2011/06/06
逃げる知恵「稲村の火」を消してはいけない
3.11の震災後、原発事故につき、想定外といえば、責任回避できるような姿勢はなんなのでしょう。
政治の話は、他力本願なので、極力避けてきた話題ですが。。。
危機対応のなさが、せっかく築きあげてきた日本の信用を失墜してきています。
先日、ORIXのゴルフコンペで、宮内会長の「今後の日本復興のポイント」を拝聴しました。
堤防などのハードウェアはもちろん大事なことですが、「逃げる知恵」という社会的ソフトウェアを大切にしないといけないとご教授いただきました。
20兆円出せば、災害は修復できますが、大事な人の命はかえってきません。
戦前の「修身」の教科書に、津波の襲来を村人に知らせるため、自分の畑の稲わらに火を放ち、警報を発して、村人の危機を救った人情庄屋の話が登場します。
江戸幕末にヤマサ醤油の基礎を固めた七代・濱口儀兵衛という人だそうです。
ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は、身の危険や財産を顧みないこの行為に感動し、「仏陀の国の落穂拾い」という作品のなかで「A Living God(生ける神)」として紹介しています。
後に、中井常蔵がこれをベースに、「稲村の火」を書き、小学生の国語の本に記載されました。
小泉純一郎元首相が海外の会議で、日本の災害対策について、こう言われたという。
「日本では小学校教科書に『稲むらの火』という話があって、子供の時から津波対策を教えているというが、事実か?」
小泉氏はその話を覚えていなかったので、文部科学省に照会したところ、だれも知らなかったという。
日本には、先達者の素晴らしい知恵があり、海外からも尊敬されていた。
「稲村の火」を消してはいけない。
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