金沢会計人 のすべての投稿

不易流行 50周年を迎えて

松尾芭蕉の弟子の向井去来(むかいきょらい)が芭蕉の言葉や考えをまとめたのが「去来抄(きょらいしょう)」。

その中で、芭蕉の考えが紹介されている。

「不易を知らざれば基(もと)立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」

(変えてはならない伝統やしきたりを知らなければ、基礎が成り立たない。しかし、流行すなわち時代の変化に沿った新しさも知らなければ、新たなものは生まれない。)

 

2025年6月1日の今日、50周年を迎えた。

時代が変ったにもかかわらず古くからの方法に縛られていると、衰退してしまう。理念など変えてはいけない部分を変えてしまうと、滅びてしまう。

これからも不易流行を貫きたい。

個人財産のガバナンスについて 2025

はじめに~詐欺被害から「ガバナンス」という啓示

 

2025年5月1日、金沢市在住50代の男性が詐欺に遭ったと被害届を白山署に提出した。

SNS型の投資詐欺であり、被害総額は1億4,800万円。

事業経営であれば、第三者の役員や債務者である金融機関、第三者の株主、そして会計事務所から経営の監視を受けている。

事業会社はガバナンスがある一方、事業主に給与や賞与で支払われた預金については、野放図状態だ。

ガバナンスのない個人財産が詐欺師に狙われた。

事実、我々会計事務所の知らないところで、詐欺だけではなく悪質な営業会社が営業をしている。

我々のお客様を守らなければならない。

資産を猛烈に増やしたいという誘惑を絶たねばならない。

言い換えれば、個人のガバナンスをどのように担保するかが課題となる。

最近、個人の財産を守る視点で、会計事務所の役割を考えています。

「大連友好訪問ツアー」<650>

 

5/17〜21、NPO法人日本海国際交流センターの第7回会員親睦・大連友好訪問ツアーに古賀克己団長以下44名が集い大連を訪問しました。

 

17日、アカシア祭り歓迎夕食会

日本各都市から約千人が参加した。

18日、大連港湾周辺でアカシア・ウォーキング大会に参加し2キロ歩く。

19日、大連夏麗ゴルフ倶楽部(20名参加)でラウンド、4位。

20日、大連芸術学院(私立)を見学。

学生13000人が、絵画・書道・彫刻・文物復元(AIも活用)・楽器・声楽・舞台・服飾・農園(自給自足)の英才教育を受けている。

21日、帰国。

イベントで何度も歌手で出演された作詞家・ヴォーカリストの「椿れい」さんを金沢まで送る。

「大連の桜」、「月亮代表我的心」は心こもる素晴らしい歌でした。

車中、多岐にわたるお話や歌を聞かせていただいた。

 

大連への18年ぶり7回目訪問は思い出深い旅だった。

 

(写真)

1.懇親会で古賀会長がハーモニカ演奏。

2.アカシアウォーキング大会

3.大連夏麗ゴルフ倶楽部コンペ。

4.大連芸術学院見学。

移動時間の効用 2025

地方都市の交通手段は車が主である。

ここ金沢も例外ではない。

東京にいた20代の交通手段は、ほとんど電車であった。

電車の中では本は読めるが、車では道路交通法違反だ。

移動中に音楽を聴くのも良いが、学習する良い機会でもある。

手段は、オーディブル(AMAZONが提供する聴く読書サービス)だ。

 

よく聴くもの(ジャンル)

1 落語(立川談志シリーズが有難い。話し方の練習に。)

2 自己啓発(「自分自身との闘い」「足るを知る」「脚下照顧」のためのヒントを得る。仏教系が多いか。)

3 健康法(おれも歳だなー笑)

4 ポッドキャスト番組

①「ながら日経」(日本経済新聞記事の要約ではあるが、キャスターのコメントに秀逸なものがある。)

②「入山 章栄のイシューで経営理論を語ろう」(経営だけでなく、政治や文化そして宗教にも及ぶ)

 

講演や挨拶などを控えている場合には、車中で練習することもある。

車の中は完全プライベート時間でもあり、自己投資できる時間だ。

大事にしていきたい。

「直観力の培養」<649>

5/8、第62回TKC北陸原点の会で高橋宗寛和尚から表題の解説があった。

 

