金沢会計人 のすべての投稿

バースデーカード 2022

今年の5月、おかげさまで52歳の誕生日を迎えることになる。

思えば、遠くへ来たものだ。

会社の慣例として、全員からの寄せ書きスタイルの「バースデーカード」を頂く。

各人のコメントに個性が出て、毎年読むのが楽しみだ。

先日、朝礼時にこのカードを頂いた折、皆様にこう挨拶させて頂いた。

 

「52歳となりました。

皆様との信頼関係の構築なくして

事業の発展はないと思います。

日々の言動に留意して参ります」と。

 

私は、事業崩壊の原因は外部環境ではなく、内部環境にあると考えています。

経営者の傲慢さが、崩壊の原因と本気で考えています。

これからも、「下を見ろ。俺がいる。」との考えで、お客様からのクレーム対応から何から引き受けて参りたいと思います。

この度は、誠にありがとうございます。

「最高裁の相続税課税判決」<540>

4月24日の日本経済新聞「社説」を引用して考える。

 

高額なマンションを借金して買ったうえで、実勢価格より低い路線価で税務申告し、納める相続税を大幅に減らす。

このような節税策が認められるかどうかが争われた訴訟で、4月19日に最高裁が「税負担の公平に反する場合は節税対策は認められない」とする判決を出した。

相続に広く影響する判決として関心が集まり、裁判所が節税の範囲と公平性のバランスをどうとるかが焦点だった。

相続税の算定には通常、国税庁が公表する路線価が使われる。

ただ公表は年に一度だけで、実勢価格が一気に上がる場合などは実態から大きく乖離しやすい。

問題となった不動産も、購入価格が約13億円だったのに対し、路線価に基づく評価は約3億円だった。

借入も加味した申告納税額は「0円」。

国税側はこれが過度な節税に当たるとみて、資産価値を国税が独自に再鑑定できる例外規定を使って追徴課税した。

最高裁は、今回の事例は相続財産の価値を圧縮しすぎており、見過ごせない不公平だと判断した。

注目したいのは、勝訴した国税側にも、特定の人を狙い撃ちして例外規定を使うのは「合理的理由がない限り平等原則に反する」とした点だ。

納税者と国税の双方にくぎを刺したといえる。

この例外規定は適用基準が曖昧との批判が根強かった。

路線価が実態とずれている点も混乱の原因だ。

路線価以外の新たな物差しを考える必要もあろう。

公平で明快な課税は国の根幹である。

最高裁の指摘を踏まえ、国税当局は、納税者にとって透明性の高い相続課税の仕組みづくりを進めるべきだ。

 

「伝家の宝刀」とも呼ばれる「財産評価基本通達6項」が裁判ではその是非が問われた。

 

しかし、その公平性を担保する明確な規定づくりが難しいのが現実だ。

 

 

写真・・・囲碁フェスタで羽根彩夏プロ初段より指導いただく。(5/1)

風と緑の楽都音楽祭 2022

初めて、「いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭」に行って参りました。

「作曲家たちのひらめき大会」という企画を堪能しました。

加羽沢美濃氏(女性)の司会が非常に参考になりました。

気難しい作曲家3名を女性のしなやかさで切り盛りしておりました。

起承転結でいきますと、先ずは自己紹介。

それぞれの作曲家の特徴を上手く引き出していた。

これが意外と難しくて、親しければ突っ込めるが、親しくないと距離感が難しい。

ある作曲家をいじって笑いを誘っていたが、なかなか卓越したスキルがないと笑いは生じない。

観客席との間合いもきちんと詰めていたところにセンスを感じる。

この「起」のところで、企画の成功を確信する。

 

会計事務所も、毎月、お客様のところに伺い、決算書を通じて、事業経営の結果を表現しております。

地道な毎月の報告が、お客様との絶大なる信頼感関係を構築できるか否かを決する。

決算書説明の表現力をいかに高めていくか。

説明には的確な比喩が重要であり、いくら会計や税法の学習をしても、上手くならない。

基礎的な学習の他にも、音楽や芸術に触れる機会を増やそうと思う。

そんな1日でした。

「ヒューマン・エイジ人間の時代~さらなる繁栄か破滅か~」<539>

24日の「NHKスペシャル」を見て、SDGsの重要性を痛感する反面、限りある人生の中にあって争いの虚しさ。

この特集は2025年まで続けられる。

 

今年、人類の火星移住計画を目指して、最新の巨大ロケットでまずは再び月を目指す。

地球誕生は45億年前、生命誕生は40億年前、ホモサピエンス人とネアンデルタール人の誕生は30万年前、6万年前にアフリカから地球に広がって以来、驚異的な速さで技術革新を繰り返し、繁栄を極めるに至った人間。

