確定申告期限は3月 15 日であるが、諸外国に比べて申告期限までの期間 が短く、納税者にとっては過度の負担となっている。
また、消費税のインボイス導入 など制度の改定により納税者の事務負担が増加することも申告期限を延長すべき要因である。
したがって諸外国の申告期限を参考に、少なくとも現行より 1 月程度の延長が必要と考える。
なお、個々の納税者の事情や適正申告の維持確保の観点及び働き方改革が提唱され、 納税者の多様な働き方に応じた申告期限が必要とされるべきである。
よって、納税者 の申請により申告期限をさらに延長できる特例を創設すべきである。

「北國アマ囲碁名誉名人の神野正昭氏」<501>

一芸に秀でた人は凄い。

石川県にもアマの囲碁界で金字塔を打ち立てた方がいる。

 

2017年で後進に道を譲られた神野正昭氏の実績は輝かしい。

 

・北國アマ名人戦(北國新聞主催)

優勝

28回(17連覇を含む)

 

・日本棋院アマ選手権準優勝(1981年)

・アマ竜星戦(旧、世界アマ日本代表決定戦石川県大会)     24回

・世界アマ選手権10位入賞(1982年)

・アマ本因坊戦(毎日新聞) 22回

・アマ名人戦(旧、アマ十傑戦・朝日新聞)   21回

・第5回国際アマチュア・ペア囲碁選手権 第3位 佃優子・神野正昭ペア (1994年)

 

・北陸アマ棋聖戦(読売新聞)  19回(9連覇を含む)

(現在未開催)

・北陸アマ天元戦(北陸中日新聞)

1回 (現在未開催)

・中日アマ選手権(中日スポーツ)

2回 (現在未開催)

 

30歳から70歳までの40年間超を石川県アマ棋戦をトップで活躍され、2016年4月23日に北國アマ囲碁名誉名人の称号を得られた。

 

現在は、日本棋院支部石川県連合会(1979.8設立)や金沢国際囲碁交流協会(1994.8設立)の理事長として石川県囲碁界の発展に貢献されている。

 

3月29日にお会いした折りに、神野先生の早稲田大学1年先輩である囲碁観戦記者秋山賢司氏著の「碁の句~春夏秋冬」、「碁のうた碁のこころ」を頂戴した。

 

この書に寄せた大竹英雄棋士(名誉碁聖)の言葉を紹介します。

 

「私たち専門棋士を別にして碁好きのみなさんには、三つの楽しみがあると思います。

一つはもちろん打つ楽しみです。

打って勝てばなお楽しいことでしょう。

二つめの楽しみは観ること。

新聞の観戦記を読むのがこの代表ですが、棋力の向上を目指してのテレビ対局や、最近ではネットでの対局観戦も含まれます。

ともすると軽視されがちな三つめの楽しみは、碁の歴史を学んだり、過去の文芸作品にどう扱われていたかを知ることではないでしょうか。」

 

春夏秋冬 正岡子規 作

「碁に負けて忍ぶ恋路や春の雨」

「日一日碁を打つ音や今年竹」

「月さすや碁をうつ人のうしろ迄」

「古家や狸石打つ落葉の夜」

 

紫式部、清少納言、松尾芭蕉、正岡子規、夏目漱石、菅原道真

 

歴史上の人物は囲碁をこよなく愛していたのですね。

 

囲碁は文化であり頭脳スポーツでもある。

 

神野正昭先生、これからも囲碁の普及と発展にご活躍されますよう祈念しております。

 

 

写真・・・神野正昭氏(かんのまさあき・1947年生まれ)

石川県事業承継研究会発足 2021

石川県事業承継研究会を発足いたしました。

コロナウィルス感染症拡大で自粛している中、思うところがあり、動くことを決断しました。

 

財務財務総合政策研究所の調査で、石川県の企業数が5年で8千社減っていることを知りました。

2015年に46千社あった企業が、2020年には38千社。

さらに、2040年には25千社に。

本当に驚きました。

 

私の背中を押したのは、ある尊敬する方の一言です。

「皆、事業承継は大事だと言う。

しかし、誰も本気で動いていない。」

 

何も回答できませんでした。

事実、本気で事業承継に取り組んでいなかったからです。

実際、あらゆる場面で「事業承継は大事だ」と事あるごとに挨拶していたからです。

全く、動いていないにもかかわらず。

 

私の母の実家である千里浜が徐々に浸食されていくのと同様に、石川県の廃業数増加を黙って見過ごすこともできました。

コロナ特別融資の返済が始まるとさらに廃業が加速することを黙視することも出来ました。

ただ、私は決断しました。

 

「ふるさと石川を守る」と。

志を同じくする方を集めて、石川県事業承継研究会を発足いたしました。

桜が咲く3月29日(月)北國新聞夕刊1面の「舞台」に記事が掲載されました。

 

2021年、舞台に立ったところです。

個人事業の事業承継 2021

承継相談の現場では、個人事業の承継の場合も少なくありません。

以前も投稿したとは思いますが、リマインドの意味も込めて再掲したいと思います。

 

経営権と財産権とを分けて承継のポイントを見ていきましょう。

 

1.経営権の承継

事業主が父から子供へと事業承継した場合は、事業所得については子供が自分自身の所得として所得税の確定申告を行うこととなります。

下記のように、税務官公署に対して届出書を提出すれば手続きは完了します。

旧事業主(父)廃業届、給与支払事務所の廃止届、青色申告の取り止めの届出書など

新事業主(子)開業届、青色申告承認申請書、給与支払事務所の開設届、青色専従者の給与に関する届出書など

 

2.財産権の承継

①不動産以外の資産の承継

贈与する場合、資産と負債の差額が、110万円(贈与税の基礎控除分)を超えたとき、贈与税の対象となるのでご留意ください。

②事業用不動産の承継

贈与という方法ではなく、旧事業主(父)が不動産を所有したままで、新事業主(子)が旧事業主(父)に地代家賃を支払わない方法もあります。

生計を一にする旧事業主(父)所有の建物を借り受け、新事業主(子)が事業の用に供している場合、その建物に係る減価償却費、その建物及び土地の固定資産税、建物の修繕費等を新事業主(子)の事業の事業所得の金額の計算上、必要経費に算入することができます。

詳細については、担当者にご確認ください。

旧事業主(父)事業不動産を所有

新事業主(子)旧事業主との間で使用貸借

 

末筆ながら、皆様の事業が益々発展しますように、心から祈念しております。