・直観というのは、人間がある種の判断とか表象をもつ場合に、何らの媒体も要らない力である。

・直観は手段として言葉、イメージを中間に容れないで、事物の本質とか、先行きとか、変化の動向とかを掴むことである。

・達磨から5代目の禅の祖師は弘忍(ぐにん)だが、彼は六祖の恵能に、一夜、金剛般若経の中の、応無所住而生其心(まさに住むところ無くして、其の心を生ずべし)との一句を説いて、恵能の悟りを誘発したといわれている。

心がどこにも住著(じゅうちゃく)しない状態のときに直観力が機能する。

・直観力は、人間の霊性を直接根拠として機能する。

・直観力の培養とは、住著しない心を鍛え上げることだ。

 

人間は好き嫌いや知識・経験に基づく先入観を持ちやすい。

 

無の境地を会得するには、どうしたら良いか。

自己修練・自己実現を希求し続けてゆきたいものである。

 

(写真)

5/13、TKC北陸会顧問相談役会懇親会(玉泉園)。

健康経営の取り組み(2) 2025

法人会の取り組み~法人会ヴァージョンの健康経営で国家財政の健全化へ

 

法人会と税理士会には、健全な納税意識の発展普及のためという共通目的がある。

「適正かつ公平な課税の実現」は、私たち税理士においても税理士法第一条の使命と同じだ。

金沢法人会の5月の総会には北陸税理士会金沢支部長が、そして金沢支部の6月の総会には金沢法人会会長が必ず来賓として出席する。

今度、5月29日の金沢法人会(ANAクラウン金沢で開催)の挨拶の最後に、金沢支部長として出席する際、このように祝辞を述べる。

「金沢法人会様と北陸税理士会金沢支部とは国税当局のもとにおいて格別に深い関わりあいを有し、今後とも引き続き、当局の適切なご指導のもとに協力関係をより密にし、地域社会の発展のために寄与してまいりたいと存じます」と。

 

数年前から、青年部会が中心となって、子供たちへの租税教室から更に発展させて、健康経営を推進してきた。

「健康経営」への道のりは遠い。

従業員の健康寿命が延伸し、将来的に国民医療費と介護費を抑制することができると期待したが、康永秀生著「健康の経済学」(中央経済社 2018)によれば、医療費の抑制につながるという科学的根拠はないと知る。

 

しかし、諦めない。

2040年にピークを迎える社会保障給付費の抑制と安定的な国の歳入確保に向け、「法人会から日本を変える」という決意をしたという。

1 健康経営を柱にした企業の活力向上がもたらす税収の増加(歳入の視点)

2 適切な医療利用による医療費の適正化(歳出の視点)

 

法人会は、未来を担う子供たちのために、持続可能な社会を実現させたいと願っている。

国の財政健全化に貢献していきたいという強烈な思いが伝わってくる。

現在、金沢法人会では、青年部会の健康経営委員会が主導して推進している。

この点は、5月の金沢法人会の来賓挨拶に言及したいと思う。

「ナタリー」<648>

 

知人の作家・福ゐ行介氏の既刊「シロガミ」、「彩雲」に続く第3作「ナタリー」を親書とともに贈呈いただく。

 

4/23に幻冬舎から発売されている。

 

帯にあるストーリーは、

 

写真家の「僕」は、アメリカ東部の小さな町でナタリーと出会い、恋に落ちる。

二人は時を共にし、未来を語り合うが、ナタリーはメラノーマという病に倒れる。

無保険の彼女に残された道は、日本で治療を受けること。

しかし、すべてが遅すぎたー。

「僕」はナタリーの遺灰を抱えて旅をしながら、不平等なアメリカの医療制度と向き合い、彼女が求めた理想を追い続ける。

悲しみの先にある、新たな希望の軌跡とは。

 

国境も制度も超えて、ただ守りたかった命がある。

人を愛するということ、人生の意味を問いかける一冊。

 

詳しくは、お買い求めいただきお読みください。

 

福ゐ行介こと坂井浩介氏とは34年の付き合いになる。

 

1956年福岡生まれ。

日本大学芸術学部写真学科卒。

MMPG(メディカル・マネージメント・プランニング・グループ)の役員、大学非常勤講師在任中から作家活動に入る。

 

いつかは有名作家になる逸材で、期待しております。

 

 

(写真)

・「ナタリー」と親書

健康経営の取り組み(1) 2025

はじめに~2040年に向けて

 

いわゆる2025年問題が今年。

 

