2016/03/06
震災後初の朝礼
日本経済新聞の「私の履歴書」。現在、アイリスオーヤマの大山健太郎社長の履歴書が連載されています。
第一回のタイトルが「震災後の朝礼」。アイリスオーヤマは、生活必需品を製造販売する会社です。本社は震災の被害地である宮城県内。
東日本大震災後翌週の月曜日(2011.3.14)の朝礼で大山社長は社員にこう語りかけた。
「家族が心配だろう。しかし私たちの商品を出荷することが東北の復興になる。企業には企業しかできない役割がある。未来を見すえ、前に進むことだ。人を出せない代わりに3億円を寄付する。皆は東北のためにここにとどまって仕事をしてほしい」
これを読んだとき、背中に電流が走りました。
私が同じ状況に立ったとき、社員全員にこのような言葉を発することができるだろうか。
こう自問自答しました。
ちなみに、大山氏が朝礼で力強い発言をしていた時、つまり、5年前の今頃、私は、確定申告のため、電子申告の送信の段取りをしていたと記憶しています。東日本大震災で大変だったときも、普通に仕事をしていたのです。当時の3年日記、ランクアップノートに「この震災時に普通に仕事。無力感。」との記述もありました。
さて、リーダーの最も大事な役割は、方向性を示すことであると思います。大山氏のこの言葉にリーダーの本質があると思います。
大山氏は方針を明確に決めた。方針を明確にして、社員全員の不安を一掃させた。
もし、朝礼で「会社のことはいいから、家族と一緒にいてあげなさい」と語りかけていたらどうなっていただろうか。社員も被害者ですから、それはそれで正解のような気もします。
ただ、企業には企業しかできない役割がある。だから、前に進んでいく。東北のために皆で力を合わせよう。大山氏の選んだこの言葉は力強い。
おそらく、その朝礼での大山氏の言葉は社員を鼓舞させたはず。言葉のもつ力。言葉は希望を与えてくれます。
大山氏から大切な言葉のプレゼントを頂きました。ありがとうございます。
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