2012/05/28
事業承継支援は金融機関の本業
(はじめに)
現在、中小機構北陸本部で事業承継コーディネーターをしております。
金融機関や商工会議所などに対して、事業承継支援をさせて頂いております。
事業承継支援は、地域の雇用を守ることを第一の目的としております。
早期に財産権と経営権を後継者に移行させる段取りをつけ、スムーズな事業承継をすることにより、地域の雇用を防衛します。
(事業承継支援は金融機関の本業)
金融機関で働く皆様の中には、「事業承継」は仕事ではないと考えている方もいます。
事業承継=相続という連想をしており、事業承継支援=税理士や弁護士やM&Aセンターの仕事と考えているからでしょう。
事実、行員の皆様が相続税や遺言の相談に乗った場合、税理士資格等がない場合、コンプライアンス違反となる恐れがありますので、そういう意味では正しいのかもしれません。
士業団体ではない金融機関が取り組む「事業承継支援」とは、貸金の返済の担い手が育つ、言い換えるならば、事業が続くような環境整備を行うことにあります。
事業承継を「貸金の返済の担い手承継」と定義すれば、貸金のある先について、すべて事業承継支援の対象先となります。
(事業承継支援は、究極のリレーションシップバンキング)
行員の皆様が事業承継支援の本質を理解し、支援に乗り出す時、壁にぶつかります。
とくに事業承継を意識していない小規模の経営者に対し、「事業承継」の必要性を説くとき、ネガティブな反応があるかもしれません。
「余計なお世話」だと。
この反応は、お客様が事業承継の必要性に気づいていない状態であり、この状態から「ありがとう」という反応に変えていくことを「コンサルティング」といいます。
お客様からの質問を答えるのは、単なる指導であり、金融機関に求められているのは、支援でありコンサルティングです。
お客様が事業承継の必要性に全く気付いていない状態から、どうアドバイスし提案していくか。
事業承継の「潜在ニーズ」を掘り起こすというのではなく、貸金のあるすべてのお客様が対象であるという意識をもって、事業承継支援に取り組んでいくことが大切かと思います。
この記事へのコメントを書く