2025年は、高齢者人口増加の転換期であり、その後も65歳以上の高齢者人口と75歳以上の後期高齢者人口の増加はとどまるところがなく、2040年にピークを迎えるという。

 

高齢化社会の進展による課題は以下の通り。

①医療費や介護費の増大

②労働力の不足

③社会保障制度の持続可能性の確保

 

2040年には、団塊ジュニア世代(1971-1974年生まれの第二次ベビーブーマー)が65歳以上となり、65歳以上の高齢者が人口の約35%を占めることになる。

2025年問題の状況がさらに深刻化することを「2040年問題」という。

 

健康経営の取り組み~経済産業省の試み

経済産業省は、東京証券取引所と共同で、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組む上場企業を「健康経営銘柄」として選定している。

今年(2025年)の受賞は53社。

この中には富山のゴールドウィンが含まれている。

蛇足ながら、たまに小矢部にあるゴールドウィンゴルフ倶楽部でラウンドさせて頂いている。

非常に美しいゴルフ場だ。

 

3月11日授賞式の翌日の12日には、パネルディスカッション「継続がもたらす効果と広がりー健康経営の展望を探るー」があり、パネリストには、早稲田大学大学院 経営管理研究科 早稲田大学ビジネススクール 教授の入山 章栄 先生が登壇された。

余談ながら、ポッドキャスト「入山 章栄のイシューで経営理論を語ろう」は毎回楽しみに必ず拝聴している。

入山先生の視点は、経営だけではなく、政治など幅広く面白い。

 

さて、「健康経営」とは、従業員の健康保持・増進の取り組みが将来的に企業の収益性を高める投資という前提があり、従業員の健康管理を経営的な視点から実践する経営だ。

健康経営の推進は、従業員の活力や生産性の向上の組織の活性化をもたらし、結果的に業績や企業価値の向上につながるとしている。

「生きている会社、死んでいる会社」(Dead or Alive) 50周年を迎えて

遠藤功氏の「生きている会社、死んでいる会社」(Dead or Alive)を読む。

「死ぬ」兆候として、慢心や安心があるという記述に着目する。

ある程度、成長軌道にのり、安定してくると、慢心や安心感が出てくるのは仕方ない。

人間でいえば、脂肪が多くなる高脂血症というところだろうか。

 

「生きている会社」の特徴の代表例として、AMAZONの「DAY ONE」思想が挙げられている。

「Every day is still Day One」(毎日が創業初日)という企業理念。

ジェフ・ベソスCEOが唱え続けてきた。

創業時、老廃物やぜい肉はない。

新しいことにチャレンジできる社風がある。

 

今年、木村経営グループは50周年を迎える。

翻って、今、創業時の情熱はあるか。

自問する今日この頃だ。

「石川県の地域医療の現状」<647>

4/22、日本医業経営コンサルタント協会石川県支部の研修で、石川県健康福祉部地域医療政策課の細木信哉課長から「石川県の地域医療の現状と今後の方向性について」と題し講演いただいた。

以下、一部要点のみ記述する。

 

・石川県総人口はR7現在1092千人で3年前から103千人減少し、15年後は114千人減少し978千人と100万人を割り込む推計。

うち65歳以上の高齢者人口はR5の334千人からR22には356千人と増加する。

・石川県は全国と比較すると、人口当たりの病院や病床数が多い。

なお、医療機関のダウンサイジング(病院から診療所への転換)等が進み、病床数は減少傾向にある。

・急性期から回復期への転換、療養病床の医療介護院への転換が進んでいる。

・医師、薬剤師、看護職員の数は増加傾向にある一方、従事する地域や職場、診療科などに偏りがある。

・75歳以上の患者数は、入院は減少、外来はやや増加傾向にある。

・高齢者人口の増加に伴い、訪問診療も増加。

訪問診療は石川中央を中心に増加、令和22年には県全体で12千件となる見込み。

・石川県の第8次医療計画(重点項目)

1.切れ目のない医療提供

2.柔軟な医療連携体制

3.新興感染症の感染拡大時の体制整備

4.子供の医療体制充実

5.医師・医療従事者の確保

6.地域の医療機関相互の機能分担と連携強化

 

さらに、令和6.1.1能登半島地震と令和6.9.21奥能登豪雨への支援強化が課題となっている。

 

 

(写真)

・石川県庁の満開桜。(4/21)