しかし、その強大な力は、人間同士が殺し合う戦争や地球環境の深刻な破壊をも招くという矛盾を生んでいる。

 

・2022年3月17日にアメリカのNASAが月に向けロケット発射、2040年に人類を月に送る計画。

 

・人類の実現力は凄い。

5500万年前にクサビ文字が誕生し加速。

 

・1980年代に3Dプリンターの発明で更に発展。

 

・未来を夢見て、試行錯誤の失敗を重ねて実現する人類の集団能力。

 

・エジプト文明やギリシャ文明など、どんな文明も滅亡を繰り返してきた人類の宿命。

 

・滅亡の原因は地盤沈下と自滅。

人類は過信し過ぎて警戒を怠る。

過去、250の文明は戦いで経済悪化し都市が崩壊に繋がった。

 

・2050年には地球人口は100億人となる予測。

新たな大量絶滅が起きると。

 

・気候変動など地球上の生命を脅かすリスクが大きくなっている。

 

・科学技術の進歩に倫理観が追い付いていない。

 

・滅亡と再生は文明のセットになっている。

 

今起きているロシアのウクライナ侵攻は滅亡現象の一つかも知れない。

 

 

写真・・・1984.3~2001.9までの17年半住んだ金沢市高尾の懐かしい旧自宅。(4/23)

「2022年4月から中小企業にもパワーハラスメント防止措置の義務化」<538>

パワハラの代表的な言動に、6つの類型があります。

 

1、身体的な攻撃・・暴行や障害

2、精神的な攻撃・・人格を否定するような言動、名誉毀損や侮辱、暴言など

3、人間関係からの切り離し・・仲間外しや無視など、職場での孤立を招くもの

4、過大な要求・・業務上不要なことや不可能なことの強制

5、過少な要求・・程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと

6、個の侵害・・私的なことに過度に立ち入ること

 

職務が上位の者による言動などが典型的ですが、同僚や部下による言動であっても、当該者の協力を得なければ業務が円滑に遂行できない場合も該当します。

 

中小企業の対応策は

 

1、パワーハラスメントの定義を正しく理解する

2、就業規則に規定し周知する

3、パワハラの方針や発生原因について研修や講習等を実施する

 

パワハラの相談があった場合の対応

 

1、事実関係を迅速かつ正確に把握する

2、被害者への配慮を行う

3、行為者への処分を行う

4、再発防止策を講じる

5、プライバシーを保護する

6、相談による不利益な取り扱いをしない

 

 

困ったら、社会保険労務士・労働委員会・弁護士に相談する。

義務化ですから罰則はありません。

 

パワハラは精神的なストレスをもたらします。

パワハラ防止法の改正を受けて、パワハラに関連する精神障害に関する労災認定基準も明確化されました。

 

パワハラに限らず、精神障害による労災認定の件数は年々増加しています。

 

職場では上司・部下、先輩・後輩の関係で会社の方針にしたがい勤務する過程で人間関係の摩擦が生じるときもある。

 

パワハラは、お互いの信頼関係とコミュニケーションが欠如した時に起きるのです。

 

報告・連絡・相談とともに、ビジネスマナーや規則の遵守がパワハラの抑止になります。

 

 

 

写真・・・石川県庁の桜(4/11)

電力システム改革 2022

はじめに~送配電分離

大手電力会社が日本の経済を支えてきた。

北陸ならば北陸電力が北陸経済のインフラとして機能している。

電力は社会のインフラであるから、安定供給が前提です。

国が主導して、電気料金を市場原理に委ねる目的で「電力システム改革」が粛々と実行されている。

消費者の選択肢と企業の事業機会の拡大を意図しています。

先ず「発電」と「小売」が自由化され、2020年4月に「送配電」が分離された。

北陸電力であれば、北陸電力送配電株式会社が設立された。

 

電力小売の自由化に伴う新電力会社の乱立と淘汰

「電力システム改革」の意図どうり、新電力会社の提案する電力料金は大手電力会社より安い場合が多い。

そこで、新電力会社に乗り換えた企業も多いであろう。

従前より独占企業であった大手電力会社しかなかった状況から一気に選択肢が増えたわけだ。

2016年4月に電力小売りの全面自由化が始まって以降、異業種などから参入した新電力は700社を超える。

自前の発電設備を持たない多くの事業者にとって、卸電力市場の価格高騰は死活問題となる。

天然ガスなどの燃料高は長期化の様相を呈しており、ロシアのウクライナ侵攻にてますます厳しい状態が続く。

意図どおり、市場競争に委ねるも、新電力会社の淘汰がもの凄い勢いで始まっている。

 

