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宝在心

「木村経営ブレーン」グループは、北陸3県の中堅・中小企業、医療介護福祉機関のお客様に 税務会計業務・経営コンサルティングを提供しております。「木村経営ブレーン」グループが 社会のインフラとして必要な存在であり続けるにはどうしたら良いのか。 ブログを通じて日々の思考を綴っております。 私の学暦(学習暦)をご覧ください。

  • 医療機関とMS法人間の税務2

    2009.11.09

    前回、医療機関とMS法人間の取引価格の妥当性がない場合、「伝家の宝刀」たる所得税法157条(同族会社の行為又は計算の否認)の適用がある場合を書いた。
    今回、不動産管理料の判例で面白い事例を紹介しよう。
    国税不服審判所の平成18年の事例で、所得税法157条同族会社の行為計算否認を適用せず、37条の必要経費で、全額管理料を否認した。
    事例サマリー
    ○一人二役。甲氏が、甲自身の設立した不動産管理法人に賃貸料を支払い、その不動産管理法人から役員報酬を頂いている。
    ○不服審判所の方が実地検分。
    1.プロの管理会社名で「空室の問い合わせ」との看板表示あり。同族の管理会社には一切看板ない。
    2.プロの管理会社名とほとんど同一の契約内容である。プロの管理会社は、9時17時の時間帯である。一方、同族管理会社は24時間管理していると主張したらしい(笑)
    3.管理実態がなければ、同族会社の行為計算否認の適用なく、全額否認となる。
    ○所得税法37条の適用。
    http://www.kfs.go.jp/service/MP/02/0402090000.html#y02
    同族会社に支払った不動産の管理料について、所得税法第157条《同族会社等の行為又は計算の否認》を適用せず、同族会社は管理行為を行っていないとして、所得税法第37条《必要経費》により、その全額の必要経費算入を認めなかった事例
    ▼ 裁決事例集 No.71 – 205頁
     請求人は、所得税法第157条第1項の適用に当たっては、経済的合理性を欠く行為や異常な取引形式に基づき、所得税の負担を不当に減少させる結果となることが要件となるが、請求人が不動産の管理を本件不動産管理会社に委託した行為は経済的合理性を欠く行為でも異常な取引形式でもなく、また、本件管理料は、本件不動産管理会社に委託した管理業務の内容及び事業規模並びに収益の状況等個々の実態に応じて算定しており、恣意性が介入する余地はなく、不動産収入を得る上での役務の対価として相当な金額であるから、本件管理料は不動産所得
    の金額の計算上必要経費に算入されるべきである旨主張する。
     これに対し、原処分庁は、請求人が本件不動産管理会社に管理を委託しているアパート及びマンション(以下「本件賃貸不動産」という。)に係る管理料は、委託する管理業務の程度が異なるにもかかわらず、全ての不動産に一律に不動産年間賃貸料の10%としているが、その算定根拠は明らかでなく、通常の商取引においては考えられない異常な取引形式であり、また、本件賃貸不動産については、M社等に管理を委託しているにもかかわらず、さらに本件不動産管理会社にも管理を委託する行為は、同社が同族会社であるがゆえになし得る行為であり
    、純経済人の行動としては極めて合理性を欠く行為であるから、所得税法第157条第1項が適用される旨主張する。
     しかしながら、本件賃貸不動産については、[1]本件不動産管理会社の管理業務とされる定期的な清掃業務等は、別途、M社等の不動産管理会社に委託している管理業務と同一のものであり、M社等において本来の業務として行われていることから、当該管理業務を本件不動産管理会社に委託する客観的必要性は認められないこと、[2]本件賃貸不動産の敷地内の看板には、M社等の社名が明示されており、本件不動産管理会社が賃借人及び第三者の窓口等となっている事実は認められないこと、[3]本件不動産管理会社においては、管理業務を実施した
    記録がなく、同社が管理業務を実施したことを客観的に認めるに足る証拠は認められないことなどからすれば、同社が本件賃貸不動産に係る管理業務を行ったことを認めることはできない。
     したがって、請求人が本件不動産管理会社に委託した業務は、いずれも請求人の不動産所得を生ずべき業務遂行上の必要性が認められず、また、本件不動産管理会社が管理委託契約に基づく業務について履行したことを客観的に認めるに足る証拠も認められないことから、本件管理料のうち、請求人の所得税法第37条第1項に規定する不動産所得の金額の計算上必要経費に算入すべき金額は、零円とすることが相当であり、所得税法第157条第1項の規定を適用する余地はなく、当事者双方の主張を採用することはできない。
    平成18年6月13日裁決

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