異常事態発生

燃料価格の高騰を受け、大手の新電力会社が法人向け電気料金の引き上げを続々と通知し、北陸エリアの企業から北陸電力に契約切り替えを求める申し込みが殺到、北陸電側が現状の供給力では対応できないとして受け付けを停止している。

北陸電力だけではなく、全国の大手電力会社も例外ではない。

北陸電力から新電力会社に切り替えたものの、北陸電力への出戻りが出来ない状態が続いている。

経営の合理化の一環として、電力料金を安くするという選択をした会社も多いであろう。

困っている会社も多いと推察する。

 

セーフティネットとしての北陸電力送配電株式会社

新電力会社への切り替えという経営判断は、当時、正しかったと思います。

固定費を削減することは、経営努力そのものだからです。

複数の選択肢から価格の安いものを選ぶことは、機会損失を回避することですから。

冒頭の送配電会社の「電気最終保障供給約款」によって、大手電力会社の標準電気料金の2割増で供給を受ける救済措置があります。

北陸エリアであれば、北陸電力送配電と先ずは契約し、北陸電力が受付を再開次第、北陸電力と契約する方法があります。

なお、この大手電力会社の受付再開要望は、過去から終始応援しています宮本周司先生にもご相談しております。

 

「ハイブリッド型勤務」<537>

私のメモでは、2019.12.8に中国が武漢で新型コロナウイルスの初患者を確認したと発表してから2年4か月になる。

以来、世界では4億8千万人が感染し614万人が死亡し、日本では661万人が感染し2万8千人が死亡している。

 

防止策もワクチン接種が3回目となりウィズコロナを目指している。

 

コロナ禍で勤務の仕方も、在宅でのテレワークやオンライン会議が導入された。

 

そして現在ではテレワークとビデオ会議を併用するハイブリッド型勤務を採用する企業が出てきた。

 

IT(情報技術)大手のグーグルでは、新型コロナウイルスの流行を経て多くが在宅勤務と組合わせる「ハイブリッド型」に移行する。

先進的な働き方を競ってきた企業の真価が問われることになる。

 

新たな働き方に対応したレイアウトを取り入れていく考え。

 

衛生に配慮して1人当たりの面積を広げ、ビデオ会議システムが使いやすい会議室を増やすことを検討している。

 

社員の約6割が原則として週3日出社する一方、残りは自宅などで働く。

 

グーグルのセティ副社長は「時間を有効活用できるようにすることや社員が平等と感じられること、人々がつながりを強めらるようにする必要がある」と指摘する。

 

だが、より重要なのはデータに基づいた合理的な判断や、それを可能にする企業文化が必要だ。

 

コロナは働き方まで変えている。

 

 

写真・・・CECゴルフ交流会(埼玉県)に参加・太平洋クラブ江南コース(3/30)

有頂天 2022

起~アカデミー賞のビンタ事件

今年の第94回アカデミー主演男優賞は、「ドリームプラン」での熱演が評価されたウィル・スミスであった。

まさにキャリアの最高峰に達した時、スミスは司会のクリス・ロックに平手打ちを見舞う。

彼の配偶者を愚弄したからだ。

デンゼル・ワシントンが、この暴力の後、こう言ったという。

「最高の状況にいるときこそ悪魔がやってくる。

だから、気をつけるんだ」と。

結果、ウィル・スミスは、アカデミー賞授賞式を含むアメリカ映画芸術科学アカデミーが主催するイベントへの出席を10年間禁じられた。

 

承~魔がさす瞬間

「ミナミの帝王」という漫画がある。

トイチ(10日で1割の利息)で貸し付ける闇金融をめぐる物語である。

かなり、えげつない描写もたくさん有るが、示唆に富むセリフも多い。

主人公の萬田銀次郎が没落の瞬間を捉えてこう言い放つ。

「魔界は天界に住んでまんねやで。

天界、すなわち、なにもかも上手くいって有頂天の時に

魔物は襲って来まんねや

魔物は有頂天に住んでまっからな。

これを魔がさすと言いまんねやで!!!」

(大阪の方もここまでの関西弁は使わないとこと)

あまねく世間を見てきた銀次郎の警句である。

 

転~経営者への戒め

事業の目的は、長期的な利益の実現。

なによりも継続していかなければならない。

経営者も人の子。

調子に乗ることもあるだろう。

そんなとき、事業主と対話できる共同経営者の存在が助けてくれる場合もある。

イエスマンも大切であるが、「あなた、違うわよ」とコンフリクト(摩擦)も厭わない存在。

この存在の多くは配偶者の方かもしれません。

事業主に敢えて対話を求めてくる方を遠ざけてはならないと思います。

決断の前に、あらゆる角度から考える良い機会となりますので、異論を遠ざけてはならんなと改めて思います。

 

結~自省の大切さ

自身やお客様の経営を概観するに、事業を継続していくことは一種の奇跡に近いと思います。

社員を多く抱えているところは、利益の捻出が社員の生活を支えることになります。

社員の生活を守るにはどうすれば良いか。

ただ、儲かることに簡単に手を出してはならぬ。

経営には理念が必要だ。

信念が要る。

コロナ禍、ウクライナ侵攻で世界動向が日本経済に深刻な影響を及ぼしてきました。

ただ、外部環境にかかわらず、有頂天の時の心構えを常に持たねばならぬと日々自戒していきたいと思います。

労働分配率について 2022

はじめに~労働分配率とは

労働分配率。

この経営指標について、経営者の皆様も着目して日々経営しているものと推察しております。

人のことで悩まない経営者を私は見たことがありません(笑)

粗利を分母とした社会保険を含む総人件費の割合。

固定費(Fixed Cost)の中でも労働集約型の事業では、この割合が高い。

言い換えるならば、人は付加価値の源泉であり、力(Foece)そのものだ。

人件費は、固定費のなかでも利益を生み出す力と位置付けられます。

 

1.適正な労働分配率とは

よく尋ねられる質問があります。

どれくらいの労働分配率が適正かという問い。

回答は、長期利益が実現できるように、毎年意図的に変えていくしかないと答えています。

現場で「人が足りねー」と怒りの声が経営者に届いたとします。

とにかく足りない。

「はい、そうですか」と人員を補充したところ、赤字になった。

これでは、当たり前ですが、事業は継続しません。

一方、現場の声を無視するとします。

採用も補充もしない。

現場の改善をせよと号令を発した。

ところが、「じゃ、お前がやれ!」とデモが起こり、離職が相次ぐ。

これも、当然ながら、事業は継続しません。

人員の適性化とは、経営そのものだと思います。

人員の「足りない」や「多すぎる」を繰り返し、瞬間風速的に一瞬適正になるタイミングがあるかもしれませんが、適正化の道は困難を極めます。

 

2.採用難と事業計画での労働分配率

事業のスタートアップ時、当たり前ですが、この経営指標は高い。

初年度の労働分配率がべらぼうに高い。

しかしながら、数年後、人材育成していくなかで徐々に適正化し、改善できれば良い。

ここで、サラッと育成の話をしておりますが、最も困難でそして感動するところ。

労働分配率を短期的な経営指標とした場合、経営判断を誤る可能性があります。

この経営指標は、長期的な観点から、経営環境(市場動向やシェア率など)を勘案して経営判断していくことがベターかと私見ながら思っています。

労働分配率は弾力的に設定した方が良いでしょう。

伸縮性のあるストレッチの効いた指標。

これが私の「労働分配率」観です。

 

 

「北陸の公示地価<536>

国土交通省は22日、北陸3県の公示地価を発表した。

商業地の平均変動率は新型コロナ禍で3県とも下落が続く一方、24年春の北陸新幹線の金沢―敦賀間の延伸開業を控えた福井市などで上昇地点もある。

住宅地の平均変動率は富山、福井の2県で下落が続き、石川県は上昇に転じた。

石川県の商業地は0.8%の下落で2年連続で下がったものの、下げ幅は縮小した。

金沢市は平均で0.1%下落。

観光客や飲食需要の回復が進まない中心市街地での下落が目立つ。

県内最高価格地点は金沢駅前の1平方㍍あたり98万5000円だが、3.4%下落した。

新幹線の新駅ができる小松市は上昇した。

住宅地は0.6%上昇と2年ぶりの上昇。

金沢市と隣の野々市市を中心に上昇傾向にある。

複合商業施設やドラッグストアの出店で生活利便性が向上した地域などで需要が堅調に推移する。

一方、能登地区は過疎化で下落基調が続く。

 

富山県の商業地は0.7%の下落で、30年連続の下落には驚く。

歓楽街の桜木町や宇奈月温泉の下落は新型コロナ禍で飲食・観光といった産業が苦戦している。

 

北陸3県の住宅地は前年より改善傾向だ。

石川県は上昇に転じたほか、富山県と福井県は下落幅が縮小している。

 

地価はコロナ、新幹線、商業施設(昨年秋にオープンした西泉の「コレクトパーク金沢」など)、の影響で常に変動している。

 

 

写真・・・北陸のシェアNO.1記事。碁笥(ごけ)がシェア60%。